首都高速道路に、今は使われていない可動橋があります。
知る人ぞ知る橋梁「羽田可動橋」を見てみることにします。
首都高速道路1号羽田線の海老取川に、現在は使用が停止されている「羽田可動橋(はねだかどうきょう)」を見ることができます。
千葉方面・羽田空港・神奈川方面を結ぶ首都高速道路1号羽田線、中でも羽田空港に近い海老取川の下を通る羽田トンネルは、交通が集中することで慢性的に渋滞していました。
そのため、1990年に羽田トンネルに平行して、羽田入口から昭和橋JCT方面へと移動する上り線に「羽田可動橋」が設置されました。
国内でも数少ない旋回方式の可動橋となったのは、海老取川沿いにある鉄工所が利用する大型船の航路の確保のため、羽田トンネルや東京モノレールのトンネルがあり隣接したトンネルの設置が困難だったため、空港に隣接しているので高さのある橋梁の設置ができないため、とされています。
羽田入口から昭和島JCT方面へと向かう場合は羽田可動橋を利用し、横浜方面から昭和島JCT方面へと向かう場合は羽田トンネルを利用されていました。横浜方面から羽田可動橋を利用して昭和島JCT方面へ行くことはできませんでした。
海老取川を大型船が通行し、橋を開く場合には、空港入口から羽田トンネルへの車線が開放されたとのことです。
1994年に首都高速湾岸線が開通すると、交通量は減少。1998年、開通から8年の後、羽田可動橋は使用が停止されました。
羽田空港の拡張にともなっての交通量の増加に備え、撤去されることなく残っています。
JR大森駅もしくはJR蒲田駅から30分ほどバスに乗り、終点の森ヶ崎で下車して徒歩約15分と交通の便はよくないものの、特別な建造物ではないため、いつでも見ることはできます。