東京メトロ 銀座駅リニューアル 報道公開

東京メトロ

 東京メトロ銀座駅は、銀座線、丸ノ内線、日比谷線が乗り入れる駅です。リニューアルを完了した銀座駅が報道公開されました。

 1934年3月3日に銀座線の銀座駅が開業、1957年12月15日に丸ノ内線、1964年8月29日に日比谷線が開通し現在の駅構造が形づくられました。2019年度一日平均の乗降人員は約25万7千人で、東京メトロの管理駅では乗降人員が4番目に多いターミナル駅となっています。銀座線は1927年に浅草─上野間で営業を開始しました。2017年に開業90周年を迎え、日比谷線開通した1964年以来の大規模なリニューアルが行われています。リニューアルのコンセプトを「伝統 × 先端の融合」として、全駅の改装やホームドアやバリアフリー設備の整備、新型車両の導入などを進めています。

 改装に際しては、銀座線の魅力向上に寄与する様々なアイデアを公募するデザインコンペが2012年から2016年にかけて開催されました。コンペは下町(2012年)、商業(2014年)、銀座(2015年)、ビジネス(2016年)、トレンド(2016年)という5つのエリアに分けて行われています。

photo駅デザインのコンセプト 資料:東京メトロ

 浅草─神田の下町エリアは2017年より工事を進めてリニューアルを終え、商業エリアの日本橋駅、京橋駅、銀座エリアの銀座駅、トレンドエリアの青山一丁目駅、外苑前駅という5駅もリニューアルを完了しました。銀座駅は銀座エリアという一駅だけの区分けになっており、東京メトロの駅の中でも特別な位置付けであることがわかります。

 東京メトロは、銀座駅のデザインコンセプトを「憧れの街」に決定しました。銀座に漂う「上品さ、優雅さ、高級感」を感じられるように、明るさや洗練さを併せ持った空間を演出しています。以下の4つのポイントを軸にリニューアルしました。設計は日建設計、施工は大成建設。費用は約220億円です。
 ・きれいな銀座らしい駅へ
 ・乗り換えをよりわかりやすく
 ・バリアフリー設備整備
 ・パブリックアート

 新しくなった銀座駅を出入口から見ていきます。上の写真はリニューアル前、下の写真はリニューアル後です。

photoリニューアル前の銀座駅出入口 写真:東京メトロ

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 リニューアルに際して、出入口は2015年に決定した銀座線デザインコンペ最優秀賞のアイデアを具現化しました。ガラスで構成することで格式あり銀座にふさわしい、上品で落ち着きのある空間に仕上がっています。

 これまでの改札口は閉塞感があり、凡庸で味気のない改札口でした。

photoリニューアル前の銀座駅改札口 写真:東京メトロ

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 改札口では光の柱が目を引きます。路線のイメージカラーを光の柱で表現することで、案内板だけではわかりづらいという欠点を克服し、乗るべき路線が一目でわかるようになっています。銀座線の改札口ではラインカラーに近い色として採用されたレモンイエローが視界に広がります。

 3つの路線ごとに異なる色彩と図形が選定されたことにより、「わかりやすさ」と「美しさ」を追求しています。

photo銀座駅に乗り入れる地下鉄イメージの色と形 資料:東京メトロ

 銀座線:レモンイエロー/黄色・やわらかな光、円形・GinzaのG
 丸ノ内線:チェリーレッド/赤色・いごこちのいい光、三角形・MarunouchiのM
 日比谷線:シルバーホワイト/銀色・シャープな光、四角形・HibiyaのH

 光の柱を近くで見ると、間接照明による地紋で構成されていることがわかります。銀座線のラインカラーはオレンジ色ではあるものの、ここではレモンイエローが採用されています。これは、地下にいながら地上を感じることができる「銀座のまちの地下1階」としての空間をイメージしたデザイン上の相違です。

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 銀座線改札内中央の天井では、オリエンテーションサインと呼ばれる丸く描かれた地上の街の絵が目を引きます。場所は銀座四丁目交差点の真下付近で、地下にいながら地上の様子がわかるよう、銀座・和光や銀座三越など改札周辺の有名な施設が建っている方向に描かれています。オリエンテーションサインは朝(始発から午前7時)、昼(午前7時から午後4時)、晩(午後4時から終電まで)と、時刻によって空の明るさが3段階に変化します。

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 ホームへ降りる階段も、全体の構成により銀座線であることが明確に表現されています。

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 ホームから改札口への階段を見上げるとオリエンテーションサインが視界に入ります。これにより、直感的に向かう方向が定めることができます。

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 銀座線のホーム壁面には、1920年から銀座線開通100周年となる2027年までの銀座の街並みが、時代の節目ごとに描かれています。黒色に塗布したアルミを削って表現するスクラッチと呼ばれる技法で描かれた壁面の絵は、入線した列車の明かりで深く浮かび上がります。

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 1934年は銀座駅が開業しました。銀座線が大きく描かれています。

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 東京五輪が開催された1964年。しっかりと示された五輪が目に飛び込みます。

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 2010年、そしてこれからの2027年です。

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 改札口を出て、各線の連絡通路を移動します。テーブルと電源が設置され、パソコンで自由に作業できるスペースがあります。

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 銀座駅は銀座線と丸ノ内線が並行に走り、2つ路線をつなぐ形で垂直に日比谷線が通ります。銀色のイメージカラーを持つ日比谷線の改札口です。

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 日比谷線の改札口を進むと、地上の街が天井部に四角形で描かれています。

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 赤色のイメージカラーを持つ丸ノ内線の改札口です。

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 丸ノ内線の改札口を進むと、地上の街が天井部に三角形で描かれています。

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 駅内の随所には特徴のあるパブリックアートが散りばめられていて、美術館を歩いているような気分になります。通路の側面には、地下部分の土木構造物である擁壁がライトアップされています。切り取られた飾りではなく、実際に現在でも活躍している擁壁です。

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 地下鉄の父と呼ばれる早川徳次(はやかわのりつぐ)が、リニューアル前と同様に銀座駅を見守ります。

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 銀座駅の中心には、世界的なアーティストとして知られる吉岡徳仁氏のパブリックアート「光の結晶」が資生堂より新たに寄贈され、新設しています。特殊なファセット(切子面)が施された636個のクリスタルガラスを集積した光の彫刻です。

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 吉岡氏は作品について次のように解説しました。「作品の輝きを設計する際に世界地図を用いており、光で世界を表現する構成になっています。クリスタルガラスより放たれた無数の光彩はひとつの巨大な光となり、その光には”地球に生きるものとして世界がひとつになる”という平和への願いが込められ、街を行き交う人々に輝きを与え、銀座駅の新しいシンボルとなります」

 今回の銀座線リニューアルについて東京メトロ工務部第二建築工事所長の三丸力氏は「全面駅改装ということで、2万1500平米という広い空間の工事を進めてきた。深夜の3時間ほどの時間内で作業を進める必要があり、工事が3年にわたってしまい利用者にご迷惑をかけてしまった。明日からの新しい銀座駅がよかったねと言っていただけると幸いで、様々なお客様に利用してもらえることを期待している」と語りました。