横浜北線 馬場出入口 現場公開

首都高

馬場出入口は、供用中の横浜北線に新しく設置される出入口です。
2020年2月18日、報道機関に向けた「横浜北線 馬場出入口 現場公開」が行われました。

横浜北線は第三京浜道路の横浜港北JCTと首都高横羽線の生麦JCTをつなぐ、全長8.2kmの自動車専用道路です。うち5.9kmはトンネル構造になっています。

2020年2月27日12時、横浜北線の馬場出入口が開通します。横浜北線のほぼ中央、岸谷生麦出入口と新横浜出入口の間に位置し、第三京浜方面と湾岸線方面の両方面にアクセスできます。

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馬場入口はETC専用です。一般道の大田神奈川線と接続し、進入路は法隆寺交差点側と内路交差点側の2箇所が用意されます。どちらも左折で進入し、料金所手前で合流します。内路交差点側の入口は大田神奈川線の4車線化とあわせて2020年内に完成する予定です。

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馬場出口はETC搭載車だけでなく、現金車も利用できます。第三京浜方面と湾岸線方面の両方から利用でき、菊名方面と大口方面のどちらへも向かうことが可能になっています。

近年、首都高速道路におけるETC利用率は96%に達しています。このような状況の中で馬場出入口は以下の理由により、入口のみETC専用が採用されました。
・地形的な制約などにより街路2方向からの車両が料金所付近で合流し、横浜北線の両方向へ分岐する特殊な構造となっていて、ETC専用運用とすることで料金所付近の車両通行の整流化が図られ安全性が向上すること
・近接した開通済みの岸谷生麦・新横浜入口があるため、ETC専用とした場合でも、容易に迂回が可能であること
なお、出口は現金車も利用可能です。

馬場出入口は約205m×約175mという非常に狭い面積の中に4つのランプを造る必要があったため、かなりの難工事になりました。新国立競技場の約40%の面積の中に入口トンネル2本と出口トンネル2本の合計4本がトグロを巻くように整備され、地下約52mを走る横浜北線の本線と接続します。狭い空間で高低差のある路面をつなぐ構造は首都高渋谷線の大橋JCTに似ています。

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馬場出入口の施工は清水建設・東急建設JV、総事業費は約310億円。2011年4月から工事に着手、トンネルはシールド工法を採用しました。

馬場換気所の地下工事が完了後、A、B、C、Dの4つのランプを4台のシールドマシンで掘削しました。Bランプ(湾岸線方面からの出口)→Dランプ(第三京浜方面からの出口)→Cランプ(湾岸線方面への入口)→Aランプ(第三京浜方面への入口)の順番で掘り進めています。

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各ランプの延長と掘削期間は以下の通りです。
Bランプ:約450m、2014年8月〜2015年3月
Dランプ:約700m、2015年12月~2016年4月
Cランプ:約360m、2016年9月~2016年12月
Aランプ:約450m、2017年4月~2017年7月

急曲線や急勾配が多くなっていることが数値からもわかります。

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馬場出入口の4つのランプで使用したシールドマシンは直径10.13~11.13m、長さ10.2m、重量約1,150tです。狭い空間を急曲線で掘り進めるため、シールドマシンを前胴と後胴に分割して中折れジャッキで屈曲させ、曲がりやすくしています。一日あたりの掘進は直線部で最大約20m、曲線部では約3mです。

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内部機械の転用により、シールドマシンのコストを縮減しました。転用可能な内部機械は2台で、Bランプで使用したものをCランプに、Dランプで使用したものをAランプに、それぞれ転用しています。シールドマシンの外殻部など転用できない部分については、4台分を準備して掘進しました。

小土被り、急曲線、急勾配などの点において、湾岸線方面からの出口となるBランプは4つのランプの中でも特に難易度が高い施工になりました。

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シールドマシンは最小土被り1.3mという制約条件の下で発進し、曲線半径R=50~71m、下り勾配6.7%~7.6%という急曲線・急勾配を発進から約190m掘り進めました。

シールドマシン発進時の写真を見ると、土被りが1.3mだったことがわかります。

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トンネル内は通常、鉄筋コンクリート(RC)セグメントを使用しますが、急曲線の箇所では鋼製セグメントを採用しました。馬場出入口の鋼製セグメントは、セグメントを組み立てた後にコンクリートを中詰めしています。そのため、表面上はコンクリートのセグメントに見えます。

また、横浜北線の本線トンネルとBランプの接続部は、最小離隔0.35mの近接施工を実施しています。本線と分岐拡幅部を先に掘削・開通した後に、Bランプ(湾岸線方面からの出口)トンネルのシールドマシンが到達しました。

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供用中の本線と近接した施工となるため、本線への影響が小さくなるよう、プロテクタ(隔壁)を設置して到達部を施工しました。

馬場出入口の全体を内路交差点側から眺めます。中央には馬場換気所が設置されています。

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法隆寺交差点側の入口から通るランプです。急曲線、急勾配であることがわかります。

馬場入口の料金所を進みます。開通時は右側の法隆寺交差点側レーンのみ利用可能です。左側の内路交差点側レーンは閉鎖されています。ETCを搭載していない車両が誤って進入してしまった場合は、中央のレーンへ退避することになります。

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料金所を過ぎるとすぐに分岐箇所があります。右方向は湾岸線方面のCランプ、左方向は第三京浜方面のAランプで、色による識別が施されています。

A、C、Dランプのシールドマシンは、分岐箇所となっているこの空間に併設して時間差で発進しました。

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Bランプを掘り終えた後、Dランプを掘削し、右方向の湾岸線方面へ向かうCランプ、左方向の第三京浜方面へ向かうAランプを施工しました。

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Cランプを進みます。最小曲線半径R=51m、最大縦断勾配8.1%の下り急カーブです。天井部には、床版下の排気ダクトへ排気するための排気フリューが備わっています。

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分岐箇所から300mほど進むと、横浜北線の本線との合流箇所が見えてきました。

防災設備として、火災や事故で避難ための独立避難通路が車道の側面に確保されています。横浜北線の本線ではすべり台式の避難口を通って車道の下部を経由し避難しますが、馬場出入口では空間の都合により車道の側面から避難します。

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火災被害の拡大を防止するための消火器と泡消火栓は、50mごとに設置しています。

横浜北線の合流箇所です。先は湾岸線方面へとつながります。

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今回の工事について神奈川建設局 横浜工事事務所 山本直之工事長は「小土被り・急曲線・急勾配が複合したシールドの掘進管理が課題であった。過去の施工データ、対象地盤の情報をもとに施工管理計画を立案し、掘進中にはリアルタイム計測により即時にフィードバックして掘進を進め、当初の施工管理値内に収めることができた」と述べました。

供用中の横浜北線で新横浜から横浜港や羽田空港へのアクセス向上、物流輸送の時間短縮に伴う企業活動の効率化、地域医療への貢献などの整備効果が発現しています。馬場出入口の開通により、さらなる効果の発現が期待されます。