鉄道総研 平兵衛まつり2006

鉄道<イベント>

平兵衛まつりは、東京都国分寺市にある鉄道総合技術研究所(鉄道総研)で毎年秋に行われるイベント。地元に根ざした「平兵衛まつり」が、地元の商店街の「光商店会まつり」とともに今年も開催されました。
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JR国立駅からすぐそばにある鉄道総合技術研究所の所在地は昔、平兵衛新田という地名でした。東海道新幹線ひかりの基礎研究が行われていたことに由来して、町名が光町へと変更。平兵衛の名前を残す意味もある平兵衛まつりは、地元のためのお祭りでもあるため、一般にはあまり知られていません。

鉄道総合技術研究所へ続く道に入ると、たくさんの出店とともに餅つき大会が行われていました。鉄道総合技術研究所の向かいには新幹線発展の軌跡を展示した施設「ひかりプラザ」があり、屋外の新幹線ひかりが誇らし気に停まっています。
ゲートをくぐると中庭でミニSLが噴水の周りを走り、リニアモーターカーが展示されています。赤色のリニアモーターカーは初期型のML100で、鉄道100年の1972年(昭和47年)に鉄道総合技術研究所の敷地で60km/hにて走行した実績を持ちます。青色のリニアモーターカーはMLX01で、有人走行で時速581kmを達成しました。山梨リニア実験線での乗車は、記憶に新しい体験です。
photo photo photo photo photo広大な敷地では各所で様々なイベントが行われています。一角のつりぼりセンターでは、鉄道会社から提供されたいろいろなグッズがビニール袋に詰め込まれ、釣りを興じて子どももおとなも大騒ぎです。
photo photo photo photoレールの振動実験などが行われている試験棟なども眺めることができます。
敷地には線路が敷かれ、実際に稼働して引退した後に試験として流用された車両が多く残されていました。2階建車両のモックアップもあり、研究所であることを実感することができます。赤色の車両は、車輪とレールとの間の摩擦係数を測定するクヤ497形電車です。
photo photo photo photo photo荷物制御電動車のクモニ83も停車していました。
ホームには、開発中の燃料電池搭載車両を見ることができます。気動車と置き換えて、騒音や排ガスなどの問題を解消すること、電車に適用して電化設備を不要にすることに目的がおかれています。
photo photo photo photo photo車両の中には研究や実験のための機材が並び、今も開発が進んでいることがわかります。実際に通勤電車として利用される日が楽しみです。
「継ぎ目のないレールはこうして作る!」と、うたった、レールのテルミット溶接を目の前で見ることができました。レールとレールとの継ぎ目をなくしてしまう技術のデモンストレーションです。
photo photo photo photoテルミットとよばれる酸化鉄とアルミニウムを混ぜた粉に火を加えることにより、約2000℃の熱が発生、鉄をつくり出します。接続したレールの周りを砂で固めて、鉄を流し込むための型をセット。
photoテルミットを型に入れて、火をつけると、勢いのある火柱とともに鉄が流れ込みます。型をはずし、グラインダーで研ぐと、継ぎ目のないロングレールが完成。
作業時間は15分ほどで完了、作業する方々の手際のよさに大きな拍手が寄せられていました。
研究棟では、ダーツや鉄道模型の展示など、いろいろなイベントやアトラクションが行われています。液体窒素で冷やされた超伝導物質の上に乗りクルクルと回転する体験コーナーでは、実際にひもを通して、人を空中に浮かすことができることを証明していました。
photo photo photo photo巨大な建物では、大型降雨実験装置によるイベントが展開。雨量によって、中に敷かれた土砂がどのように崩れるかを研究するための実験棟です。
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目の前で降っている雨が、どのくらいの降雨量なのかを当てるクイズで盛り上がっていました。
外は晴天、中は雨天何とも珍しい光景は世界広しといえども他ではお目にかかれないことでしょう。
photo普段、何気なく利用している鉄道。多くの人が、たくさんの研究の末、安全と快適が追求されて今に至っているということを実感できる、すばらしいイベントとなりました。