下水道 新宿区戸山二丁目、新宿六丁目付近再構築工事

新宿区戸山二丁目、新宿六丁目付近再構築工事は、新宿を浸水被害から守るためにつくられた下水道トンネルの工事です。大雨の際に雨水を下水道へ流すことで、浸水被害を防ぎます。
地域の方々を中心とした現場見学会が開催されました。

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新宿区戸山二丁目、新宿六丁目付近の浸水被害対策として、雨水を収容する主要枝線を築造する工事が行われています。見学会は、東京都下水道局による「平成20年度 ポンプ施設・建設建設現場見学会」の一環となります。トンネルはすでに掘削を完了しています。

新宿区戸山三丁目(戸山公園早稲田口)から新宿六丁目(新宿六丁目交差点東側)までの、延長1,850メートルのトンネル築造工事です。工期は2006年(平成18年)10月から2009年(平成21年)3月となっています。新宿六丁目から新宿区役所を経由して大ガードまでの延長890メートルは2007年(平成19年)3月に完成しています。

戸山公園の一角に、トンネルを掘るためのシールドマシンが発進した、発進立坑があります。工事の騒音を防ぐため、防音ハウスとなっています。

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広大なスペースを持つ防音ハウスでは東京都下水道局のマスコットキャラクター「アースくん」も出迎えてくれています。

トンネルは、縦に掘った「発進立坑(はっしんたてこう)」の底に、横へ掘るため直径約3.19メートルの筒状の機械「シールドマシン」を設置、目的地点の「到達人孔(とうたつじんこう)」まで掘り進めます。人孔とは、マンホールのことです。戸山シールドトンネル工事でトンネルを掘り終えたシールドマシンは解体され、防音ハウスで展示されていました。

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トンネルは「泥土圧シールド工法」という方法で掘り進められました。前方に刃を備え付けたシールドマシンは、回転して土をかき出しながら前進、地上から送られてくる水に土を混ぜ泥土にして、地上へと送り返します。シールドマシンの後方では、トンネルを掘り進めると同時に、セグメントと呼ばれる鋼鉄製または鉄筋コンクリート製のブロックを組み立てて、トンネルの壁を構築します。

掘り出して水とともに地上へ送られた泥土は、発進立坑で泥土改良プラントで改良され、中央防波堤外側埋立地の海面処分場の覆土材料として利用されました。

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トンネルを掘り終えた現在では、泥土改良プラントが撤去されていました。

坑内へは、階段で移動します。入口には入坑している人数などが機械によって記録されています。

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発進立坑における発進部の深さは21.6メートル。7階建てのビルの高さに相当します。

階段を下りて見上げると、防音ハウスの天井を確認することができます。工事が完了すると、この発進立坑はマンホールになります。

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掘削により出た土砂は、立坑まで運ばれた後、クレーンで地上へ吊り上げられます。

掘り進めるシールドマシンの後にはレールが敷かれ、壁となるセグメントや掘られた土砂などがトロッコにより運ばれます。

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バッテリーロコとよばれる電池式の電気機関車に、5台のトロッコ、2台の資材運搬車という、合計8両による編成です。

発進立坑から、トンネルが一直線に延びています。トンネルの内径は2.6メートル。一年を通して、やや涼しくなっています。

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トンネルを構成するセグメントは、5つのピースが組み合わさって1つのリングとなります。1つのピースの重量は約1.2トン、5つが組み合わさること5.2トンのリングとなります。1つのリングは約20分で組み立てられます。

途中、レールの上にトロッコが停まっていました。トンネルの中で、規則的に配置されている緑色の蛍光灯には充電器が備わっているため、停電の際にも点灯します。

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トンネルのブロックが、場所により鉄筋コンクリート製と鋼鉄製とに変化します。鉄筋コンクリート製のブロックでつくられた一般部のトンネルを「二次覆工一体型RCセグメント」とよびます。

鋼鉄製のブロックでつくられた急曲線部のトンネルは「急曲線部特殊鋼鉄セグメント」とよばれます。

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急曲線部という名前のとおり、カーブが急な部分には特殊鋼鉄セグメントが使用されます。

途中、様々な機器が配備されています。トンネルを監視するカメラがついています。

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約500メートルほど進みます。高圧変圧器では、6600ボルトの電圧が処理され、シールドマシンなどへ利用する電気が供給されていました。

事故を未然に防ぐために、いろいろな配慮がなされています。坑内ガス濃度計測機器です。

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酸素ボンベ、各箇所へのインターホン、消火器などもあります。

トンネルの左側にある、細い管では水が送られ、太い管では泥水が送られてきます。右側にあるさらに太い管では、地上の新鮮な空気がトンネルの奥へと送られます。

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トンネルは、地上部分での大通りを外れて、細い道へと入ります。合わせて急なカーブが増えてきました。

約1,500メートルほど進みました。シールドマシンは3名で操作され、トンネルを掘る中で許される誤差は上下5cm、左右10cmとなっています。

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場所によっては、急曲線部特殊鋼鉄セグメントが続き、数リングのみ二次覆工一体型RCセグメントとなった後、再び急曲線部特殊鋼鉄セグメントとなる場所もあります。

約1,700メートルほど進みました。都営大江戸線との交差部があり、戸山シールドトンネルのわずか3メートルの上には電車が走ります。

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工事を進める中でも、特に気を使いながら掘削された地点です。

足場が少なくなり危険なことから進むのはここまでとなります。

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これより先は、新宿六丁目から新宿区役所を経由して大ガードまでの延長890メートルへと接続します。発進立坑へと戻りました。これにて「新宿区戸山二丁目、新宿六丁目付近再構築工事」の見学会は終了となります。

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2004年(平成16年)には新宿駅の大ガードが浸水するなど、予想以上に身近で起こりうる、都心部の大雨による浸水被害。戸山シールドトンネルなどの地下施設により、少しでも浸水被害が減ることを願います。

案内をしてくださいました東京都下水道局ならびに清水建設株式会社の方々へ、厚く御礼を申し上げます。

公式:東京都下水道局