国道20号 新宿御苑トンネル防災設備点検

新宿御苑トンネルは、四谷四丁目交差点と新宿三丁目交差点とを結ぶ国道20号(甲州街道)のトンネル。一年に一度、トンネルを通行止めにして防災設備の点検が行われるということで、「国道20号 新宿御苑トンネル防災設備点検」を取材をしました。
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2007年(平成19年)は、7月8日の0時から6時まで防災設備の点検のために全面通行止めとなります。事故などの車両火災発生時に、防災のための設備が正常に動作するかどうかを確認する、放水試験が行われます。

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総延長:840m、車線数:上下線各2車線、設計交通量:39,000台/日。1991年(平成3年)に車専用のトンネルとして完成しました。
新宿御苑トンネルは、新宿三丁目交差点のそばにある「東京みちの情報館」の上の階にある操作監視室で、監視や管理が行われています。監視盤、操作卓、遠制装置などを設置、設備の運転状況を監視して、場合によってはトンネルに対して警報表示などを行います。
photo photo photo photo昼間が4名、夜間は5名の、監視員の方々が勤務されています。
この日は点検ということで、50名ちかくの方々が出勤されたようです。
0時を過ぎ、車の流れを止めて、点検のための準備が進みます。
photo photo photo photo photo防火設備の点検ということで、消防の方々も立ち会います。
国土交通省では、通行止めをともなう新宿御苑トンネルの点検のため、警察との綿密な協議、消防や救急との調整、トラック協会や地域住民への配慮、通行車両への事前の告知など、様々な準備を行います。
photo伸びる道路に見とれているのもつかの間、0時40分、点検が始まりました。
まずは、新宿三丁目交差点から四谷四丁目交差点へと向かう上り線からとなります。
photoまずは、50mおきに合計34台設置されている「押釦式通報装置」「消化器」「泡消火栓」などの試験。
消火装置はひとつの非常用押釦箱というボックスにまとめられているため、わかりやすくなっています。
photo photo photo photo photoホースとノズルを経由して出される消火のための泡は、安全に機能することを示しています。
トンネルを見ると、「ITV(監視カメラ)」「火災検知器」「煙感知器」「スプリンクラー」など、防災のための設備はひとつでないことがよくわかります。
photo photo photo photoトンネルは、規模や交通量によって、AA・A・B・C・Dという防災等級に分類。防火等級AAの新宿御苑トンネルは、特有ともいうべきスプリンクラー(=水噴霧装置)が備わっています。
スプリンクラーによる、試験放水が始まりました。
photo photo photo photo photoスプリンクラーは天井の側面5mおきに、294台が設置されています。
一度に放水される区画は50mのため、試験放水をしてから50m進み、また試験放水をするという繰り返しの確認作業が続きます。放水すると自動的に外れるキャップが、スプリンクラーについたままになっていると、故障しているということがわかります。
photo人間や車などが濡れてしまうことから、スプリンクラーでの消火は最終段階の対処となります。
放水の威力は強く、前方がまったく見えなくなるほどです。
放水試験と合わせて、検査の記録や、看板の撤去など、いくつかの作業が平行して行われていました。
photo photo photo photo photo時計を見ると2時40分、上り線の点検はちょうど2時間かかったことになります。大変な作業です。
続けて、四谷四丁目交差点から新宿三丁目交差点へと向かう下り線を進みます。
上り線と時を同じくして、下り線の点検も進行。点検に合わせて、天井の掃除が行われていました。
photo photo photo photo photo天井は、ブレーキをかけた際に点灯するテール連絡路が反射するため、安全を確保する上で重要な要素となります。排気ガスにまみれた天井が、きれいになっていきます。
トンネルで重要なのは、消火設備、そして避難経路です。トンネルのほぼ中央には非常停車帯が設けられています。非常時以外に安易に停車、用を足してしまうケースもあるということで、警告の張り紙がしてありました。
自転車で侵入されてしまうケースもあり、スピーカーでの警告がまれに行われるそうです。
上り線と下り線とで相互の人命救助を容易にするため、扉が設置されています。
photo photo photo photo点検をひととおり終えると3時40分、順調な進み具合の点検だったようです。
トンネルの中は暑さに水が加わってサウナのような状態になっていたにもかかわらず、誰ひとりとして休むことなく、水分を取ることなく一気に作業を行っていたということに驚かされました。
photo新宿御苑トンネルの監視や管理は、事故への迅速な対応が求められることから事故を見る目や判断する力が備わった、経験を積んだ50代の方が多いとのこと。
トンネルの利用者として、無理な運転をせず、有事の際には慎重な対応ができるよう心がけたいものです。
取材を応じてくださいました、国土交通省東京国道事務所の植松様に心よりお礼申し上げます。

参考:東京国道事務所