横浜湘南道路(圏央道) 工事現場こども見学会

圏央道(首都圏中央連絡自動車道)

横浜湘南道路は、首都圏中央連絡自動車道の一部を形成する自動車専用道路です。
2018年8月1日、神奈川県藤沢市大鋸地先で「横浜湘南道路(圏央道) 工事現場こども見学会」が行われました。

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国土交通省関東地方整備局は2018年の夏、トンネルや橋梁など9箇所のうち荒天により中止にならなかった6箇所で、道路工事現場こども見学会を開催しました。

横浜湘南道路の工事現場では、トンネルを掘るための設備や、地上の現場で活躍する建設機械を見学することができます。
事前に応募した約20名の小中学生とその保護者は、プレゼンルームに集合します。

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ロボットPepperが出迎えてくれます。

見学会が始まりました。「横湘(よこしょう)とは、どんな道路なの?」「どんな工事をしているの?」「どんな機械で工事をしているの?」というテーマを、クイズを織り交ぜながら楽しく学びます。

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横浜湘南道路(横湘)は、高速横浜環状南線、さがみ縦貫道路、新湘南バイパスと一体となって、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部を形成します。広域的な交通の円滑化を図るとともに、地域交通の交通分担を適正化し、国道1号等の交通混雑を緩和します。
開通時期は、2020年度を目標としています。(土地収用法に基づく手続きによる用地取得等が速かに完了する場合)

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栄IC・JCT(さかえインターチェンジ・ジャンクション)と藤沢IC(ふじさわインターチェンジ)を結ぶ延長約7.5kmのうち、約5.4kmがシールドトンネル部です。トンネルの外径は13.27m、土被り11.8mから最大37.8mの深さを通ります。横浜側は高架部、藤沢側は土工部になります。

トンネルは、シールド機と呼ばれる円筒型の掘削機でつくられます。

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2機のシールド機で掘進します。シールド1号機は外径13.59m、シールド2号機は外径13.24mです。シールド機は1分間で約4cm、1時間に約2.4m、一日では約18m進みます。

シールド1号機は発進立坑から発進して上り線を掘進し、回転立坑で回転、下り線を掘進して約8.1kmのトンネルをつくります。シールド2号機は横浜側坑口より発進して上り線となる約2.7kmのトンネルをつくり、1号機のトンネルと地中接合します。

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工事には、以下のような特徴があります。
・トンネルが大断面
・Uターンして8km以上の長距離掘進
・ガス対策としてマシンが防爆対策
・発進直後に半径100mの急曲線施工を行う
・小田急線の直下を横断する
・最小離隔40cm程度の超近接施工を行う
・橋脚部位のRC杭を切断する
・最後は切削セグメントを地中で接合する

シールド機の先端についている円盤状のカッターヘッドには、放射状にカッタービットと呼ばれる超合金の刃が並びます。

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円筒形のシールドで土圧や水圧を抑え、ジャッキの力で前進させながらカッターディスクの前面の土砂を掘削します。

シールド機の後ろの部分で、セグメントと呼ばれるブロックでトンネルの壁面をリング状に組み立てます。セグメントの組み立てにはエレクターと呼ばれる組み立て機械が使用されます。掘削された土砂は地上の処理施設へ送られます。

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仮組み立てしたセグメントを見ることで、トンネルの大きさがわかります。11個のセグメントでトンネルの1リングを構成します。

3つの班に分かれて、現場へ移動します。
まずは、シールド機を一元管理するコントロールルームを見ます。

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オペレーターが1名ないしは2名で、シールド機を操作します。リアルタイムに、ミリ単位で位置を管理できるシステムです。チャンバー土圧と呼ぶ、地盤内における土による圧力に細心の注意をはらって作業します。

次に、防音ヤードへと移動します。

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防音ヤードには、シールド機を組み立てた発進たて坑があります。

発進たて坑の深さは約40mです。発進たて坑は今後、材料の搬入や土砂の搬出に利用されます。

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エレベーターを使って、発進たて坑の下へと移動します。

エレベーターには10人近く乗ることができます。

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約1分ほどで発進たて坑の下へ着きました。

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そのままトンネル坑内へと移動します。

シールド機を補助する後続台車が連なっています。

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後続台車の長さは約145mになります。

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台車の先に、シールド機の背面が見えてきました。

シールド機の先端部に着きました。

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シールド機は現在、掘進に向けた準備を進めています。

地上へ戻ります。

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プレゼンルームの横には、シールドトンネルを構成するセグメントの一部が展示されています。

最後に、建設機械に体験乗車します。土を掘りダンプに積むバックホウ、材料をつって動かすクローラクレーン、高いところの作業をする高所作業車に乗ることができます。

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「横浜湘南道路(圏央道) 工事現場こども見学会」はここまでとなります。

横浜湘南道路および高速横浜環状南線が完成すると、本牧JCTから八王子JCTまでの移動時間は115分から51分になり約64分短縮、本牧JCTから海老名JCTは42分から34分になり約8分短縮と、移動時間が大幅に短くなります。また、災害時の輸送ルートの確保ができ、くしの歯作戦と呼ばれる緊急輸送道路を幅広い範囲で有効に使うことができます。

■工事の概要
工事名:横浜湘南道路トンネル工事
工事費:非公開
発注者:関東地方整備局 横浜国道事務所
発注者:西松・戸田・奥村JV

公式:横浜湘南道路 – 国土交通省関東地方整備局 横浜国道事務所