ニューシャトルの愛称で親しまれている埼玉新都市交通は、埼玉県の大宮と内宿との約12.7kmを結ぶ新交通システム。
毎年11月14日の埼玉県民の日前後に開催されている一般公開イベント「ニューシャトル 車両基地公開」が、2009年11月14日の10時から15時まで丸山車両基地で開催されました。
丸山車両基地は、ニューシャトルの丸山駅から徒歩約3分のところにあります。
「ニューシャトル」という名称は、起点の大宮と終点の内宿との間を、はたおり機の梭(ひ)=シャトルのように往復する様からきています。
東北新幹線と上越新幹線との、分岐・合流の地点にあるため、両側が新幹線の高架となっています。大宮と丸山の間のニューシャトルの走行路(線路)は、新幹線の高架軌道の張出し部分が活用されています。
車両の修理や点検が行われる検査庫へと入ります。検査中の1050系が展示されています。
新しいデザインとなる車両が展示されています。明るい黄色の地に、発展する地域と沿線に残された豊かな自然をイメージした太陽と緑、県の鳥であるシラコバトが描かれています。各車両のシラコバトの口には、さくら草・桜・つつじ・ばらの花があしらわれています。
向かって、左に1000系、右に2000系が展示されています。展示されている1000系11編成は、川崎重工業と新潟鐵工所でつくられ、1983年(昭和58年)12月22日の開業と同時にデビュー、2010年3月に引退する予定になっています。
運転台も間近で見ることができます。ワンマン運転で、ATC(自動列車制御装置)やARC(自動進路制御装置)が採用されることにより、安全が確保されています。
ニューシャトルは、鉄の車輪ではなく、バスやトラックのようなゴムのタイヤで走行しています。
走行路の下から見ることもできます。
開業当初は、ホイールとタイヤの間にウレタンを装填し、ノーパンクタイヤとして用いられていました。現在は、乗り心地向上のためホイールとタイヤの間に窒素ガスが充填されています。
また、中子(なかご)と呼ばれるプレートを入れることにより、急なパンクなどの場合でも車体が必要以上に傾かないよう設計されています。タイヤが摩耗したときには、外側のゴムだけを交換します。
丸山信通機器室と呼ばれる、指令室へと移動します。
列車位置表示盤で、列車の位置や動きを監視します。
必要があれば運転士と無線で連絡をとり、時刻表どおりに運転ができるよう調整します。
朝のラッシュ時には約5分間隔で運転され、約10,000人が利用するとのことです。
車庫へと移動します。
ニューシャトルは、走行路の側面に600ボルトの電気が流れる架線があり、モーターを動かして走行します。
車両は、幅:2.5m、長さ:8m、高さ:3.19mあります。
6両編成が標準で、長さは48mとなります。定員は、6両で288人となっています。
公開されている基地から出て、高台の道路より見下ろします。車両を洗浄する設備が確認できます。
夜になると、車庫の走行路は電車でいっぱいになり、架線に流れる電気は切られます。
ニューシャトルの一日は朝4時30分から始まり、朝4時に終わるとのことです。
ここにて「ニューシャトル 車両基地公開」は終了となります。
今後も引き続き、さまざまなイベントが開催されることを望みます。