首都高速10号晴海線は、都心部と高速湾岸線を結ぶ首都高速道路です。
2018年2月18日、晴海線の一部となる晴海~豊洲の開通に先立ち、「首都高速道路 晴海線(晴海~豊洲)開通記念イベント ~晴海線スカイウォーク~」が行われました。
東京臨海部や晴海・豊洲地区では、商業・オフィスビル・高層マンションなどによる複合市街地形成が進んでいます。さらに今年10月の豊洲市場の開場や2020年東京五輪・パラリンピックの開催を踏まえて、晴海線や環状第2号線など幹線道路の整備が進められています。
2018年3月10日16時、晴海線の延伸部分となる晴海~豊洲の約1.2kmが開通します。2009年2月に開通した豊洲~東雲JCT(しののめジャンクション)の約1.5kmと合わせて、晴海線は延長約2.7kmになります。
今回の開通により、銀座方面と湾岸線のアクセスがより向上し、9号深川線や11号台場線のバイパス的役割が期待されています。
供用している豊洲~東雲JCTでは以前、「首都高講座 1限目:晴海線建設現場」や「首都高スカイウォーク in 晴海」が開催されました。
勝どき駅から徒歩約10分の晴海4丁目特設会場が受付となります。事前に応募した先着約5千人が、希望した時刻に入場できます。
受付で会場マップやリーフレット、クイズラリーの解答用紙、メッセージシールを受け取ります。
首都高ガイドツアー〜首都高講座〜として、各回先着30名に首都高職員が晴海線をガイドするツアーが用意されています。インカムを付け、スカイウォークの途中まで約40分間のツアーです。
特設会場を抜けて、スカイウォークのコースとなる晴海線の本線へ移動します。
晴海運河に架かる晴海線の本線橋梁の下を通ります。
晴海線の本線を豊洲・東雲JCT方面へ向かいます。左側に架かっている青色の橋梁は、有明通りの晴海大橋です。
ゆりかもめの軌道を越えるため、4.5%の上り勾配を進みます。
晴海運河の中間に中央区と江東区の区界があり、管轄する警察署が変わります。
フォトスポット1では、豊洲の街をバックに記念撮影できます。
道路の照明は、低位置の側壁に照明器具を取り付けて道路を照らす高欄照明です。手の届く高さに照明を配置することで、高所作業車を使わずに済みます。
クイズラリーの問題1が掲示されています。
晴海線(晴海~豊洲)の延長は? A:1.2km B:1.7km C:2.7km
非常時に使用する非常電話が設置されています。
反対車線へ移動し、豊洲・東雲JCT方面へ向かいます。
ゆりかもめの軌道をまたぐ箇所が勾配の頂点になります。スカイウォークの折り返し地点です。
先には豊洲市場があります。
折り返し、晴海線の本線を晴海方面へ向かいます。フォトスポット2では、晴海線の最高点で記念撮影できます。
ビルの隙間に富士山を見ることができます。
クイズラリーの問題2が掲示されています。
晴海線の下を通っているのは? A:りんかい線 B:ゆりかもめ C:東海道線
フォトスポット3では、レインボーブリッジをバックに記念撮影できます。
晴海運河を望むと、手前には晴海線と並行して未供用の環状第2号線の豊洲大橋、奥にはレインボーブリッジを見ることができます。右側に立ち並ぶクレーンは、建設が進む東京五輪の選手村です。
クイズラリーの問題3が掲示されています。
晴海線から見えるのは? A:レインボーブリッジ B:東京タワー C:スカイツリー(複数解答あり)
スカイツリーと東京タワーを同時に見える箇所です。南西となる左側には東京タワーを見ることができます。
北東となる右側にはスカイツリーを望めます。
パノラマ写真で見る晴海線の晴海運河上部です。
今回開通する晴海線では、約1万6000tの鉄が使用されました。東京タワーは約4000t、スカイツリーは約3万6000tです。
急な下り坂の先は晴海出口となり、有明通りと晴海通りの晴海三丁目交差点に直結します。
特設会場へ戻ります。
特設会場には各種コーナーが用意されています。
晴海線紹介コーナーでは、晴海線をパネルや模型で紹介します。500分の1の精巧な模型を見ると、晴海線が晴海大橋を含む有明通りの上部を通り、すべて高架構造であることがわかります。
はたらくクルマ展示では、首都高のパトロール車両やパトカー・消防車など緊急車両、工事で活躍したクレーン車などに乗ることができます。
はたらくクルマのひとつでもある高速バイク隊のパトロールバイクは、中央環状線の山手トンネル内を巡回し、災害発生時の通行止め処置や利用者の避難誘導などを行う車両です。
ボルト締め&測量体験では、実際の工事で行われているボルト締めや測量を体験できます。
シャーレンチと呼ばれるボルト締め付け機と軽量軸力計を使って、ボルトの締め付けを体験します。体験で締め付けたボルトは、記念に持ち帰ることができます。
今回の開通区間では、引張荷重に対して特に耐久性のあるトルシア形高力ボルトを使用して橋桁を固定しています。トルシアは、トルク(回転力)によりシャー(切断)するという意味です。必要な締め付けトルクが得られると、ピンテールと呼ばれる先端部分が破断するようになっているので、施工しやすいのが特徴です。
測量機器を使用して、測量を体験できます。
板橋・熊野町ジャンクション4車線化キャラクター「いたくま」とETC普及促進キャラクター「Mr.ETC」、どちらが高いかを1mm単位で測量します。
首都高展示コーナーでは、首都高のさまざまな活動を紹介します。
日本スマートドライバーのコンセプトカー「ホメパト」は、悪い運転を取り締まるよりもいい運転を褒めようというキャンペーンの一環として誕生した、日本でたった1台のホメるパトカーです。
休憩所があり、昼食をとっている人も多くいました。
SNS PHOTOプリントコーナーが用意されています。晴海線で撮った写真にハッシュタグ「#晴海線スカイウォーク」をつけてSNSに投稿すると、その場でプリントアウトした写真を受け取れます。
開通メッセージ記入コーナーには、晴海線開通へのメッセージが寄せられています。
特設会場の出口にはクイズラリーのゴールがあり、全問正解で晴海線オリジナルピンバッジがプレゼントされます。
「首都高速道路 晴海線(晴海~豊洲)開通記念イベント ~晴海線スカイウォーク~」はここまでとなります。
晴海線の一部となる晴海~豊洲の開通により、以下のような効果が期待されます。
・晴海地区全体の混雑緩和に寄与
・臨海部の防災機能を強化
・湾岸線と都心をつなぐルートがさらに強化