霞ヶ浦導水 特別見学会

霞ヶ浦導水は、那珂川の下流部・桜川・霞ヶ浦・利根川の下流部をつなぐ巨大な地下水路です。
2017年(平成29年)1月29日、「霞ヶ浦導水 特別見学会」が行われました。

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那珂川下流域と利根川下流域の流水の正常な機能の維持、新たな水の確保と霞ヶ浦、桜川・千波湖の水質浄化のため、トンネルを整備して水を相互にやり取りする事業が進められています。

見学会は、茨城県水戸市にある霞ヶ浦導水の那珂機場(なかきじょう)に集合します。

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機場とは、水を送り出すためのポンプなどの設備がある施設です。

那珂機場に入ると、霞ヶ浦導水事業を示す大きな地図が掲示されています。

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事業に関するパネルが並びます。

会議室で、特別見学会の説明を受けます。
水質浄化や利水において重要な事業のため、茨城県・千葉県・東京都・埼玉県が事業に参画しています。

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霞ヶ浦の周辺には、那珂川・桜川・利根川が流れます。これらをトンネルでつなぎ那珂川や利根川から相互に水を導くことで、以下のような効果があります。
・霞ヶ浦や桜川の水をきれいにする
・那珂川や利根川の水不足を減らす
・新たに水道用水や工業用水を確保する

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霞ヶ浦導水の延長は約45.6km、形式は地下水路圧力管方式となります。河川名は「利根川と那珂川を霞ヶ浦を介して結ぶ流況調整河川(霞ヶ浦導水路)」です。

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霞ヶ浦導水は、那珂導水路と利根導水路で構成されます。
那珂導水路は那珂川・桜川・霞ヶ浦をつなぎます。トンネルは延長約43.0kmで、地下約20m~50mに設けられます。
利根導水路は霞ヶ浦と利根川をつないでいます。トンネルは延長約2.5kmです。

1984年(昭和59年)、建設に着手されました。2016年度(平成28年度)では、那珂導水路の一部となる水戸トンネルによって、那珂川と桜川がつながっています。

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全体事業費は約1,900億円、2016年度(平成28年度)までに約1,522億円が使われました。

那珂機場では、那珂川の水をポンプを使って、那珂導水路を通して霞ヶ浦や桜川へ流します。また、霞ヶ浦の水を那珂導水路を通して那珂樋管で那珂川へ流します。

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那珂川の下流部では、水不足になると塩分の高い水が川をのぼり、水道や事業用水などの取水ができなくなってしまいます。霞ヶ浦導水を使って、利根川や霞ヶ浦から那珂川へ水を送ることによって、安定した取水ができるようになります。
那珂川に水が多いときは、霞ヶ浦や利根川へ水を送り、霞ヶ浦や桜川などの水質を浄化し、利根川の濁水被害を軽減することができます。

那珂機場の機場建屋にある動力室へ移動します。

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機場建屋は4年間で建設され、1992年(平成4年)に完成しました。地上2階、地下3階の鉄筋コンクリート造です。幅35.5m、長さ74.5mあります。

ポンプの主原動機(モーター)が2台、設置されています。青色のモーターは1秒間に9.5㎥、赤色のモーターは1秒間に5.5㎥、水を送ることができます。

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導水管のモデルが展示されています。内径は3.5mあります。

機場建屋に隣接している広大な箇所へ移動します。

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那珂川と機場建屋の間の地下には、沈砂池(ちんさち)が整備されています。

地下には、敷地内の雨水が取り込まれて溜まっています。

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壁のスクリーンで、那珂川について説明を受けます。

神殿のような柱が並ぶ沈砂池では、那珂川から取り込まれる水に含まれていた砂やゴミが取り除かれます。

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霞ヶ浦導水が供用されることで、那珂川は新規都市用水の確保、既得用水の安定化、河川環境の保全が図られます。

バスで桜機場へ移動します。

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右手に管理棟があります。

地下7mにある回廊へ、階段で降ります。

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回廊は内径16.5m(外径19m)の吹き抜けになっていて、下階は地下約20mとなります。
壁のスクリーンで、霞ヶ浦導水について説明を受けます。

桜機場では、那珂川から那珂導水路で流れてきた水を桜川へ流します。

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水を桜川へ流すことで、桜川および干波湖の水質が改善されます。

地下48mにある管路室へエレベーターで降りると、那珂川・桜川・霞ヶ浦をつなぐトンネルがあります。那珂導水路の一部となる、延長約6.8kmの水戸トンネルです。

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トンネルの中へ入ります。那珂川から霞ヶ浦方向へ1秒間に最大15㎥、霞ヶ浦から那珂川方向へ最大11㎥の水が行き来します。

那珂川の方向へ進みます。

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トンネルをつくる際、立坑と呼ばれる縦の穴を掘ります。桜機場の桜立坑から那珂機場の那珂立坑まで約4.5kmあります。

導水管の内径は4.0mあるので、余裕をもって歩くことができます。

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地上に桜川が流れる箇所になります。

光の届かない先は、那珂川の那珂機場につながっています。

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見学した記念写真に使用するパネルが用意されています。

桜機場に戻ります。

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桜機場の桜立坑です。先の水戸立坑まで1,740m、反対側の那珂立坑まで4,523mあります。

水戸立坑までの水戸トンネルは整備が完了しています。

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トンネルを掘削する際に出た岩石が展示されています。

地上へ戻ります。桜機場の放水水路です。那珂川からの水を、1秒間に最大3㎥放流する施設となります。

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桜川放流樋管と桜機場放流樋管ゲートの銘板があります。

那珂導水路から桜川に水を流す箇所です。

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「霞ヶ浦導水 特別見学会」はここまでとなります。最後に、霞ヶ浦導水工事事務所オリジナルのダムカードが配布されます。

霞ヶ浦導水では、月1回程度の休日に限定された特別見学会が行われています。

参考:霞ヶ浦導水工事事務所 _ 国土交通省 関東地方整備局