横浜環状北西線 建設現場見学撮影会(2018年 第2回)

 横浜北西線

横浜環状北西線は、東名高速道路と第三京浜道路を結ぶ自動車専用道路です。
2018年12月6日、横浜港北JCT付近で「横浜環状北西線建設現場 見学撮影会(第2回)」が行われました。

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横浜市は首都高速道路株式会社とともに、東名高速道路の横浜青葉IC(よこはまあおばインターチェンジ)と第三京浜道路の港北IC(こうほくインターチェンジ)を結ぶ、延長約7.1kmの横浜環状北西線の建設を進めています。

工事現場の撮影が静かなブームとなっていることを背景に、横浜市では横浜環状北西線建設現場のフォトコンテストを開催しています。2017年は3回、2018年は2回、フォトコンテストのための見学撮影会が実施されました。11月14日の第1回に続いて、第2回の今回は横浜市都筑区の東⽅(ひがしかた)地区での見学撮影会になります。

事前に応募して当選した参加者は当日午後1時、建設が進む東⽅換気所(仮称)に集合しました。

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横浜環状北西線の概要説明を受けます。

横浜環状北西線の延長約7.1kmのうち、約4.1kmがトンネル部となり、約3.9kmはシールド機と呼ばれる円筒型の掘削機で造られました。シールド機による掘削は完了し、現在はトンネル内部の整備が続いています。

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トンネルの出口付近には、トンネル内の空気をきれいにするための換気所を設置します。北八朔換気所(仮称)と東方換気所の2箇所が整備されます。

トンネルの天井に設置されるジェットファンで入口から空気を送り込み、排気ガスを出口付近の換気所から排出します。換気所には除じん装置(電気集じん機など)を設置して、浮遊粒子状物質の排出を低減します。

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東方換気所は、港北IC方面へ向かう港北行トンネルの排気ガスを処理します。反対側の北八朔換気所では、横浜青葉IC方面へ向かう青葉行トンネルの排気ガスを処理します。

東方換気所のデザインは、北西線と自然の調和をコンセプトにしています。立地する周辺環境の特徴(地域特性)をもとに、地域住民の意見や要望を踏まえて決定しました。

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ベース部は柚子の表面のような素材感で温かみを表現する、ゆず肌塗装を採用しました。小壁面部は住宅のスケール感を出すため、木造住宅に用いられる外壁形状の下見板張りで、さらにスリットを設けることで表情の差を大きくし分節効果を図ります。擁壁の角部の面取りを行い、2段構造とし圧迫感を軽減して、壁面を緑化します。

横浜環状北西線についての説明に続けて、写真家の西澤丞氏による撮影講座を受けます。

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安全第一・現場優先、当事者の目線で撮る、現場をいじらず写真もいじらないなど、建設現場の撮影についての注意や極意などが丁寧に解説されました。

参加者は2つの班に分かれて、時間をずらし東方換気所の見学箇所を巡ります。東方換気所は地上1階、地下2階の鉄筋コンクリート造で、平面寸法が約50m×約70mの構造物です。 地下階へ進みます。

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地下2階には、トンネル内から換気所内に排気ガスを送る換気ファン、送られてきた空気を清浄する空気浄化設備、送風用のファンの音を消す消音設備などを設けます。トンネル内の空気は、換気ファン→浄化設備→消音設備を通り、高さ約15mある換気塔の上部へ送られます。

換気ファン室には、設置が完了した換気ファンが鎮座しています。ここへ向かって、トンネル内の空気が流れます。

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空気が流れ込む開口部へ向かい、ダクトを進みます。

ダクトの先は、シールド機が到達した到達立坑となります。港北ICにつながる四角い開削トンネルを確認できます。開削トンネルの下部の小さなトンネルは避難用通路です。

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足元の下には、本線となるシールドトンネルが通っています。シールドトンネルと開削トンネルは到達立坑で接続します。

屋上へ移動します。

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建築物を落雷から保護する避雷針を張り巡らせてあります。

第三京浜道路の港北IC方面を望みます。

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手前には到達立坑があり、先は高架部が続きます。

東方換気所を出て、高架部へ移動します。
先は第三京浜道路と接続する港北IC方面です。「横浜環状北西線建設現場 見学撮影会(第3回)」で見た高架部が連なります。

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横浜環状北西線 多軸式特殊台車による送り出し架設」で架設した橋梁です。

高台から港北IC方面を望みます。

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横浜環状北西線 横浜港北JCT 夜間橋梁架設」が行われた港北ICがあり、第三京浜道路および横浜北線と接続します。

振り返り、東名高速道路と接続する横浜青葉IC方面を見ます。

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開削トンネルの先に到達立坑があり、シールドトンネルと接続しています。上部には東方換気所が建っています。

開削トンネルを進みます。約3ヶ月前となる2018年9月7日に行われた「横浜環状北西線シールド機到達 現場見学会」では、到達したシールド機を見ることができました。

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シールド機はすでに解体され、到達立坑の先のシールドトンネルを確認できます。

到達立坑に到達したシールド機です。2機のシールド機は、2017年3月から2018年9月まで平均月進325m、一日に最大約20mを掘削しました。

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シールド機が解体された到達立坑では、シールドトンネルの上部と地上の間に四角い開口部を見ることができます。最初に見た、換気ファンへと続くダクトです。
「横浜環状北西線建設現場 見学撮影会(2018年 第2回)」はここまでとなります。

横浜環状北西線は、2020年東京五輪・パラリンピックまでの供用開始を目指して整備が進められています。

■工事の概要

・東方換気所

工事名:高速横浜環状北西線(東方地区)工事用道路整備工事
工事費:約9000万円
発注者:横浜市
受注者:日機道路

工事名:高速横浜環状北西線東方換気所建設工事
工事費:約20億円
発注者:横浜市
受注者:五洋・本間・土志田建設JV

工事名:高速横浜環状北西線(東方地区)基盤整備工事
工事費:約7000万円
発注者:横浜市
受注者:シビックロード

工事名:高速横浜環状北西線東方換気所新築工事(建築工事)
工事費:約8億5000万円
発注者:横浜市
受注者:渡辺・根本建設JV

・高架部

工事名:高速横浜環状北西線(川向地区)街路整備工事(橋梁上部工)
工事費:約32億6000万円(税込)
発注者:横浜市
受注者:宮地エンジニアリング・古河産機システムズJV

工事名:高速横浜環状北西線(川向地区)街路整備工事(橋梁上部工)(その2)
工事費:約33億8000万円(税込)
発注者:横浜市
受注者:横河ブリッジ・IHIインフラシステムJV

工事名:高速横浜環状北西線港北地区下部・基礎工事
工事費:約63億6000万円(税込)
発注者:首都高速道路(株)
受注者:オリエンタル白石

工事名:高速横浜環状北西線港北地区上部・橋脚(その1)工事
工事費:約54億2000万円(税込)
発注者:首都高速道路(株)
受注者:東京鉄骨橋梁(現在は日本ファブテック)・瀧上工業JV

工事名:高速横浜環状北西線港北地区上部・橋脚(その2)工事
工事費:約51億円(税込)
発注者:首都高速道路(株)
受注者:IHIインフラシステム

工事名:(高負)高速横浜環状北西線他トンネル・半地下・擁壁・土工等工事
工事費:約26億6000万円(税込)
発注者:首都高速道路(株)
受注者:戸田建設