霞川調節池(かすみがわちょうせつち)は、東京都青梅市を流れる霞川において、大雨による洪水を避けるために建設された地下式調節池の施設。「霞川調節池」の、施設の完成を祝う会が開催されました。
調節池は、霞川が増水した時、一時的に水を地下に貯留することができます。貯留された水は、霞川の水位が低くなった時、ポンプにより戻されます。
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主催者挨拶、工事報告、来賓祝辞、来賓紹介、テープカット、くす玉開きと続き、地元の小学生と中学生による金管バンド演奏と合唱、記念植樹と進みます。
霞川は荒川水系入間川に合流する延長15.8kmの一級河川。東京都が管理する延長5.5kmの流域は市街化が著しく、浸水被害を防ぐことが課題となっていました。
この度、約128億円の総事業費をかけ、貯留面積:約10,000㎥、貯留水深:12.8mの地下式二層構造の調節池が完成したのです。
霞川の水位が上がると、越流堰を越えて、地下にある二層構造の調整池へと水が流れます。調整池の地上部分には管理棟、廃棄棟、多目的広場がつくられています。
霞川から流れた水はまず、二層構造の上部、中間貯留部で約8,000㎥が貯めることができます。
中間貯留部にたまった水は、霞川の水位低下にあわせて放流ゲートを開くことで、自然に流すことができます。
中間貯留部がいっぱいになってもなお水が流れ込んできた場合、二層構造の下部、下部貯留部へと水が流れ込みます。下部貯留部には80,000㎥の水を貯留することができます。
水の流れは、勢いが出ると予想以上の破壊力を持ちます。水が中間貯留部から下部貯留部に流れ込む際には、滑り台のような減勢水路を流れ、勢いを弱めます。
減勢水路は、霞川調節池に3カ所あります。
下部貯留部がいっぱいになると、中間貯留部とあわせて88,000㎥の水を溜めることができます。25mプール200杯分に相当します。
調節池の内部を清掃するため、洗浄配管と呼ばれる蛇口が127カ所に設置されています。洗浄配管の先に洗浄ホースを取り付け、汚れた箇所に高圧水を吹付け清掃します。
下部貯留部に貯留された水は排水ポンプで汲み上げ、水位が下がった霞川へ放流します。
下部貯留部に貯留された80,000㎥の水を設置された2基の排水ポンプで汲み上げるためには約48時間かかるとのことです。
調節池の中には、換気を充分に行うための整流板(せいりゅうばん)が設置されています。
整流板には空気の流れをつくる役割があります。中間貯留部に2基、下部貯留部に6基、設置されています。
今まで、1時間に30ミリ程度の雨でもあふれる恐れがあった霞川が、調整池により、1時間に50ミリ程度の雨が降っても安念な川になりました。
霞川地下調節池は、浸水被害低減に大きな効果を発揮し続けることでしょう。