東京メトロ 副都心線 開業初日

東京メトロ

副都心線は、埼玉県和光市の和光市駅から東京都渋谷区の渋谷駅を結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線です。
2008年6月14日、和光市駅から渋谷駅までの20.2kmが開業しました。

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「東京メトロ 副都心線(ふくとしんせん)」は、池袋・新宿・渋谷の三大副都心を縦断するため命名されました。

和光市駅で東武東上線と、小竹向原駅で西武有楽町線経由にて西武池袋線と、それぞれ相互直通運転が行われます。
和光市駅〜池袋駅は有楽町線と並走します。和光市駅〜渋谷駅の約20.2kmのうち、池袋駅〜渋谷駅の約8.9kmが新たに完成した区間となります。

停車駅は、和光市・地下鉄成増・地下鉄赤塚・平和台・氷川台・小竹向原・千川・要町・池袋・雑司が谷・西早稲田・東新宿・新宿三丁目・北参道・明治神宮前・渋谷です。東京メトロとしては初めての「急行」「通勤急行」が走り、急行は和光市・小竹向原・池袋・新宿三丁目・渋谷に停車、通勤急行は和光市から小竹向原までの各駅と池袋・新宿三丁目・渋谷に停車します。
池袋〜渋谷の所要時間は、各駅停車で約16分、急行で約11分です。

開通初日、新たに完成した池袋駅〜渋谷駅の区間にあるすべての駅で下車してみました。副都心線に合わせて開業した新しい駅については、地上の出入口も見てみることにします。

■F-09 池袋駅(いけぶくろえき) 急行停車駅
乗り換え:丸ノ内線・有楽町線・JR山手線・JR埼京線・JR湘南新宿ライン・東武東上線・西武池袋線
有楽町新線の新線池袋駅が副都心線の池袋駅に改称されました。

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■F-10 雑司が谷駅(ぞうしがやえき)
乗り換え:都営荒川線 鬼子母神前駅(きしぼじんまええき)停留所
副都心線に合わせて開業した新しい駅です。

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■F-11 西早稲田駅(にしわせだえき)
副都心線に合わせて開業した新しい駅です。

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■F-12 東新宿駅(ひがししんじゅくえき)
乗り換え:都営大江戸線
ホームは上下2層式になっていて、島式ホームの一方は急行が通過するだけのため、壁になっています。

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■F-13 新宿三丁目駅(しんじゅくさんちょうめえき) 急行停車駅
乗り換え:丸ノ内線・都営新宿線
ホームには吹き抜けが設置されています。

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■F-14 北参道駅(きたさんどうえき)
副都心線に合わせて開業した新しい駅です。どの駅にも改札口の近くに飾られている個性的な壁画の中でも、目立っていました。

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■F-15 明治神宮前駅(めいじじんぐうまええき)
乗り換え:千代田線
ホームには吹き抜けが設置されています。

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■F-16 渋谷駅(しぶやえき) 急行停車駅
乗り換え:銀座線・半蔵門線・JR山手線・JR埼京線・JR湘南新宿ライン・東急東横線・東急田園都市線・京王井の頭線
渋谷駅に到着しました。

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副都心線渋谷駅の地宙船は、東京メトロではなく東京急行電鉄が管理しています。そのため、駅名の表示が副都心線の中でも渋谷駅に限り、東急のコンセプトに沿ったデザインとなっています。

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ホームを端から端まで歩いてみることにします。

駅の設計は、建築家の安藤忠雄さん。地中にある宇宙船「地宙船」をテーマとしたデザインで、楕円のカプセルが地下に沈んだような構造となっています。ホームには、駅の模型が展示されていました。

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駅は、地上1階地下5階建て、延べ床面積は約2万5000平方m。案内図にも、地宙船が示されています。
地宙船は3層になっていて、地下3階の上層部に改札口、地下5階の下層部にホームがあります。地宙船の中央には直径約80m、短径約24m、高さ約20mの楕円の吹き抜けがあり、各層を見ることができるようになっています。

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安全のため、吹き抜けに部分は高さ約2mのガラスで囲われています。

副都心線は、2013年に渋谷駅で東急東横線と直通運転をします。ホームにある4本の線路のうち、内側の2本は将来の直通運転のためにあらかじめ線路が敷かれています。

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まだ使われてない線路の上部には床あり、歩行できるようになっています。

ホームの中央を、池袋側に向かって歩いてみます。

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普通の駅よりも広さを感じることができます。

4年後にはホームの中央に電車が入線してくるため、歩くことができるのは今だけということになります。ホームの先端、池袋側では、電車の出入りを見ることができます。

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電車の運行に支障をきたすため、フラッシュを利用した写真撮影は禁止されています。

地下5階のホームから、地下3階の改札口へと移動します。

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メインは、新正面改札となります。

改札のちかく行き先を示すサインにはそれぞれのイメージカラーが大きく使われ、わかりやすいデザインとなっています。

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改札を出ると、ホームから見上げることのできる吹き抜けが目の前に広がります。

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見下ろす位置によって、線路を確認することもできます。

大きな吹き抜けと換気塔による自然換気システムと、約600リットルの冷水が壁と天井を循環する放射冷房システムにより、駅の構内は29度に維持されます。冷暖房機などの機械を使わず空調を管理するシステムは世界で初めてとのことです。

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自然換気システムとして空気が出入りする空間を見ることができます。エネルギーを無駄に使わない、非常に環境へ配慮した設計であることがわかります。

外から見てみると、光が入り込む位置がわかります。

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駅の地上部分では工事が進みます。東京急行電鉄による東急文化会館跡地の再開発事業として建てられ、2012年には大規模な店舗区画や国内最大規模のミュージカル専用劇場が入る、駅施設を含んだ地上33階、地下5階の複合高層ビルとなります。

渋谷駅周辺の活性化をはじめ、JR山手線の混雑緩和や新宿のデパートにおける商戦など、様々な変化が生まれます。

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池袋・新宿・渋谷を軸にした副都心線沿線地域は、ますます発展していくでしょう。

公式:東京メトロ