横浜環状北西線は、E1東名高速道路とE83第三京浜道路を結ぶ自動車専用道路です。
2018年1月13日の夜間、横浜港北JCT付近の県道川崎町田線で「横浜環状北西線 多軸式特殊台車による送り出し架設」が行われました。
横浜市と首都高速道路会社は、東名高速道路の横浜青葉IC(よこはまあおばインターチェンジ)と第三京浜道路および横浜北線の港北IC(こうほくインターチェンジ)・横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)を結ぶ、延長約7.1kmの横浜環状北西線の建設を進めています。
横浜港北JCT付近で、横浜環状北西線は県道川崎町田線をまたぎます。横浜市は横浜環状北西線の橋桁架設のため、13日夜11時30分から翌朝5時頃までの約6時間、県道川崎町田線を通行止めにしました。
架設は、内回りと外回りでそれぞれ異なる日になります。
内回りの橋桁架設:1月13日
外回りの橋桁架設:1月20日
ユニットキャリアとデッキリフトで構成する多軸式特殊台車(以下「多軸台車」)を使用した送り出し工法で架設します。
昨年10月から12月の約2ヶ月をかけて地組みした橋桁が、ベントと呼ばれる緑色の鋼製支柱(仮の支え)の上に設置されていました。すでにベントは撤去され、橋桁が2台の多軸台車で持ち上げられています。多軸台車が移動することで橋桁を送り出し、横浜港北JCT側の橋脚(PH本1)と横浜青葉IC側の橋台(AH本1)の間に架設します。
架設する橋桁の仕様は以下の通りです。
長さ(架設長):62m
横幅(全幅員):9.7m
重量(架設重量):240t
橋桁は路面から約9.2mの高さに架設します。床版や付属物はあらかじめ組み立ててあり、送り出せばすべて完成となります。
14日深夜0時、県道川崎町田線が通行止めになりました。
今回の架設のために、約2年かけて多軸台車の走行の妨げになる電線を地中化し、車道と歩道の段差を除却しました。大型クレーンでの架設を検討しましたが、交通規制への影響が大きいため、送り出し架設を採用しました。
多軸台車はすべての車輪を全方向に旋回でき、また、車台を水平に保つことが可能です。オペレーター1名が乗車して操作します。
橋桁を載せ、前後2台の多軸台車による送り出しが始まりました。
よく見ているとわかる速度で移動します。
橋桁を載せた多軸台車が、橋台(AH本1)へ近づきます。
前方の多軸台車自体が妨げになって、このままでは橋桁の先端を橋台(AH本1)に載せることができません。そのため、橋桁は2回に分けて送り出されました。途中で橋桁の荷重を橋脚(PH本1)に移し、前方の多軸台車は橋桁の中央付近へ移動して、受け替えて再び送り出します。
橋桁が送り出される距離は、1回目が約13.5m、2回目が約25.5mです。
架設作業(2回目)の定点動画(18秒)です。
橋桁が橋台(AH本1)に到達しました。
橋桁を1.2m降下して、橋台(AH本1)の上に設置されます。
橋桁の位置調整、約0.2mの最終降下と続きます。
「横浜環状北西線 多軸式特殊台車による送り出し架設」はここまでとなります。
■工事の概要
工事名:高速横浜環状北西線(東方・川向地区)街路整備工事(橋梁上部工)
工事費:約40億9000万円(税込み)
発注者:横浜市道路局横浜環状北西線建設課
受注者:宮地エンジニアリング・古河産機システムズJV
公式:横浜環状北西線