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日本橋(架橋100年)橋洗い
日本橋(にほんばし)は、東京都中央区の日本橋川にかかる、中央通りの橋梁。一年に一度、日本橋を洗うイベント「橋洗い」が、名橋「日本橋」保存会と東京国道事務所により開催されています。

1603年(慶長8年)、徳川家康により架けられた、初代の木造りの日本橋。火災による消失と架け替えが繰り返され、1911年(明治44年)、現在も使われている石造りの橋が架けられました。
2011年(平成23年)、架橋100周年を迎えた現在の日本橋は、第二十代目となります。
日本橋は毎年7月に、道路を封鎖して美化に努める「橋洗い」が行われています。41回目となる今回は、2011年(平成23年)7月31日に行われました。
日本橋は、国道である中央通りに架けられた橋梁です。真上に通る薄い緑色の壁面は首都高速道路の高架で、日本橋ではありません。
日本橋は、日本における国道の起点とされています。
首都高速道路の中央部分には「道路元標地点碑」が設置されています。
日本橋の中央には「日本国道路元標」が埋め込まれています。
橋洗いで使用されるブラシは約500本、用意されています。
日本橋川へ投入される、河川の洗浄を促す「EM団子」は約4,000個、用意されています。
11時30分より主催者・来賓の挨拶が始まります。
日本橋浄化セレモニーとして、EM団子が投入されます。
日本橋「橋洗い」の作業が開始されます。日本橋が舞台となる映画「麒麟の翼」に出演している松坂桃李さん、菅田将暉さん、竹富聖花さんも橋洗いをしていました。
駆けつけた熊本県のイメージキャラクター・くまモンもがんばって(?)橋洗いです。
消防庁の放水による洗浄が始まります。

道路の中央にあり、普段は触れることができない日本国道路元標も、参加者によって徹底的に洗われます。
移動しながらの放水に、子どもだけでなく大人も歓声をあげざるを得ません。

日本橋が少しずつきれいになっていきます。
子どもたちは、放水のための貯水プールへも入っていました。

首都高速道路にかかる銘版も、放水により洗われます。
東京国道事務所の散水車による仕上げ洗浄が始まります。
これにより、日本橋「橋洗い」は終了となります。
2011年(平成23年)4月3日、日本橋の橋詰に「日本橋船着場」が完成しました。全長20メートル、幅6メートルの浮桟橋型。水域を有効に活用し、江戸の風景をよみがえらせるためにつくられました。
船着場に隣接する通称「滝の広場」にはこれまで、河岸としての名称はありませんでしたが、このたび「双十郎河岸」と名づけられ、13時45分より記念碑セレモニーが行われます。
歌舞伎役者の、坂田藤十郎さんと市川團十郎さんが、屋形船の屋上に乗って登場します。
坂田藤十郎さんは主に西方で、市川團十郎さんは主に東方で活躍されています。
日本橋の橋上には、多くのファンが「山城屋!」「成田屋!」といった熱いかけ声を送ります。
日本橋船着場へ到着すると、歓声がますます大きくなります。
主催者・来賓の挨拶が始まります。「双十郎河岸」は、二人の十郎からとって命名されました。
坂田藤十郎さんは「東京での船乗り込みは藤十郎襲名以来。またやらせていただいて本当にありがたい」と挨拶。
市川團十郎さんは「1660年に初代が生まれて以来、江戸の役者として日本橋は非常に縁が深い。藤十郎さんとご一緒に、記念すべき行事に参加させていただいてとても嬉しい」と挨拶。
石碑除幕が行われ、周囲は大きな拍手に包まれます。
この後、COREDO室町にある日本橋三井ホールにて、市川團十郎さんによる「助六由縁江戸桜」と坂田藤十郎さんによる「藤娘」が「日本橋架橋百周年記念公演」として披露されました。
日本橋の架橋100周年にあたる今年は、約1500人の人々により橋が洗われ、双十郎河岸の記念碑セレモニーにより盛大なイベントとなりました。
今後も、日本橋を中心とした文化や経済が大きく発展していくことでしょう。
国道1号(桜田通り) トチの実拾い
トチの実拾いは、トチノキの実が自然落下して歩行者や車両に被害を及ぼす前に、高所作業車や竿を使って落下させて、参加者に提供されるイベント。1993年(平成5年)から実施され、今回で16回目となります。

国道1号(桜田通り)のトチノキの並木は1912年(明治45年)に植えられたもので、東京に現存する最も古い街路樹です。高さ約12メートルと大きく成長したトチノキが延長約600mに73本並んでいて、歴史ある並木道として緑陰道路プロジェクト・モデル地区に指定されています。
トチノキは、落葉性の高木で、栃木県の県木にもなっています。トチノキの実はトチの実とも呼ばれ、厚い果皮の中にある栗によく似た種子を渋抜きすることで食用にもなります。
成熟して硬くなった実は、木から落下して歩行者や車両に被害を及ぼすおそれがあります。このため、トチの実が自然落下する前に、高所作業車を使い竿などで叩いて落とします。
国道1号(桜田通り)の1車線を使い、車道や歩道を規制して、トチの実を落とす作業が進められています。

この日は6台の高所作業車が稼働していました。
トチノキを見上げると、たくさんのトチの実をつけています。
トチの実は数個で一塊になっています。実は固いので、車両や頭上に落下すると危険であることがわかります。
高所作業車には2人1組で乗り込んでいます。

枝切りハサミや竿などが用いられていました。
高所作業車のそばでは、落ちてくるトチの実や枝の回収が行われます。

トチの実は麻袋につめられ、運ばれます。
歩道では、トチの実拾いに参加した人々が持ち帰るために、気に入ったトチの実を持参した袋につめていました。
トチの実がつまった麻袋は山のようになり、人々が持って帰る分量ではないようです。
渋抜きをするには技術や手間がかかるものの、トチ餅・湿布材・クリスマスツリーの飾りなど、様々な使い方があります。
トチの実拾いは、「都心の自然とのふれあいの場の提供」として行われているとのこと。道路の維持や管理が、今後も親しみやすいイベントとして展開されることを希望します。
公式:東京国道事務所 - トチの実拾いを実施しました!
日比谷共同溝事業 現場見学会
日比谷共同溝は、虎ノ門交差点から日比谷交差点まで、国道1号の地下に造られた延長1,550mの共同溝。
進行中の、ライフライン収容のための整備を見ることのできる「日比谷共同溝事業 現場見学会」が開催されました。

日常生活に欠かすことができない電話・電気・ガス・上水道・下水道などのライフライン。道路の下へ個別に埋設されているライフラインをひとつのトンネルで共同して利用することにより、道路を掘り返す工事はなくなり、地震など災害に強い生活基盤を築くことが可能になります。
日比谷共同溝では、建設現場を文化的な目的で利用する「東京ジオサイトプロジェクト」が過去4回、開催されました。最後の東京ジオサイトプロジェクト4 地底音楽堂計画からは約2年半がたっています。
虎ノ門交差点にある虎ノ門立坑から階段を下りると、施工用の空間(施工ヤード)が広がります。大きな工事の際には広大な空き地を必要としますが、場所を確保することのできない虎ノ門では、地下に空間が用意されました。
トンネルを掘る工事が終わっている現在、空間には何も置かれていません。
エレベーターを利用して、さらに地下へと移動します。地下約30mに、日比谷共同溝のトンネルを見ることができます。
虎ノ門立坑は、桜田門立坑を経由して日比谷立坑まで整備が続く「日比谷共同溝」と、三田立坑まで通じている「麻布共同溝」との接続部分にあたります。
まず、麻布共同溝を見学します。
麻布共同溝の外径は約5.3mあります。トンネルは区切られ、水道の配管などが整備されています。
さらに階段を下りて、日比谷共同溝の入り口の高さまで下ります。

地上からの光を見ることができました。
日比谷共同溝の外径は約7.3m。シールドマシンで掘り進められたトンネルの工事はすでに終わり、それぞれのライフラインの区切りを断面から確認することができます。右上は電気、右下が上水道、左下に電話となっていて、左上の通路を利用して全体へアクセスできるようになります。
工事で利用される線路が一直線に延びています。日比谷共同溝を、虎ノ門立坑から日比谷立坑に向かって歩きます。
地上を走る国道1号の交差点にあたる部分には、ライフラインを分岐するための穴が用意されていました。
ライフラインは、人間の血管のように隅々まで送る必要があるため、場所に応じた分岐が造られています。
先には、桜田門立坑や日比谷立坑へと続くトンネルが延びていました。
虎ノ門立坑へと引き返します。
日比谷共同溝は、平成22年度の完成をめざしています。完成の後、虎ノ門立坑がある虎ノ門交差点の地下は、地下鉄銀座線の虎ノ門駅や虎ノ門交差点を利用する歩行者の利便性・円滑性・快適性の向上をめざし、整備されるとのことです。
「道路の掘り返し工事を減らし、渋滞を軽減する」「災害からライフラインを守る」という役割を持つ共同溝。ライフラインを守り、快適な都市生活を支える日比谷共同溝が持つ意義を、充分に理解することのできた見学会となりました。
公式:東京国道事務所 - 日比谷共同溝 関連:ラジエイト - 東京ジオサイトプロジェクト4 地底音楽堂計画
国道357号 空港北トンネル防災設備点検
空港北トンネルは、羽田空港と京浜島とを結ぶ国道357号の、自動車専用のトンネル。一年に一度、トンネルを通行止めにして防災設備の点検が行われるということで、「国道357号 空港北トンネル防災設備点検」を取材をしました。

2007年(平成19年)は、10月27日23時30分から10月28日5時まで、防災設備の点検のために全面通行止めとなります。事故などの車両火災発生時、防災のための設備が正常に動作するかどうかを確認する、放水試験が行われます。
総延長:1,487m、車線数:東行き(千葉方面)2車線・西行き(神奈川方面)3車線、設計交通量:4,100台/時間。1993年(平成5年)に共用を開始しました。
国道357号と首都高速道路湾岸線とが並行する構造となっていて、羽田空港の滑走路の下を通り、空港や環状8号へアクセスできます。
空港北トンネルは、京浜島にある「京浜島換気所」で監視や管理が行われています。操作制御設備として監視盤、操作卓、グラフィックパネルなどが設置され、設備の運転状況を監視して、場合によってはトンネルを通行している自動車に対して警報表示などを行います。
昼間が3名、夜間は4名の、監視員の方々が勤務されています。
この日は点検ということで、道路を規制する業務を含めて100名ちかくの方々が出勤されたようです。
メインのパネルを見ることにより、交通量や設備の状態などが一目瞭然になっています。
通行止めになるまでの時間、換気所を見せていただくことができました。
上の階には会議室があり、窓からは羽田空港を一望することができます。着陸による順番待ちの飛行機が数機、滑走路の上空で待機している光景が印象的でした。
地階には、換気動力室や自家発電機室など、トンネルの維持に必要な機械が備わっています。
トンネルでは、災害時の停電が事故を招く恐れがあります。電気が途切れることのないよう、自家発電機が待機されています。


自家発電設備として、発電機が1台、燃料貯油槽に12000リットルの燃料などがあり、約40時間は何にも頼ることなく発電を行うことができます。
通行止めの時刻が近づいてきたため、中央操作制御設備のスペースへと戻ります。人も集まり、緊張感が伝わってきます。設備の中には、運転中の自動車へダイレクトに情報を伝える手段として、ラジオの電波に割り込むための装置もありました。
以前、拝見した「国道20号 新宿御苑トンネル防災設備点検」よりも通行止めは大がかりで、規制車の配備は10箇所にも及びます。事前の準備として、1ヶ月前より通行止めの告知の看板を80箇所に設置、2週間前より電光掲示板にて告知、朝のニュースなどで情報を放送したとのこと。
0時を過ぎて一般の交通が遮断されました。防災設備の点検のため、トンネルへと移動します。
港湾や滑走路の下を通るため、トンネルは一直線の下り坂となっています。
トンネルには非常用施設として「消火・水噴霧設備」「通報設備」「警報設備」「避難誘導設備」など、たくさんの対策が用意されています。この日の防災設備の点検は、1箇所の消火栓と、すべてのスプリンクラー(=水噴霧装置)による放水の確認となります。まずは消火栓の点検です。
消火栓は50メートルおきに上下線合わせて58台設置され、ホースの長さを30メートルとすることで、火災におけるすべての範囲をカバーします。消火栓から出るのは、消化剤ではなく、水となります。
スプリンクラーの点検がはじまりました。煙の発生と同じような状態をつくる装置で、設備が正常に機能するか確認します。
25メートルを1区画として、東行きと西行き合計108区画、片側車線だけで59区画にスプリンクラーが設置されています。
スプリンクラーは車線の左側上部に備わり、道路の隅々まで水が届くようになっています。一部、換気機設備のジェットファンがある場所においては、水をすべてに行き渡らせるため、右側上部にもスプリンクラーがついています。
スプリンクラーの点検は、首都高速道路を挟んだ反対車線でも同時に行われています。東行きと西行き両方の点検における管理を京浜島換気所だけで行うため、対応は東行きと西行き交互となり、点検には多くの時間がかかることになります。
ジェットファンは、トンネルの中の空気を排風および送風することによって、排気ガスによる視界の不良を回避します。
点検が行われた後方には、噴霧された弁にキャップをはめる作業が進められています。
設置されている消火器の交換も行われていました。2本1組の消火器は、50メートル間隔、東行き西行き合計118ヵ所に設置されています。
港湾を抜ける位置から、トンネルは一直線の上り坂となります。
非常口は小さい扉と大きい扉があり、開けるとセンサーが感知して京浜島換気所へ知らされます。火災が発生した場合、並行する首都高速道路湾岸線へと避難することになります。
滑走路の直下にあたる位置は、トンネルの開口部となっています。見上げると月が静かに輝いていました。
時計を見ると2時を少し過ぎたところ。1回きりの休憩時間もわずかなもので、すぐに点検へと戻ります。
ひとつの区画のスプリンクラーを確認し、数分かけて点検し、次の区画のスプリンクラーを確認するという作業が続きます。
ようやくトンネルも終わりが見えてきました。この先には羽田空港があります。
後方では、排水管清掃車と側溝清掃車による清掃が行われています。
防災設備の点検に合わせて、清掃は必ず行われるようです。
734メートルの第1トンネル、134メートルの開口部、619メートルの第2トンネル、すべての点検を終えると、時計は3時15分を指していました。

ひととおりの作業が一段落したため、来た道を歩いて京浜島換気所まで戻り、防災設備の点検は完了となります。
取材して驚いたのは、新宿御苑トンネル防災設備点検と同じく、誰一人として飲み物やタバコを口にせず、一気に点検を終えてしまうということ。限られた時間の中で、作業に従事し業務を完了させる責任の重さを知ることができました。
トンネルの利用者として、無理な運転をせず、有事の際には慎重な対応ができるよう努めたいものです。
取材を応じてくださいました、国土交通省東京国道事務所の植松様に心よりお礼申し上げます。
国道15号 大森蒲田共同溝工事
国道15号は、第一京浜とも呼ばれる、東京都と神奈川県とを結ぶ一般国道。2007年3月に一般公開された「大森蒲田共同溝現場見学会」から約5ヶ月、「国道15号 大森蒲田共同溝工事」を取材しました。

国道15号の地下、大田区の大森西5丁目〜蒲田4丁目の延長1,481mにおいて、内径4メートルの共同溝を建設する「大森蒲田共同溝工事」が進められています。
現在、東京都区内では電気・電話・ガス・水道・下水道などの幹線ライフラインをまとめて収容する「共同溝」というトンネルのネットワーク化が進められています。共同溝を築くことで「都市の防災機能の向上」「ライフラインの安全性・信頼性の確保」「利便性の向上」「道路の掘り返し工事を削減することによる渋滞の緩和」などメリットが生まれます。
国道15号に沿って、ほぼ直線にトンネルの工事は行われています。京浜急行本線の梅屋敷駅そばの蒲田二丁目を拠点として「発進立坑」と呼ばれる縦の穴を掘り、巨大な筒型のシールドマシンを使い、品川方面へ向かって大森西五丁目の「到達立坑」までトンネルを掘ります。
工事は、「泥水式シールド工法」で行われています。土と地下水の圧力に対抗するための水を、ポンプでシールドマシンの前面に送って循環させながら、カッターを回転させて掘り進める方法です。
シールドマシンは直径約4.5メートル、長さ約7.0メートル。発進立坑に設置されたコンピュータで制御され、人の手をほとんど介さずにトンネルが掘り進められていきます。
シールドマシンは掘削と同時に、「セグメント」と呼ばれる幅1.2メートルの壁を組み立てながら、前へと進みます。
今回の工事では、約1191個ものセグメントが必要となります。
工事用のエレベーターで、深さ約21メートルの地下へ下ります。
シールドマシンが掘り進めている一直線のトンネルの、先端部へと向かいます。
発進立坑から掘削を開始したシールドマシンは、到達立坑までを掘り終える直前でした。
大森西五丁目に到達したシールドマシンは一度、解体されることになります。メンテナンスされた後、蒲田二丁目の地下で再び組み立てられ、今度は反対側の蒲田四丁目を目指して掘削をします。
発進直前の状態を観ているということもあり、一直線に延びるトンネルは取材する立場ながら感動と衝撃を与えてくれます。
トンネルの途中、発進立坑と到達立坑との中間地点に「分岐立坑」があります。
鉄筋コンクリート製セグメントでつくられているトンネルの途中で、一部のライフラインが地上へアクセスしやすくするため用意されている立坑です。
シールドマシンは単体で穴を掘るのではなく、水や電気を送ったり配管をしたりするための様々な機械が後方で稼働することにより、前へと進むことができます。
シールドマシンに合わせて、レールに乗った様々な台車も前へと進みます。
スラリーストップ台車:配管をする際に泥水をこぼさないための台車

ホースリール台車:配管のためのホースを巻く台車

計装ケーブル台車:通信の線を巻く台車
高圧ケーブル台車:電流の線を巻く台車

トランス台車:電圧をコントロールするための台車

ベビコン台車:機器を制御するための台車
ポンプ台車:泥水を地上へ送るための台車

バブルセット台車:泥水の流れを制御する台車

運転台車:シールドマシンを操作する台車

クラッシャー:岩や石を砕いて泥水とともに送るための機械

すべての台車が機能して、先端のシールドマシンが稼働することになります。
発進直前と比べると、「苦労した形跡」が伝わります。
掘削を続けるシールドマシンからは、美しさすら感じることができました。
トンネルを歩き、蒲田二丁目の発進立坑へと戻ります。
まだ掘り進められていない反対側の、蒲田四丁目を目指すトンネルの掘削は、2007年の末から開始される予定です。

現場では約50名の方が、昼方・夜方を合わせて24時間の体制で勤務されています。シールドマシンなどにより作業のロボット化が進んでも、点検や測定など、人間の負担する作業が減ることはありません。
工事にともなう周辺の住民への配慮や事故の防止など大変な作業は多い反面、トンネルが開通した際には、工事に携わらなければわからないであろう、大きな喜びがあるとのことです。
共同溝のネットワークが進むと、災害が発生した際にライフラインが断絶されることが少なくなり、ケーブルなどの埋設により都市の景観は美しくなります。
今後の、さらなる共同溝の建設を望みます。
工事においてのたくさんの事実を知ることができた、非常に充実した一日となりました。
取材に応対してくださいました、国土交通省東京国道事務所の後藤様、そして、戸田・大日本特定建設工事共同企業体の伊澤様と内梨様に、深くお礼を申し上げます。
関連:ラジエイト - 一般国道15号 大森蒲田共同溝現場見学会
新宿駅南口地区基盤整備事業
新宿駅南口地区基盤整備事業は、交通渋滞・乗り換え機能の不足・施設の老朽化など、新宿駅駅南口周辺における様々な課題を解決するために取り組まれている事業。公募による小学生20組が参加した、「新宿駅南口地区基盤整備事業」の夏休み親子現場体験イベントを取材しました。

新宿駅南口地区基盤整備事業として工事が進むのは、以下の3箇所になります。
・歩行者広場や鉄道、高速バス、自動車、タクシーなどの利用者の乗り換えの利便性を向上する交通結節点
・老朽化した跨線橋(こせんきょう)の架け替え
・新宿駅と地下鉄副都心線新宿三丁目駅を結び歩行者の安全・安心空間を確保する地下歩道
イベントに参加した小学生は、ポラロイドカメラとしおりが手渡され、取材形式で見学します。
まず、新宿駅南口の線路の上で行われている、「新宿交通結節点整備」の現場へ移動します。
国道20号(甲州街道)の南側の線路のうえを活用して、約1.47ヘクタールの人工地盤を創りだし、歩行者広場や交通施設を整備します。
2階:駅施設と歩行者広場、3階:タクシー乗降場と一般車乗降場、4階:高速バス関連施設という構造の施設が完成すると、現在、駅周辺に分散してしまっている高速バスが集結して、結節点の機能は強化されることになります。
工事で使われている「100tクレーン」が置かれていました。
小学生は歩幅による測定で人工地盤を支えている基礎杭の深さが何メートルあるかを当てることによって、人工地盤の堅牢さを実感できるようになっています。基礎杭の長さは27メートル。専用の測定器により、答えを知ることができました。
続いて、甲州街道を渡り、新宿駅南口の正面で行われている「跨線橋架け替え」の現場へと移動します。
新宿駅南口の線路の上にかかる甲州街道の橋りょうは、1925年(大正14年)に架けられ、80年以上が経っています。地震などの災害時にも耐えることができるように、架け替えと補強が行われています。
小学生は用意された「工事状況説明ブース」「作業機械説明ブース」「ボルト・ナット回し体験ブース」の3ブースで、体験しながらの見学を行いました。
1日に約6万台以上も通過する自動車の流れを止めることなく、橋りょうを架け替え、道路の幅を30メートルから50メートルへと広げる工事が進みます。
最後に、「地下歩道」の現場へ移動します。
新宿駅と、2008年(平成20年)6月に開業する東京メトロ副都心線 新宿三丁目駅との連絡機能を強化するため、地下歩道の工事が進みます。
明治通りの下を通る東京メトロ副都心線は、甲州街道の交差点にあたる新宿三丁目に駅が設けられます。
ホームに至っては通常の300メートルほどであるものの、将来、乗り入れを行う東急東横線の折り返し線が組み込まれているため、新宿三丁目駅は靖国通りの新宿五丁目からタカシマヤのある新宿四丁目南まで、約800メートルもの長さとなっています。
工事中のホームなどの見学を終えた小学生は、改札口となる予定の場所で、見学した際の感想や写真などをしおりに書き込み完成させます。
新宿三丁目駅の地下通路には途中、新宿駅南口へと続く地下歩道が延びていました。
工事は安全性を確保するため、夜間にだけ工事が進みます。よりよい新宿が、安全につくられていくことを祈ります。
子どもたちが自らの手で未来を築く瞬間を知った、非常に実りのある一日となりました。
取材をさせてくださいました国土交通省東京国道事務所の方々に、深くお礼を申し上げます。
公式:東京国道事務所 - 新宿駅南口地区基盤整備事業 関連:ラジエイト - 東京メトロ副都心線 新宿三丁目駅 建設現場
国道20号 新宿御苑トンネル防災設備点検
新宿御苑トンネルは、四谷四丁目交差点と新宿三丁目交差点とを結ぶ国道20号(甲州街道)のトンネル。一年に一度、トンネルを通行止めにして防災設備の点検が行われるということで、「国道20号 新宿御苑トンネル防災設備点検」を取材をしました。

2007年(平成19年)は、7月8日の0時から6時まで防災設備の点検のために全面通行止めとなります。事故などの車両火災発生時に、防災のための設備が正常に動作するかどうかを確認する、放水試験が行われます。
総延長:840m、車線数:上下線各2車線、設計交通量:39,000台/日。1991年(平成3年)に自動車専用のトンネルとして完成しました。
新宿御苑トンネルは、新宿三丁目交差点のそばにある「東京みちの情報館」の上の階にある操作監視室で、監視や管理が行われています。監視盤、操作卓、遠制装置などを設置、設備の運転状況を監視して、場合によってはトンネルに対して警報表示などを行います。
昼間が4名、夜間は5名の、監視員の方々が勤務されています。
この日は点検ということで、50名ちかくの方々が出勤されたようです。
0時を過ぎ、自動車の流れを止めて、点検のための準備が進みます。
防火設備の点検ということで、消防の方々も立ち会います。
国土交通省では、通行止めをともなう新宿御苑トンネルの点検のため、警察との綿密な協議、消防や救急との調整、トラック協会や地域住民への配慮、通行車両への事前の告知など、様々な準備を行います。
伸びる道路に見とれているのもつかの間、0時40分、点検が始まりました。
まずは、新宿三丁目交差点から四谷四丁目交差点へと向かう上り線からとなります。
まずは、50mおきに合計34台設置されている「押釦式通報装置」「消化器」「泡消火栓」などの試験。
消火装置はひとつの非常用押釦箱というボックスにまとめられているため、わかりやすくなっています。
ホースとノズルを経由して出される消火のための泡は、安全に機能することを示しています。
トンネルを見ると、「ITV(監視カメラ)」「火災検知器」「煙感知器」「スプリンクラー」など、防災のための設備はひとつでないことがよくわかります。
トンネルは、規模や交通量によって、AA・A・B・C・Dという防災等級に分類。防火等級AAの新宿御苑トンネルは、特有ともいうべきスプリンクラー(=水噴霧装置)が備わっています。
スプリンクラーによる、試験放水が始まりました。
スプリンクラーは天井の側面5mおきに、294台が設置されています。
一度に放水される区画は50mのため、試験放水をしてから50m進み、また試験放水をするという繰り返しの確認作業が続きます。放水すると自動的に外れるキャップが、スプリンクラーについたままになっていると、故障しているということがわかります。
人間や自動車などが濡れてしまうことから、スプリンクラーでの消火は最終段階の対処となります。
放水の威力は強く、前方がまったく見えなくなるほどです。
放水試験と合わせて、検査の記録や、看板の撤去など、いくつかの作業が平行して行われていました。
時計を見ると2時40分、上り線の点検はちょうど2時間かかったことになります。大変な作業です。
続けて、四谷四丁目交差点から新宿三丁目交差点へと向かう下り線を進みます。
上り線と時を同じくして、下り線の点検も進行。点検に合わせて、天井の掃除が行われていました。
天井は、ブレーキをかけた際に点灯するテールランプが反射するため、安全を確保する上で重要な要素となります。排気ガスにまみれた天井が、きれいになっていきます。
トンネルで重要なのは、消火設備、そして避難経路です。トンネルのほぼ中央には非常停車帯が設けられています。非常時以外に安易に停車、用を足してしまうケースもあるということで、警告の張り紙がしてありました。
自転車で侵入されてしまうケースもあり、スピーカーでの警告がまれに行われるそうです。
上り線と下り線とで相互の人命救助を容易にするため、扉が設置されています。
点検をひととおり終えると3時40分、順調な進み具合の点検だったようです。
トンネルの中は暑さに水が加わってサウナのような状態になっていたにもかかわらず、誰ひとりとして休むことなく、水分を取ることなく一気に作業を行っていたということに驚かされました。
新宿御苑トンネルの監視や管理は、事故への迅速な対応が求められることから事故を見る目や判断する力が備わった、経験を積んだ50代の方が多いとのこと。
トンネルの利用者として、無理な運転をせず、有事の際には慎重な対応ができるよう心がけたいものです。
取材を応じてくださいました、国土交通省東京国道事務所の植松様に心よりお礼申し上げます。
参考:東京国道事務所
国道15号 大森蒲田共同溝現場見学会
国道15号は、第一京浜とも呼ばれる、東京都と神奈川県とを結ぶ一般国道。国道15号の地下、大田区の大森西5丁目〜蒲田4丁目の延長1,481mにおいて、共同溝を建設する「国道15号 大森蒲田共同溝現場見学会」が開催されました。

発進直前のシールドマシンの見学ができる「大森蒲田共同溝現場見学会」が開催されました。
現在、東京都区内では電気・電話・ガス・水道・下水道などの幹線ライフラインをまとめて収容する「共同溝」というトンネルのネットワーク化が進められています。
共同溝を築くことで「都市の防災機能の向上」「ライフラインの安全性・信頼性の確保」「利便性の向上」「道路の掘り返し工事を削減することによる渋滞の緩和」などメリットが生まれます。
国道15号沿いにある現場見学会会場に入ると、工事について記されたパネルを見ることができ、実際に共同溝で収容される実物のライフラインも手にすることができます。
内径4メートルの大きなトンネルをつくる「シールドマシン」という機械は、穴を掘りながら、「セグメント」という壁を覆っていきます。実物のセグメントを手で触れることができました。
シールドマシンはコンピュータ制御され、人の手をほとんど介さずにトンネルが掘り進められていきます。操作する画面には、シールドマシンを正面と側面から、それぞれの状況が表示されています。
トンネルは、地面から垂直に掘られた「立坑」にシールドマシンを降ろし、目的地まで掘り進められます。
実際にシールドマシンを見るため、階段を下りてみます。

たどり着いた地下21メートルには、巨大なシールドマシンが、掘削に備えて待機していました。
シールドマシンは「泥水式シールド工法」を用いて行われます。筒状の先端につけられたカッターで穴を掘り、出た土に水を混ぜて地上へ送り、トンネルの側面にセグメントを組み立てながら前へ進みます。

驚くべきことに、実際にシールドマシンが動く場面を見せていただくことができました。
周囲の壁を見てみると、地層の中に貝殻などが埋まっています。せっかくなので・・・と申し出ると、「どうぞどうぞ」「こっちの貝殻の方がきれいですよ」と進言していただきました。
共同溝のネットワークが進むと、災害が発生した際にライフラインが断絶されることが少なくなり、ケーブルなどの埋設により都市の景観は美しくなります。
今後の、さらなる共同溝の建設を望みます。
関連:ラジエイト - 一般国道15号 大森蒲田共同溝工事
東京ジオサイトプロジェクト4 地底音楽堂計画
この日、イベントに参加したのは応募で当選した一般見学者150名。
日比谷共同溝は、港区の虎ノ門交差点から千代田区の日比谷交差点までの約1.5kmの地下にライフラインネットワークを整備するためのトンネル。上水道、下水道、電気、電話といったライフラインを共同溝にまとめて収納することで、個別の工事を減らし、ライフラインの安全性を高めることを目的とします。
虎ノ門交差点に設けられた受付でヘルメットを受け取り、地下約30メートルにある会場へ、らせん階段を下りていきます。
シールドマシンが約1,500mの掘進を終え、日比谷共同溝のトンネルが完成。喜びと期待の音楽で満たす「地底音楽堂計画」が開催されました。
不思議の国のアリスに扮した唐沢俊一氏とおぐりゆかさんによる司会で、PIRAMIさんを音楽プロデュースに迎えての「奏でられる過去から未来」をテーマとした演奏が始まりました。
地下で聴く音楽は、非常に神秘的かつ躍動的でした。
「地図にない東京の未来を感じる」ことを目的としたトンネルウォークへとうつります。
虎ノ門交差点から日比谷交差点まで、約1.5kmの地下トンネルを歩きます。
トンネルを掘った、直径約7.5メートルのシールドマシンが目的に到着したとき、到着予定位置との誤差はたったの2ミリだったとのことです。
日常の生活では観ることのできない施設を肌で感じ、日比谷共同溝の存在を直接、知ることができました。様々な人の苦労や努力があってこそ、快適な生活が成り立つということを理解できたと考えています。
「地底の建設現場そのものをコミュニケーションとアカウンタビリティの実験場として活用する」という取り組みも、今回で最後。2005年秋に完成する日比谷共同溝が、都市の発展につくすことを願います。
公式:東京国道事務所 - 日比谷共同溝 関連:ラジエイト - 日比谷共同溝事業 現場見学会

