海の森 一般公開イベント

海の森(うみのもり)は、 東京湾のゴミの埋立地を、植樹によって緑豊かな森に変えるプロジェクト。
東京港の中央に位置する中央防波堤内側埋立地は今、公園として整備されています。初めての試みとして特別に一般公開イベントが行われました。

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東京湾に、ゴミと残土で埋め立てられた中央防波堤内側埋立地があります。1973年(昭和48年)から1987年(昭和62年)にかけて、23区内で発生したゴミ1,230万トンを埋め、リサイクル土や建設発生土などで表面に層を形成してつくられました。面積は、日比谷公園の約5.5倍の約88ヘクタールです。

高さ30メートルにもなるゴミや建設残土の上に土を盛ってできた中央防波堤内側埋立地。苗木を植え、美しい森に生まれ変わらせる計画が「海の森」プロジェクトです。苗木を約48万本植樹する計画で、2016年(平成28年)に公園となる予定です。

森づくりが始まったばかりのため通常は立ち入りできませんが、今回、初の試みとして特別に公開されました。イベント会場には、駐車場が用意されています。多くの人はゆりかもめテレコムセンター駅より徒歩で来ています。

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海の森は、「海を活かし、森をつくり、人を育てる」という構想を持っています。

「自然環境の再生」「活気ある個性的な公園」「新しい時事業手法の展開」という3つの基本的な考え方と、「リサイクルから進める」「自然環境を学ぶ」「ランドマークを形成する」「時間をかけて段階的に整備する」という4つの視点が、構想の骨子です。

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イベント広場では、海の森に植栽されている樹種の説明などパネルを読むことができます。苗木は、市民と民間企業からの募金によって調達・植樹されます。植えられている樹種は、関東地方の沿岸部に自然に生える潮風に強いタブノキ・ウバメガシ・スダジイなどの常緑樹が主体となっています。

海の森を歩いてみます。コースは植樹年ごとに3つ用意され、いずれも先まで行って折り返すルートになっています。まずは「平成20年度植樹」のコースです。

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コースにはそれぞれ、クイズ看板「海の森DEクイズ!」が用意されています。
【問題文】海の森には、植樹後15年を過ぎた森があります。その森には昆虫類が何種類位、確認されているでしょうか?
 a 30種類くらい
 b 150種類くらい
 c 500種類くらい

植物のほかにも、様々な生きものがいます。
ニホンカナヘビ・アズマヒキガエルなどは虫類や両生類、ムクドリ・カワラヒワなど二十種類を超える昆虫の棲息が確認されています。→正解は「a」

海の森のある中央防波堤内側埋立地内には、発電用の風車が2基あります。愛称は「東京風ぐるま」。2基で年間約250万kWh、一般家庭約800万世帯分の年間消費電力量を発電できます。高さは羽の部分も入れると約70メートルです。

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海の森はゴミで埋め立てられているため、生ゴミが分解される過程でメタンガスが発生します。現在は埋め立てから20年以上経っているため少なくはなりましたが、このメタンガスも燃焼されて発電に利用されています。

来た道をイベント会場まで戻り、今度は「平成21年度植樹」のコースを歩きます。

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高台になっています。

遠くに東京ゲートブリッジが見えてきました。

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「海の森DEクイズ!」が用意されています。
【問題文】海の森では、植物の生長に必要な堆肥を都内の公園の木々や街路樹を剪定した枝葉からつくっています。剪定した枝葉重さ1,000kgからどれ位の堆肥ができるでしょうか?
 a 1立方メートルくらい
 b 3立方メートルくらい
 c 5立方メートルくらい
 ※立方メートルはたて1メートル×よこ1メートル×たかさ1メートル

海の森では、資源循環型の森づくりを目指しています。都内の公園の木々や街路樹を剪定した枝葉から堆肥をつくると同時に、浄水場で発生する土を利用することで公園づくりの費用を少なくし、同時に、枝葉や発生土の処分費用を少なくすることができます。
剪定した枝葉重さ1,000kgから3立方メートル弱の堆肥がつくられます。→正解は「b」

多くの苗木の先には、工事中の東京湾臨海大橋を観ることができます。東京ゲートブリッジ(名称確定以前の仮称:東京港臨海大橋)は、大田区城南島と江東区若洲とを結ぶ東京港臨海道路に架けられる橋です。

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東京ゲートブリッジの若洲側です。

東京ゲートブリッジの中央防波堤外側埋立地側です。

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これより先へは進むことができません。

来た道を少し戻り、今度は「平成22年度植樹」のコースを歩きます。

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公園として整備するための資材が各所にあります。

今、まさに整備が進んでいることがわかります。

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「海の森DEクイズ!」が用意されています。
【問題文】海の森を歩いていると、植樹地の中に黒いネットがたくさん張られているのに気がつくと思います。この黒いネット一体何のために設置されているのでしょうか?
 a 苗木を風から守るため
 b ゴミが海に飛んでいかないようにするため
 c 苗木をネズミなどの動物に食べられないようにするため

海の森は風が強く、大きな木がまだないため、植樹したばかりの苗木に直接、強い風が当たり生長が妨げられることがあります。
植樹地の中にある黒いネットは風を防ぐ役割で設置されています。→正解は「a」

植えられたばかりのクロマツです。植栽の基本的な考え方として、樹種は、海の森で自然に生育できる可能性があり、防風・防潮効果が高いものが選定されています。

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海の森に植栽する主な樹種には、以下のものがあります。

・高木
(針葉樹)クロマツ
(常緑樹)タブノキ・スダジイ・ウバメガシ・クスノキ・シロダモ・モチノキ・ヤブツバキ・ヤマモモ
(落葉樹)エノキ・ハゼノキ・ヤマグワ・オオシマザクラ
・低木
(常緑樹)トベラ・ナワシログミ・マサキ
(落葉樹)マルバグミ
・草本
 ツワブキ

コースの終端では、かすかに建設が進む東京スカイツリーを観ることができます。

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用意されている休憩広場で休んでから帰ることにします。

「海の森 一般公開イベント」はここまでとなります。

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「海の森」を起点として、お台場・晴海・築地・皇居・新宿御苑・明治神宮といった都内の大規模緑地を街路樹でつないでいくことで、緑のネットワークを築く計画が進んでいます。
この連続する緑地帯は、海からの風を都市の内部に導く「風の道」として機能し、緑地によって冷やされた風が、都心部のヒートアイランド現象を抑える効果ももたらします。

近い未来、東京が水と緑の回廊で包まれた美しい都市になっていることを望みます。