東京外かく環状道路 大泉JCT(Cランプ第一橋) 橋梁架設(2023年4月)

外環道(東京外環自動車道)

 東京外かく環状道路は、都心部から半径約15kmの位置に、環状として整備が進む延長約85kmの道路です。2023年4月の夜間に、大泉JCTでCランプ第一橋の橋梁架設が行われました。

 一般道路の国道298号と高速道路を合わせて「東京外かく環状道路」、高速道路の路線を「C3東京外環自動車道(外環道)」と呼びます。外環道は現在、大泉JCT─中央JCT(仮称)─東名JCT(仮称)を結ぶ約16.2kmの整備が進んでいます。完成すると、E1東名高速道路(東名高速)、E20中央自動車道(中央道)、E17関越自動車道(関越道)がつながります。

photo工区の周辺地図 資料:国土交通省

 東名高速から関越道まで、現在は環状八号線を利用して約66分かかっていますが、外環道を利用すると約12分で移動できるようになります。

 大泉JCTでは、外環道と関越道を結ぶランプ橋を架設しています。目白通り(都道24号)の上空に橋梁を架設するため、4月10日夜間21時から翌朝5時頃までの約8時間、大泉ICと目白通りの1夜間通行止めを実施しました。
今回架設する橋桁は、外環道の東名JCT方面から関越道の新潟方面へ流入する際に通行するCランプ第一橋です。

photo大泉JCTの航空写真 資料:東京外環プロジェクト

 Cランプ第一橋はAランプ第二橋と同じく、送出し工法で架設します。橋桁後方に設置した推進装置(ダブルツインジャッキ)により、従走台車に載せた橋桁を移動する工法です。この日は目白通りの南側施工ヤード内で組み立てたCランプ第一橋の橋桁を送り出し装置で、3カ月前に架設したCP3橋脚まで送り出します。

 架設を進めているCランプ第一橋は、長さ286mの鋼5径間連続細幅箱桁橋です。

photo工区の詳細地図 資料:東京外環プロジェクト

 Cランプ第一橋の一部となる、Cランプ第二橋寄りの部分は2019年のCランプ第一橋橋梁架設で完了しています。

 残る部分のうち目白通り上を通過させる送り出し架設は、大泉ICと目白通りの一部の夜間通行止めを伴う夜間架設をSTEP2~6まで複数回実施して、今冬中に完了させる計画です。
 施工ヤードが狭いため、架設する橋桁は一度に組み立てることができません。そのため、まずは事前に地組みした橋桁の一部を送り出します。橋桁の先端には手延機が連結されていて、橋脚CP4まで到達させた後、解体します。手延機を先行して送り出すことで橋桁本体の安定を保ちます。

photo施工のステップ 資料:東京外環プロジェクト

 今回はSTEP2になります。今回送り出す橋桁は長さ約80m、重量約248t、手延機は長さ約47m、重量約172tです。通行止め解除時に目白通りから見上げると、ほぼ手延機だけが見えている状態になります。今回の架設以降、送り出して空いた用地で残りの橋桁を継ぎ足し、今年の夏を目処に再び送り出します。

 目白通り南側施工ヤードへ移動します。奥にAランプ第二橋、右手前に今回架設するCランプ第一橋の橋桁と、連結している濃い緑色の手延機を見ることができます。

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 19時過ぎ、作業員による朝礼と安全確認が行われました。

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 階段を上ってAランプ第二橋を渡り、東名JCT側を見ます。中央にAランプ第二橋、その右側中央にCP3橋脚を確認できます。

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 CP3橋脚の先には、送り出して目白通りを渡る前の、Cランプ第一橋の手延機が見えています。

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 21時、目白通りと大泉IC出入口の通行止が開始されました。

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 右側に見えるCP3橋脚へ向けて、目白通り上にCランプ第一橋を送り出します。

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 送り出しが始まりました。以下は、上の写真の約1分後が下の写真の状態です。

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 大きな音はなく、よく見ていないとわからないほどの速度で送り出されます。

 手延機と橋桁の接続部分です。

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 地上から、手延機と橋桁の接続部分を下から見てみます。右側が手延機、左側は橋桁です。

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 橋桁(手延機)を送り出すためのエンドレス滑り装置およびガイド設備を確認できます。

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 従走台車に載っている橋桁の下にはレールに該当する軌条桁が敷かれています。

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 再びAランプ第二橋から、送り出しの後方になる橋桁を見ます。

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 後方には推進装置(ダブルツインジャッキ)があり、橋桁を送り出しています。

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 送り出す橋桁の後方へ移動します。送り出しの推進力となるダブルツインジャッキです。

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 1基に2組のジャッキが備わっていて、橋脚に固定している牽引ワイヤーを手繰り寄せながら、橋桁を送り出しています。また、ダブルツインジャッキの裏側にはブレーキング装置を設置して、送り出しによる逸走を防止しています。

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 再び、送り出しの先端を見てみます。手延機がCP3脚上に到達しようとしています。自重による先端のたわみを調整する「たわみ処理」として、シャックルと呼ばれる吊り具をワイヤーロープに取り付けて玉掛けし、クレーンで吊り上げます。

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 クレーンで手延機の先端を降下させます。

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 位置と高さの調整を完了し、手延機の先端が無事にCP3上に到達しました。

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 さらに所定の位置まで送り出した後、横移動制限装置(サイドブロック)やラッシング(固縛)を行います。

photo作業完了後 写真:NEXCO東日本

 交通規制解除前の安全確認、交通規制解除と進み、この日の工事は完了となります。

 タイムラプス動画です。

 目白通り南側施工ヤードから見た、送り出し前と送り出し後です。

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 今後も送り出しを進め、本年夏頃に再び1夜間通行止めを行い、Cランプ第一橋の本体を目白通り上空に架設する予定です。

 東日本高速道路 東京外環工事事務所の成田朋憲工事長は「工事中は地域の皆さまにご迷惑をおかけすることになるが、ご理解とご協力をいただいていており本当にありがたく感じている。工事はまだまだ続くので、引き続き安全第一で進めていく」と話しました。

■工事の概要
 工事名:東京外かく環状道路 大泉ジャンクションCランプ第一橋(鋼上部工)工事
 工事費:約40億4千万円
 発注者:東日本高速道路株式会社 関東支社
 受注者:株式会社横河ブリッジ

公式:東京外環プロジェクト