首都高講座は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学できるイベントです。
2013年3月28日、44限目の『「首都高」がつなぐ「陸」』が行われました。
『首都高講座 44限目:「首都高」がつなぐ「陸」』では、首都高速道路で横浜環状北線の建設現場を学び、京急ファインテックで点検整備について学びます。
首都高速道路の神奈川建設局生麦工事事務所へ集合、10時より開始となります。抽選に応募して当選した小学生とその保護者15組、30名が参加しました。
午前は首都高速道路で横浜環状北線の建設現場を見て、午後は京急ファインテックで点検整備を見ます。
首都高速道路は50周年を迎えました。首都高講座は首都高がつなぐ「陸」「海」「空」をテーマにした、50周年記念特別版が開講されます。今回は第三弾の「陸」として、京急ファインテックとコラボレーションの講座となります。
首都高速道路の横浜環状北線は、横羽線の生麦JCT(なまむぎジャンクション)と第三京浜道路の横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)を結ぶ、約8.2kmの自動車専用道路です。
横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側に位置することから「きたせん」とも呼ばれています。
2017年3月に「[K7]高速神奈川7号 横浜北線」という名称で開通します。
横浜北線の延長線上には、東名高速道路と接続する横浜環状北西線も予定されています。
横浜環状北線の約7割がトンネル構造で、その両端は高架部となります。
ひとつは鶴見川を渡る新横浜出入口付近の高架橋、もうひとつは子安台〜生麦の鉄道交差部の高架橋です。
どちらも「送り出し工法」と呼ばれる、あらかじめ組み立てられた主桁を送り出していく方法での工事となっています。
今回は子安台〜生麦の鉄道交差部の高架橋を見ます。
鉄道交差部へと移動します。
2013年2月11日の未明、万全を期した準備の後に、JRの横須賀線・東海道本線・京浜東北線の線路の約12m上に主桁が架けられました。
2013年3月28日の状態です。
2013年4月28日、首都高講座からちょうど1ヶ月後の状態です。
主桁が少しずつ送り出されていることがわかります。
主桁を送り出す高台へと移動します。
子安台換気所となる高台から、送り出される主桁を見下ろします。
ゆるやかな左カーブを描き、生麦JCTへと続きます。
「自走台車」と呼ばれる送り出し装置により、曲線の主桁がスムーズに送り出されます。今後は駆動式の「エンドレス送り出し装置」でさらに送り出しを行い、JRと京浜急行本線をまたぐ約90mの主桁が架けられます。
橋が完成した後は、新生麦出入口がつくられます。
主桁とは反対側となる、港北JCT方面を見ます。
子安台公園の下に、4本のトンネルが通ります。中央下部の2本のトンネルが横浜環状北線、外側上部の2本のトンネルが岸谷生麦線です。
横浜環状北線の本線が通るトンネルを掘り進めている、シールド機が到着する予定の場所となっています。
岸谷生麦線の、生麦方面行き(国道1号→産業道路)トンネルの坑口です。
岸谷生麦線は、鉄道で分断される地区を結び、新しく設置される新生麦出入口に接続する延長1.2kmの一般道です。トンネルの長さは約300mとなっています。
岸谷生麦線の、国道1号方面行き(産業道路→国道1号)トンネルの坑口です。
トンネルを掘り進みながら壁面にコンクリートを吹き付けることで地盤を補強し、さらに鉄筋コンクリートの壁をつくる「NATM(ナトム)工法」により造られました。
トンネルを出ました。
国道1号を背にして、左が生麦方面行き(国道1号→産業道路)トンネル、右は国道1号方面行き(産業道路→国道1号)トンネルとなります。
生麦方面行きトンネルは歩道が設置されるため、大きくなっています。
ここにて『首都高講座 44限目:「首都高」がつなぐ「陸」』の、首都高速道路で横浜環状北線の建設現場は終了となります。
バスでキリンビバレッジへ移動、用意された昼食を取ります。
大人は豪華な幕の内、子どもはハンバーグでした。
午後は、バスで久里浜の京急ファインテックへ移動して、鉄道車両の点検整備について学びます。
写真の撮影は固く禁止されているため、ここでの掲載はありません。
毎年5月の日曜日に行われるイベント「京急ファミリー鉄道フェスタ」では見ることのできない特別な見学コースとなっていました。
横浜環状北線の開通により、新横浜と羽田空港との移動は10分短縮の約30分、新横浜と鶴見との移動は15分短縮の約15分となります。広域的な交通利便性が向上、新横浜都心・京浜臨海部などの活性化、生活環境の改善など、さまざまな効果が見込まれています。