国道15号 大森蒲田共同溝工事

国道15号は、第一京浜とも呼ばれる、東京都と神奈川県とを結ぶ一般国道。2007年3月に一般公開された「大森蒲田共同溝現場見学会」から約5ヶ月、「国道15号 大森蒲田共同溝工事」を取材しました。
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国道15号の地下、大田区の大森西5丁目〜蒲田4丁目の延長1,481mにおいて、内径4メートルの共同溝を建設する「大森蒲田共同溝工事」が進められています。

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現在、東京都区内では電気・電話・ガス・水道・下水道などの幹線ライフラインをまとめて収容する「共同溝」というトンネルのネットワーク化が進められています。共同溝を築くことで「都市の防災機能の向上」「ライフラインの安全性・信頼性の確保」「利便性の向上」「道路の掘り返し工事を削減することによる渋滞の緩和」などメリットが生まれます。
国道15号に沿って、ほぼ直線にトンネルの工事は行われています。京浜急行本線の梅屋敷駅そばの蒲田二丁目を拠点として「発進立坑」と呼ばれる縦の穴を掘り、巨大な筒型のシールドマシンを使い、品川方面へ向かって大森西五丁目の「到達立坑」までトンネルを掘ります。
photo photo photo photo photo工事は、「泥水式シールド工法」で行われています。土と地下水の圧力に対抗するための水を、ポンプでシールドマシンの前面に送って循環させながら、カッターを回転させて掘り進める方法です。
シールドマシンは直径約4.5メートル、長さ約7.0メートル。発進立坑に設置されたコンピュータで制御され、人の手をほとんど介さずにトンネルが掘り進められていきます。
シールドマシンは掘削と同時に、「セグメント」と呼ばれる幅1.2メートルの壁を組み立てながら、前へと進みます。
photo今回の工事では、約1191個ものセグメントが必要となります。
工事用のエレベーターで、深さ約21メートルの地下へ下ります。
photoシールドマシンが掘り進めている一直線のトンネルの、先端部へと向かいます。
発進立坑から掘削を開始したシールドマシンは、到達立坑までを掘り終える直前でした。
photo大森西五丁目に到達したシールドマシンは一度、解体されることになります。メンテナンスされた後、蒲田二丁目の地下で再び組み立てられ、今度は反対側の蒲田四丁目を目指して掘削をします。
photo発進直前の状態を観ているということもあり、一直線に延びるトンネルは取材する立場ながら感動と衝撃を与えてくれます。
トンネルの途中、発進立坑と到達立坑との中間地点に「分岐立坑」があります。
photo鉄筋コンクリート製セグメントでつくられているトンネルの途中で、一部のライフラインが地上へアクセスしやすくするため用意されている立坑です。
シールドマシンは単体で穴を掘るのではなく、水や電気を送ったり配管をしたりするための様々な機械が後方で稼働することにより、前へと進むことができます。
シールドマシンに合わせて、レールに乗った様々な台車も前へと進みます。
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スラリーストップ台車:配管をする際に泥水をこぼさないための台車


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ホースリール台車:配管のためのホースを巻く台車


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計装ケーブル台車:通信の線を巻く台車

高圧ケーブル台車:電流の線を巻く台車


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トランス台車:電圧をコントロールするための台車


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ベビコン台車:機器を制御するための台車

ポンプ台車:泥水を地上へ送るための台車


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バブルセット台車:泥水の流れを制御する台車


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運転台車:シールドマシンを操作する台車


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クラッシャー:岩や石を砕いて泥水とともに送るための機械

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すべての台車が機能して、先端のシールドマシンが稼働することになります。
発進直前と比べると、「苦労した形跡」が伝わります。
photo掘削を続けるシールドマシンからは、美しさすら感じることができました。
トンネルを歩き、蒲田二丁目の発進立坑へと戻ります。
まだ掘り進められていない反対側の、蒲田四丁目を目指すトンネルの掘削は、2007年の末から開始される予定です。
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現場では約50名の方が、昼方・夜方を合わせて24時間の体制で勤務されています。シールドマシンなどにより作業のロボット化が進んでも、点検や測定など、人間の負担する作業が減ることはありません。
工事にともなう周辺の住民への配慮や事故の防止など大変な作業は多い反面、トンネルが開通した際には、工事に携わらなければわからないであろう、大きな喜びがあるとのことです。
photo共同溝のネットワークが進むと、災害が発生した際にライフラインが断絶されることが少なくなり、ケーブルなどの埋設により都市の景観は美しくなります。
今後の、さらなる共同溝の建設を望みます。
工事においてのたくさんの事実を知ることができた、非常に充実した一日となりました。
取材に応対してくださいました、国土交通省東京国道事務所の後藤様、そして、戸田・大日本特定建設工事共同企業体の伊澤様と内梨様に、深くお礼を申し上げます。

関連:ラジエイト – 一般国道15号 大森蒲田共同溝現場見学会