国土交通Dayは、国土交通行政に関する意義・目的、重要性を国民に理解してもらうために定められた日で、7月16日前後に各機関で広報活動が実施されています。
2017年8月2日、国土交通Dayの特別企画として夏休み親子見学会が関東地方整備局・関東運輸局・東京航空局の共同で実施されました。
「車の車検ってどんなことをするの?」「インフラ整備って何をしているの?」「飛行機はどうして飛ぶの?」「道路はどうやってつくられるの?」といった子供の好奇心に応えるため、楽しく学びながら国土交通行政に触れるプログラムが用意されています。
夏休み親子見学会では、以下の3箇所を見学します。
・東京運輸支局(車検場)
・東京国際空港(羽田空港)
・東京外かく環状道路東名JCT(仮称)予定地(工事現場)
事前に応募して選ばれた参加者(小学校4年生から6年生の児童と保護者)は9時30分、東京運輸支局に集合しました。見学する内容について、説明を受けます。
東京運輸支局はプライバシーの面から、東京国際空港は安全の面から、撮影が大きく制限されます。
最初に、東京運輸支局を見学します。自動車は、所有者などを登録しないと道路を走ることができません。自動車を登録したり、安全であるか確認する役割を持つのが運輸支局です。
事務庁舎へ移動します。国土交通省が、検査申請の受付と検査合格後の車検と呼ばれる自動車検査証・検査標章を交付する施設です。
登録の申請は以下のときに行います。
新規登録…新車を買ったとき
変更登録…住所・名前を変更したとき
移転登録…車を売り買いしたとき
抹消登録…車を使わなくなったとき
参加した児童は、登録する際に使用する申請書のダミーで種類の処理を体験します。
検査コースへ移動します。自動車技術総合機構が、保安基準適合生審査を行う施設です。検査コースには、保安コースと計測コースがあります。検査コースを通る自動車の順番待ちの行列ができています。
別棟では、自動車を傾けて転覆しない最大の角度(最大安定傾斜角度)について、安全の基準を満たしているかどうかの検査が実演されました。
登録自動車のナンバープレートの見方を学びます。
ナンバープレートの分類は、以下の通りです。
白色の地+緑色の文字…自家用自動車
緑色の地+白色の文字…事業用自動車
黄色の地+黒色の文字…自家用軽自動車
黒色の地+黄色の文字…事業用軽自動車
今後、2020年東京五輪特別仕様のナンバープレートが用意されるとのことです。
次に、東京国際空港を見学します。
テロに対する安全の確保から、撮影はほとんどの箇所で禁止となっています。
管制塔へ移動します。羽田空港で一番高い箇所から、管制官が航空機の運航を制御する施設です。管制塔の回廊部分にのぼり、管制官と近い目線で空港を見学します。
管制塔では常時30人前後が働き、上層階からは半径約9kmを目視できます。見学できる光景は「空の日フェスティバル2010 羽田空港 管制塔見学」と同様となります。
D滑走路へ移動して、離着陸する飛行機を間近で見学しました。
最後に、東京外かく環状道路東名JCT(仮称)予定地を見学します。
東名JCT予定地にある東京外かく環状道路のPRルームで、工事の概要を聞きます。
東京外かく環状道路は、都心部から半径約15kmの位置に、環状として整備が進む延長約85kmの道路です。完成すると、E1東名高速道路(東名高速)、E20中央自動車道(中央道)、E17関越自動車道(関越道)がつながります。延長約16.2kmで、トンネル構造となります。
トンネルを掘削するにあたり、地質を調べるためのボーリング調査が行われます。中央JCT付近は、地表から関東ローム層、武蔵野礫層、世田谷粘性土層、世田谷砂礫層、舎人粘性土層、舎人砂礫層といろいろな特性を持つ地層で成り立っています。
地層を構成する土や石のサンプルが並び、掘り出された貝殻も展示されています。
工事現場へ移動します。
本線トンネルを掘るためのたて坑があります。写真の左側に見える青色のラインが入った擁壁は東名高速道路です。ここでは2017年2月19日に「東京外かく環状道路(関越~東名) シールド機発進式・シールド機公開」が行われました。
トンネルを掘削した際に出る土砂は、防音ハウスの中にある土砂ピットに仮置きします。
工事用道路を通り、防音ハウスへ進みます。
さまざまな資材が工事用道路で運ばれます。
土砂を運ぶベルトコンベアが伸びています。
工事の現場で働く車が展示されています。参加した児童は、自由に乗ることができます。
「国土交通Day 夏休み親子見学会」はここまでとなります。
今後も国土交通Dayでの見学会は行われるとのことです。