横浜環状北西線 横浜港北JCT 夜間橋梁架設

 横浜北西線

E83第三京浜道路と首都高速神奈川7号横浜北線が接続する横浜港北JCTでは、新たに横浜環状北西線を整備して、E1東名高速道路の横浜青葉ICまで延伸する工事が進められています。
2017年12月2日の夜間、第三京浜道路の一区間を通行止めにして、第三京浜道路をまたぐ横浜環状北西線の高架橋が架設されました。

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2017年3月に開通した横浜北線は、首都高速神奈川1号横羽線の生麦JCT(なまむぎジャンクション)と第三京浜道路の横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)を結びます。横浜北線の延長となる横浜環状北西線が整備されることで、東名高速道路の横浜青葉IC(よこはまあおばインターチェンジ)ともつながり、神奈川1号横羽線と第三京浜道路、東名高速道路が高速道路だけで行き来できるようになります。

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首都高速道路は架設工事のため、2日夜10時から翌朝6時までの8時間、第三京浜道路の港北IC─保土ヶ谷IC間の上下線、横浜北線の新横浜入口─横浜港北JCT間の下り線を通行止めにしました。

架設される橋は2層式になります。横浜青葉方面へ向かう下り線の下層桁と、新横浜方面へ向かう上り線の上層桁です。

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下層桁と上層桁は、それぞれ以下の日に架設しました。
下層桁:10月14日
上層桁:10月21日(台風のため延期)→10月28日(台風のため延期)→11月11日(強風のため延期)→11月18日(強風のため延期)→12月2日
今秋は週末に悪天候が重なり、上り線となる上層桁は4回の延期でようやく5回目の12月2日、架設工事が実現しました。

約2年9ヶ月前の2015年2月に、今回の架設とほぼ同じ箇所で「首都高講座 53限目:港北JCTとシールドトンネルの中から横浜環状北線の建設状況を学ぼう!」が開催されました。

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上層桁、下層桁とも、橋桁は大ブロックと小ブロックの2つに分けて架設します。1つの橋桁にすると、架設できない重量となってしまうためです。
・ステップ-1 下層桁 大ブロック架設(10月14日架設済み)
 架設桁:ブロック長:63.1m 架設桁重量:319t 吊り上げ重量:403t
・ステップ-2 下層桁 小ブロック架設(10月14日架設済み)
 架設桁:ブロック長:8.7m 架設桁重量:53t 吊り上げ重量:59t
・ステップ-3 上層桁 大ブロック架設(12月2日架設)
 架設桁:ブロック長:63.6m 架設桁重量:301t 吊り上げ重量:392t
・ステップ-4 上層桁 小ブロック架設(12月2日架設)
 架設桁:ブロック長:9.7m 架設桁重量:48t 吊り上げ重量:54t
吊り上げ重量とは、架設する橋桁に吊り具や吊り足場などを加えた重さです。

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大ブロックは1350t吊りクローラークレーン、小ブロックは550t吊りクローラークレーンで架設します。クレーンは約3週間かけて組み立てられました。
・1350t吊りクローラークレーン
 ブーム長:90m 作業半径:39m 定格荷重:471t
・550t吊りクローラークレーン
 ブーム長:55.5m 作業半径:16m 定格荷重:78.6t

架設の準備が進んでいます。側面が薄い黄色の第三京浜道路の上に、架設済みの横浜環状北西線の下層桁を確認できます。

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まずは、上層桁の大ブロックを架設します。橋桁が1350t吊りクローラークレーンで吊り上げられています。

約40mの高さから全体を見ます。通行止めとなった第三京浜道路の上には、下層桁が既に架設されています。横に上層桁が架設を待っています。

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橋桁は2017年6月頃から、約4カ月かけて横浜港北JCTで地組みされました。

午後10時20分、架設が始まりました。

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ロープを使って細かくバランスが調整しています。

午後10時35分、吊り上げられた橋桁は設置箇所へと移動します。

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橋桁の移動は約15分で、目で分かる速さです。

クローラークレーンは、カウンターウエイトと呼ばれる重りの台車で、バランスを取りながら橋桁を架設します。カウンターウエイトの重量は約800tあります。

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架設する橋桁やクレーンの重量が大きいため、支持する地盤を改良しています。セメント系固化材などの改良材を土に混ぜて土質性状を安定させる、パワーブレンダー工法を採用しました。地表から約4.5mの深さまでが改良した地盤となります。

午後10時55分、下層桁のほぼ上の位置に上層桁が到達しました。橋桁が落し込み予定位置に降ろされます。

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橋桁のクリアランス(空間)は以下の通りです。
上層桁から下層桁まで:約7m
下層桁から第三京浜道路まで:約7.5m

最後も人の手によって、丁寧に作業が進められます。

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午後11時15分、遠くから目に見える動きのある作業は完了しました。


ここまで架設作業(上層桁)の定点動画(13秒)です。

日付が変わって深夜1時、今度は上層桁の小ブロック架設を約40mの高さから見ます。橋桁が550t吊りクローラークレーンで吊り上げられています。

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先ほど架設された大ブロックの横に、小ブロックが設置されます。

落し込み予定位置に降ろされた橋桁は、人の手で調整されていきます。

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午前1時30分、動きのある作業は完了しました。このあと固定作業などの微調整が行われます。

周辺を見渡します。下の写真に見える横浜環状北西線の橋桁の先は、東名高速道路の横浜青葉IC方面です。

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横浜港北JCTの料金所です。

下の写真に見える横浜環状北西線の橋桁の先は、神奈川1号横羽線の生麦JCT方面です。

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第三京浜道路の上に、横浜環状北西線の2層の橋が架かりました。

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横浜環状北西線および横浜港北JCTでの工事は続きます。

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横浜環状北西線は、2020年東京五輪・パラリンピックまでの供用開始を目指して整備が進められています。

工事名:横浜環状北西線 港北ジャンクション本線橋(鋼上部工)桁架設工事
工事費:約4億5000万円(税抜き)
発注者:東日本高速道路株式会社 関東支社 
受注者:横河ブリッジ

公式:横浜環状北西線