神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会

神田川・環状七号線地下調節池は、環状七号線の地下で東京都が整備を進めている調節池です。2006年8月10日、東京都主催の「道の日イベント」の一環として、神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会が催されました。

神田川と環状七号線が交わる中野区方南町付近の神田川取水施設で、参加者は施設の説明を受けます。

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水害が多発する神田川中流域の安全度を早期に向上させるため、環状七号線の地下約40mに、延長4.5km、内径12.5mのトンネル式地下調節池を建設しています。台風などの大雨で一定以上の水位になった神田川の水を環状七号線地下調節池に流し込み、水位が下がった頃、再び神田川に戻す役割を持ちます。現在は神田川と善福寺川の取水ですが、妙正寺川に対応し、約54万㎥の洪水を貯留できる施設になります。

map 神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会
出所:東京都第三建設事務所

この調節池は施設の規模が大きく、全体の完成には相当の時間を必要とすることから、早期に事業効果を発揮させるため第一期と第二期に事業を分割して整備しています。

第一期事業
約24万㎥の洪水を貯留する「延長2.0kmのトンネル」と神田川から洪水を流入させるための「神田川取水施設」を建設しました。工事は1988年に着手し、1998年度管理棟等の完成により事業が完了、施設の完成に先立つ1997年4月から取水を開始しました。

第二期事業
第一期トンネルと接続する、約30万㎥の洪水を貯留可能な「延長2.5kmのトンネル」と善福寺川の「善福寺川取水施設」および妙正寺川の「妙正寺川取水施設」を建設しています。工事は1995年に着手、善福寺川取水施設は2005年9月より取水を開始しました。2007年3月には管理棟や電気・設備等を含め取水施設のすべてが完成する予定です。また、妙正寺川取水施設については、2007年3月から土木施設の完成により取水を開始し、2008年3月には電気・設備等を含め、取水施設を完成させる予定になっています。

神田川取水施設は1階が管理棟、地下2階から地下5階までがファン室、地下6階が主排水ポンプ電動機室、地下7階がポンプ室になっています。
施設内を移動します。管理棟には詳細な模型を展示しています。

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神田川・環状七号線地下調節池は、主に以下の施設で構成されています。
取水施設:川から洪水を取り入れ、地下のトンネルまで導く施設
調節池トンネル:取水施設から流入した水を貯留する施設
管理棟:流入や排水設備等の運転操作や監視制御を行うための施設

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取水施設には、護岸沿いの越流堰、地下に水を落とす流入孔、トンネルへ導水する連絡管渠、貯留した水を川へ排水するポンプ設備や換気設備等が備わっています。平常時、神田川の水は固定堰で止められています。大雨の警戒態勢時は導水路の取水ゲートを閉じ、固定堰を下げて、導水路に水を溜めます。さらに水位が上がる場合、導水路の取水ゲートを下げて調節池へ取水します。

トンネルは泥水式シールド機で構築しました。円筒状の掘削機です。

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水色のカッターヘッドと呼ばれる巨大なカッターで掘削し、同時にセグメントと呼ばれるピースを組み合わせて壁を構築していきます。

監視操作盤がある管理室は常時、無人です。

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大雨が降り始めた時だけ2名が配備につき、目視による監視と操作が行われます。

水槽の中には、川から洪水を流し込んだ際に地下調節池へ入ってしまった魚が飼われていました。

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14階の建物ほどの高さとなる約46m地下まで階段を下り、数分かけて調節池へ移動します。

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地下6階の主排水ポンプ電動機室に着きました。

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大雨の際に地下に溜めた洪水を、神田川の水位が下がった日に戻すための排水ポンプです。

救命具が備わっています。

DSC00555 神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会

DSC00533 神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会

排水ポンプの奥にある、水圧に耐えることができるハッチを通ります。

河川から流れてくる洪水は導水路、沈砂池を通り、流入孔を流れて地下46mの減勢池まで落下します。流入孔を洪水がそのまま流れると勢いで壁面や底が損傷してしまうため、渦を巻くことで勢いが減るドロップシャフトと呼ばれる方法を採用しています。

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減勢池には水が残っています。

洪水は連絡管渠という小さいトンネルを通り、地下調節池へ流れ込みます。

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DSC00546 神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会

環状七号線地下調節池に着きました。トンネル内には常設の照明がないため、見学のために設置された照明で見渡します。

DSC00546_20070810 神田川・環状七号線地下調節池 神田川取水施設 見学会

2005年9月4日に総雨量238mm、時間最大101mmを記録した集中豪雨では、第一期事業のトンネルが瞬く間に容量約24万㎥を超え満水となり、工事中だった第二期事業のトンネルに緊急取水しました。流入量は約42万㎥にのぼり、第二期事業のトンネルにあった工事の重機は水没し、約1億数千万円分の被害が発生。それでも多くの家屋を守ることができた分と比較すると、被害額は少なく済みました。