東京外かく環状道路(外かん)は、都心部から半径約15kmの位置に環状として計画されている延長約85kmの道路です。2017年2月19日、東名JCT予定地で東京外かく環状道路(関越~東名) シールドマシン発進式・シールドマシン公開が行われました。
一般道路の国道298号と高速道路を合わせて「東京外かく環状道路」、高速道路の路線を「C3東京外環自動車道(外環道)」と呼びます。東京区間と千葉区間で整備が進んでします。東京外かく環状道路の東京区間は、大泉JCT─中央JCT(仮称)─東名JCT(仮称)です。完成すると、E17関越自動車道(関越道)、E20中央自動車道(中央道)、E1東名高速道路(東名高速)がつながります。
これまで関越道と東名高速の移動で環状8号線を使っていた多くの車が、外環道を利用すると考えられています。外環道(関越─東名)は、一日に8万台くらいの車が利用すると予想されます。
大泉JCT─中央JCT─東名JCTはトンネル構造となります。
シールド機で地下約40mの深さに直径約15.8mのトンネルを構築し、片側3車線の道路をつくります。
シールド機は東名JCTができる東名たて坑から2機、大泉JCTができる大泉たて坑から2機が発進し、井の頭通り付近の地中で接続します。
東名JCTから発進する2機のシールド機は、それぞれ約9.1kmのトンネルを掘削します。トンネルは「南行トンネル」と「北行トンネル」です。
南行トンネル:大泉JCTから南へ向かうトンネル・NEXCO東日本(イメージは緑色)
北行トンネル:東名JCTから北へ向かうトンネル・NEXCO中日本(イメージは橙色)
2016年8月、緑色のカッターヘッドをたて坑に搬入し、南行トンネルのシールド機が組み立てられました。
資料:東京外環プロジェクト
資料:東京外環プロジェクト
2016年9月、橙色のカッターヘッドをたて坑に搬入し、北行トンネルのシールド機が組み立てられました。
資料:東京外環プロジェクト
資料:東京外環プロジェクト
シールド機発進式は、東名JCTの予定地となる東京都世田谷区大蔵地先で行われます。東名高速道路が隣接しています。
式典会場は、建設ヤードとなります。
トンネルを施工するために必要な様々な資材や機材をストックする建設ヤードの中には、式典会場のテントが用意されています。
「東京外環プロジェクト」のロゴマークが、あらゆるところで使われています。
11時過ぎ、式典が開始されました。式次第は、開式・主催者挨拶・来賓祝辞・来賓紹介・シールマシン命名・シールド機発進スイッチ押釦(おしぼたん)・閉会となっています。列席者は国土交通大臣、東京都知事、国会議員、都議会議員、周辺の区長ら約170人、報道関係者約50人です。
主催者挨拶として、石井啓一国土交通大臣が「東京外かく環状道路のプロジェクトを通じて確立された技術が、国際競争力の向上につながる」と述べました。
来賓祝辞として、小池百合子東京都知事が「東京外かく環状道路には交通の根幹としての役割に期待している」と述べました。
シールマシン命名として、2台のシールド機の名前が発表されました。北行トンネルは「がるるん」、南行トンネルは「みどりんぐ」です。名称は、広報誌の外環ジャーナルで募集されました。
「みどりんぐ」の命名のきっかけは、応募当時で2歳の男の子です。
シールド機発進スイッチ押釦となります。25名により、シールド機の発進スイッチが押されます。
動きだした地下にあるシールド機がモニターに映し出されます。
式典は終了となります。
国土交通大臣と東京都知事による現地視察となります。
たて坑に入りシールド機を見て、現地視察が終了となります。東京都知事への囲み取材が行われました。
たて坑でのシードマシンが公開されます。
たて坑配管の種類一覧が掲示されています。シールド機が使う様々な資材が、配管で送られます。
色とりどりのたて坑配管が、たて坑の中とつながっています。
たて坑には、シールド機を見ることができます。工場でつくられたシールド機は解体され、東名たて坑まで運ばれ、たて坑の中で組み立てられました。
定員10名のエレベーターで約70m地下のたて坑の中へ、3分ほどかけて降ります。
地下へ降りました。シールド機の側面には、がるるんのイラストが描かれています。
シールド機の前方へ移動します。
カッターヘッドがあります。土を削る、約10センチのビットと呼ばれる歯が放射状に配置されています。
回転することで、土を削ります。
削られた土は、スクリューコンベアによってシールド機の内部へ取り込み、後方へ運び出されます。
シールド機の後方へ移動します。
トンネルの壁を組み立てるエレクターがあります。セグメントと呼ばれるパネルを組むことで、トンネルの壁になります。
東京外かく環状道路(関越~東名)が完成することで、環状8号線で約60分かかっていた所要時間が約12分になるなど、所要時間の短縮や定時制確保が期待されます。
公式:東京外環プロジェクト