東京メトロ 夜間作業(ホームドア設置工事) 報道公開

東京メトロ

 ホームから線路内への転落事故やホームにおける列車への接触事故を防止するため、東京メトロでは各線へのホームドアの設置を進めています。日比谷線上野駅のホームで、ホームドア設置の夜間作業が報道公開されました。

 東京メトロは、2025年度までに全180駅へのホームドア整備を目指しています。2020年12月11日現在、銀座線、丸ノ内線、千代田線、有楽町線、南北線、副都心線の全駅143駅(79%)で整備完了しました。残る日比谷線19駅、東西線14駅、半蔵門線4駅の37駅で整備が進みます。

 ホームドアの設置は、終電後から始発前の夜間に行われます。構造など駅ごとの条件にもよりますが、着工から供用開始まで1駅につき約22か月を要します。ホーム下の支障物処理やホームの補強を約15か月で進めた後、約7か月かけて設置作業を行います。仮設していた設備の移設など、供用開始後も夜間作業が続きます。

photoホームドアの設置スケジュール 資料:東京メトロ

 ホームドアの設置作業は、墨出し、ホーム床の穴あけ、基礎ベースの埋設、可動ステップ設置(7開口)、ホームドアの搬入と設置があります。ホームドアの設置後は、電源ケーブルや信号ケーブル約500本の施工、約70筐体のホームドアや制御盤の高さや傾き調整などを行います。日比谷線上野駅の場合、ホーム片側のホームドア設置に約3か月、配線・調整・試験に約4か月の施工期間が必要になります。

 深夜1時10分過ぎ、ホームドアを積載した搬入列車が1番線(中目黒方面)を通過し、仲御徒町駅で折り返して2番線(北千住方面)ホームに到着しました。搬入には通勤車両が使用されます。1番線のホームドアは12月5日に設置が完了しています。

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 1時15分頃、列車から設置するホームドアを積み下ろし、ホーム側の作業を開始しました。35台のホームドアを約50人の作業員で設置します。

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 緩衝材で保護されているホームドアを定位置に仮置きします。

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この日に設置するホームドアの仕様は以下の通りです。
 台数:台数:ドア28開口分 35台(ホーム片側)
 開口幅:2200mm
 重量:(大)約650kg (小)約250kg
 寸法:(大)横幅2,620mm × 高さ1,350mm × 厚さ200mm
    (小)横幅1,370mm × 高さ1,350mm × 厚さ200mm

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 作業はホームの両端から中央に向かって進められます。

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ホームドア設置作業の動画です。

 1時間40分ほどでホームドアの設置が完了しました。

 2時50分、ホームドアを搬入した列車が出発します。この後は線路側の作業、3時10分から安全確認が行われます。

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 ホームドアの設置前と設置後を比較すると、安心感が増しています。

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 供用開始までの約4か月間は配線・調整・試験が行われるため、ホームドアはあっても扉が閉まらない開固定期間となります。開固定期間には以下のような事故防止対策を実施します。
 ・警備員の追加配置(ホーム監視、見守る目の強化)
 ・音声案内装置の設置(ホームドア工事中のアナウンス)
 ・駅構内の張り紙によるホームドア工事期間の周知(工事期間のお知らせ)
 ・駅構内に「お身体の不自由なお客様等を見守る風土の醸成」ポスターの掲出
 ・積極的な駅構内放送の活用による放送の強化

 日比谷線上野駅のホームドア供用開始は2021年2月下旬の予定です。

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 東京メトロでは2021年春のダイヤ改正において、終電時刻を概ね10分程度繰上げます。10分程度であっても作業時間の確保は安全かつ効率のよい工事進行につながります。ホームドアの設置でも工程短縮などが可能になり、配線・調整・試験の工程を約5日間短縮できる見込みです。