久喜白岡JCTは、埼玉県久喜市で整備が進む、東北自動車道と新設する圏央道(首都圏中央連絡自動車道)とを結ぶ箇所。
普段はなかなか見ることができない橋梁架設工事を、自由に見学できる機会が設けられました。
供用されている東北自動車道と、整備が進む圏央道の接続部分では、久喜白岡JCT(くきしらおかジャンクション)がつくられています。
じめつくっておいて、一晩のうちに東北自動車道の上へと架設します。2009年11月25日の夜21時から翌朝5時までの8時間、東北自動車道の岩槻IC(いわつきインターチェンジ)と久喜IC(くきインターチェンジ)の間を夜間通行止めにして、工事が進められます。
21時、東北自動車道では通行止めによる迂回指示が始まりました。
地域住民の方々への現場見学会が開催され、休憩所には資料や飲み物が用意されています。
22時、集まった人々に対する概要説明が行われます。
久喜白岡JCTの東北自動車道と圏央道を結ぶ道路は連絡路と呼ばれ、A連絡路からG連絡路まで分けられています。
パンフレット「久喜白岡JCT Hランプ橋(鋼上部工)工事」より引用
今回、架設となるのは、圏央道が完成した際に関越自動車道の鶴ヶ島JCT(つるがしまジャンクション)方面から東北自動車道の東京方面へと行くために通ることとなる、「H連絡路」と呼ばれる箇所です。
あらかじめ用意してある橋桁を、東北自動車道の本線へと移動して、架設します。
パンフレット「久喜白岡JCT Hランプ橋(鋼上部工)工事」より引用
交通規制回数を極力少なくするために、430.7mの鋼桁と合成床版組立が組み合わせた「大ブロック」を一括架設します。
用意された見学スペースへと移動します。
左側に東北自動車道の本線、右側にこれから架設される橋桁を見ることができます。
本線にはクレーン車が待機しています。
橋桁を含めた大ブロックは、長さ約60m、重さ約260トンあります。
東北自動車道は夜間通行止めのため、所要時間も表示されていません。
大ブロックが、少しずつ移動します。
大型多軸移動台車(ドーリー)は、長さ11.2m、高さ約7.5mあります。
今回の架設には大型多軸移動台車(ドーリー)2台が2セット、合計4台用いられています。
目で追っていると移動していることがわかります。
リフトにより降ろされ、調整の後、固定されます。
0時30分頃、外から目で見ることができるような大きな作業は完了しました。
今回のように、大型多軸移動台車(ドーリー)に約260トンもの鋼桁を載せて、そのまま所定の位置に移動して架設、という工事は非常にめずらしいとのことです。
都心に用事のない、通過するだけの車が約6割もある現状を打破するための圏央道。CO2の削減など、最終的に自然環境を守るという観点からも、順調な整備が期待されています。