首都高講座 53限目:港北JCTとシールドトンネルの中から横浜環状北線の建設状況を学ぼう!

 横浜北線

首都高講座は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学できるイベントです。
2015年2月20日、53限目の「港北JCTとシールドトンネルの中から横浜環状北線の建設状況を学ぼう!」が行われました。

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「首都高講座 53限目:港北JCTとシールドトンネルの中から横浜環状北線の建設状況を学ぼう!」では、横浜環状北線と港北ジャンクションについて学びます。

首都高速道路の横浜環状北線インフォプラザへ集合、13時30分より開始となります。抽選に応募して当選した18歳以上の約20名が参加しました。
見学の参加者には、資料・ヘルメット・軍手・レシーバーが用意されています。

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工事における概要の説明を受けます。

首都高速道路の横浜環状北線は、横羽線の生麦JCT(なまむぎジャンクション)と第三京浜道路の横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)を結ぶ、約8.2kmの自動車専用道路です。
横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側に位置することから「きたせん」とも呼ばれます。

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2017年3月に「[K7]高速神奈川7号 横浜北線」という名称で開通します。
横浜北線の延長線上には、東名高速道路と接続する横浜環状北西線も予定されています。

建設ヤードへと移動します。トンネルを施工するために必要な様々な資材や機材をストックしたり、搬入および搬出する施設です。

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トンネルを掘削するシールド機が発進していった、たて坑と呼ばれる縦穴の階段を下ります。

横浜環状北線の本線となるトンネルが見えてきました。

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地下約30mまで下りました。内回りとなる港北行きトンネルと、外回りとなる生麦行トンネルがあります。

港北行きトンネルと生麦行トンネルを掘り進めた、2台のシールド機が発進した箇所です。2010年7月23日に行われた「首都高速道路 メルマガ講座 横浜環状北線(きたせん) 新横浜たて坑」では、ほぼ同じ箇所で、組み立て途中のシールド機を見ることができました。トンネルの掘削は完了しています。

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外回りとなる生麦行トンネルを、生麦方面に進みます。

トンネルの中でトラックが折り返すためのターンテーブルです。

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換気所や分合流部となる一部の箇所では、コンクリート製のセグメントではなく、鋼製セグメントが使われます。シールド機でつくったトンネルの一部を取り外す必要があるためです。

新横浜換気所となる場所に着きました。換気所とは、トンネルを走る車の排気ガスをきれいにして上空へ送り、外の空気をトンネルへ送るための施設です。

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トンネルの上部には、空間が確保されています。

港北行きトンネルへ移動します。作業する方々が使用する自転車が駐輪されています。

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トンネルでの火災の際に使用する非常口や設備がまとめられています。

横浜環状北線の避難通路は、道路の下部に確保されています。非常の際には、非常口のすべり台で道路の下へ移動して、地上出口まで避難します。道路と避難通路は気圧が変えてあり、火災の煙が避難通路へ入らないようになっています。

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スロープで移動する避難通路は、首都高速道路で横浜環状北線が初めてとなります。東京湾アクアラインの非常口と同じ形状です。

横浜環状北線のトンネルには、様々な施設機器が設置されています。

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消火器や泡消火栓・押ボタン式通報装置・非常電話が設置されています。

用意されたマイクロバスに乗り、新横浜出入口から地上へ出ます。

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新横浜出入口でも工事が進められています。マイクロバスからバスに乗り換えます。

新横浜出入口から港北JCTを見ます。

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宮内新横浜線・横浜生田線・長島大竹線を経由して、新横浜出入口を利用できるようになります。

移動のバスから、鶴見川と大熊川の合流付近に架かるトラス橋を見ることができます。上下2層形式の単径間トラス橋としては、日本最長の橋長158mあります。

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鶴見川を渡る小机大橋からは、港北JCTの一部を見ることができます。

港北JCTに着きました。バスを降ります。


写真は2014年8月8日に撮影

「PKA1」と示された場所にある仮設階段を上り、料金所となる広場へ移動します。

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現在、第三京浜道路の港北ICがあります。2016年度に横浜環状北線、2021年度には横浜環状北西線が接続するため、新しい大きな料金所がつくられています。

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第三京浜道路・横浜環状北線の料金所となる箇所です。

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北側、第三京浜道路の東京方面となります。

西側を臨みます。

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横浜環状北線と料金所を結ぶ高架部です。上部は港北ICから生麦JCTへ向かう連絡路で高さは約26m、下部は生麦JCTから港北ICへ向かう連絡路で高さは約13mあります。

南側を臨みます。

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横浜環状北線および新たに整備される川向線と料金所をつなぐ、4つの連絡路があります。

第三京浜道路と料金所の間に、国内最大級となる1250トン吊りクローラクレーンが待機しています。夜間、通行止めにした第三京浜道路の上部に連絡路となる橋桁を架設するためです。

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写真で示された「PKA2」と「PKA3」の間に、生麦JCTから港北ICへ向かう下部の「Bランプ橋」と、港北ICから生麦JCTへ向かう上部の「Aランプ橋」の、2つの連絡路が架設されます。

地上へ移動して、1250トン吊りクローラクレーンを見ます。日本には3台あります。

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クローラクレーンは、ブームと呼ばれる腕を使ってものを吊り上げ、後部の台車に乗っているカウンターウエイトという重りを調整することで全体のバランスを取ります。ものを高く吊り上げるほど、吊り上げることのできる重さが減っていきます。
1250トン吊りクローラクレーンの場合は、ブームをもっとも短くしたときに、1250トンの重さのものを吊り上げることができます。ブームの長さは約96mあります。

架設されるBランプ橋です。

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橋桁の延長は66.5m、重量は約250トンあります。約250トンの橋桁を約20mの高さまで吊り上げるため、1250トン吊りクローラクレーンが必要となります。

ここにて「首都高講座 53限目:港北JCTとシールドトンネルの中から横浜環状北線の建設状況を学ぼう!」は終了となります。

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横浜環状北線の開通により、新横浜と羽田空港との移動は10分短縮の約30分、新横浜と鶴見との移動は15分短縮の約15分となります。広域的な交通利便性が向上、新横浜都心・京浜臨海部などの活性化、生活環境の改善など、さまざまな効果が見込まれています。