上平井水門

河川

上平井水門(かみひらいすいもん)は、中川と綾瀬川との交流地点に建設された水門。河川愛護月間にともない、「上平井水門」の見学会が初めて開催されました。
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水門は、台風などの大雨で高潮や津波が発生して河川の水位が上昇した際に、遡上により水害が発生するのを防ぐ役割があります。
上平井水門は1970年(昭和45年)に、当時の金額で約23億円、期間約3年9ヶ月をかけて完成。中川と綾瀬川は、荒川と江戸川とに挟まれた低湿地帯を流れる排水河川です。
上平井周辺は特に地盤が低く、約7.5km離れた東京湾で生じた高潮により水害が発生するため、水門が建設されました。

上平井水門は台風などで高潮がきそうなとき、津波警報が出されたとき、震度5の地震が発生したときに閉鎖されることになっています。2005年においては台風の際に1度、閉められました。
上平井水門は、幅30mの門扉4連で構成されています。
川岸 1号・4号:高さ9.2m 重量約210トン
中央 2号・3号:高さ9.5m 重量約220トン
自重による閉鎖にかかる時間は約5分、モーターによる開放にかかる時間は約10分。
水門を隔てた下流では、上流よりも堤防が2m高くなっています。
photo photo photo photo photo説明をマンツーマンで受けた後、実際に門扉の1号を閉めていただきました。
航行している船に対して、門扉の閉鎖について警告がなされます。スピーカーによる警告は陸地では聞き取りづらいものの、河川の船舶に対してはよく聞こえるようになっています。
訓練のため、1週間に約5回、門扉は閉鎖されます。
高潮がきそうなときに閉鎖する基準は、A.P. +2.15m。
APとはArakawa Peilの略で、東京湾霊岸島にある量水標の零位を基準とした水面のことで、荒川などが水位の基準として採用しています。
photo約5分の閉鎖はあっという間で、その迫力には思わず息をのんでしまいます。
弧を描く一番太いパイプの中には、さびを防止するためにガスが注入されています。
さびの進行を防ぐための塗り直しのできた1号と4号は青色、船舶の航行が多くなかなか塗り直しができない2号と3号は灰色。
photo門扉は上に設置された機械室のモーターによって、ワイヤーで開閉されます。
注意すると、隙間からワイヤーを見ることができます。
photo photo photo photo門扉と門扉との間には人ひとりが入ることのできる程度の小さな扉があり、場合によっては内側からメンテナンスをすることが可能です。
中は左右に分かれていて、それぞれの門扉へと行くことができるそうです。
photo photo photo photo後ろは、右側から流れてくる大きな中川と左側から流れてくる綾瀬川とが合流するすぐそばを、首都高速の橋が波のようにかかっている風景は、水門のことを忘れてしまうほどの絶景。
photo見学を終える際、観ていたのは水門の片側だけで、反対の側はほんとど観ていないと気がつき、表側の全景をみるため炎天下の土手を歩きに歩いて約30分。
反対側から観れば5分もかからなかった、きちんと聞いてから判断すればよかったと後悔するのでした。
photo上平井水門は、これからも地域を水害から守るために活躍してくれるはずです。
丁寧な説明をしてくださいました東京都建設局河川部の方々にお礼申し上げます。