東京外かく環状道路は、都心部から半径約15kmの位置に、環状として整備が進む延長約85kmの道路です。2018年11月12日から12月20日にかけての10夜間、大泉JCTで東京外かく環状道路 大泉JCT(Aランプ第二橋)橋梁架設が行われました。
一般道路の国道298号と高速道路を合わせて「東京外かく環状道路」、高速道路の路線を「C3東京外環自動車道(外環道)」と呼びます。外環道は現在、大泉JCT─中央JCT(仮称)─東名JCT(仮称)を結ぶ約16.2kmの整備が進んでいます。完成すると、E1東名高速道路(東名高速)、E20中央自動車道(中央道)、E17関越自動車道(関越道)がつながります。
東名高速から関越道まで、現在は環状八号線を利用して約60分かかっていますが、外環道を利用すると約12分で移動できるようになります。
2020年東京五輪・パラリンピックまでの開通を困難とし、開通時期は現在のところ未定になっています。外環道予定地全体における用地取得が2018年2月現在で約9割と厳しく、また、高度な技術を必要とするトンネル工事の調整に時間がかかっているためです。
大泉JCTでは、外環道と関越道を結ぶランプ橋を架設しています。目白通り(都道24号)の上空に橋梁を架設するため、11月12日から12月20日にかけての10夜間、各日夜21時から翌朝5時頃までの約8時間に大泉ICと目白通りの通行止めを実施します。通行止め箇所は外環道(外回り)大泉IC入口ランプ、外環道(内回り)大泉IC出口ランプ、関越道(下り線)大泉IC入口ランプ、目白通り大泉IC周辺約0.4kmになります。架設に影響がない関越道の練馬ICや関越道と外環道のランプは通行できます。
今回の架設は、4ヶ月前に行われた東京外かく環状道路 大泉JCT(Aランプ第二橋)橋梁架設(2018年7月)の続きになります。関越道の新潟方面から外環道の東名JCT(仮称)方面へ流入する際に通行するランプになります。
資料:東京外環プロジェクト
橋桁は送出し工法で架設します。動力を持つ台車に、橋桁を載せて移動する工法です。移動速度が速い台車での送り出しは、今回のような作業時間に制約のある架設で多く採用されています。
建設現場の作業エリアで事前に組み立てた橋桁を、送出し装置となる台車を用いて目白通り上空を通過し、中間橋脚まで移動します。
送り出しの最終日となる2018年11月15日に取材しました。
資料:東京外環プロジェクト
Aランプ第二橋の最大支間は約116mですが、事業用地が狭く一度に組み立てることができません。そのため約1年間かけて地組みした約88mの橋桁を送り出し、背面に施工ヤードを空け用地を確保したうえで、残りの橋桁を継ぎ足して今回の送り出しとなりました。橋桁は大阪で製作し分割して移送した後、大泉ICの南側施工ヤード内で地組みしました。
東名JCT側です。
橋脚の上部にエンドレス滑り装置を設置して、橋桁を油圧ジャッキで押し4夜間かけて約100m送り出します。
大泉JCT方面です。
橋桁の先には、手延機と呼ばれる簡易的な橋桁に似た部材が備わっていて、120tオールテレーンクレーンが吊上げています。手延機は中間橋脚に到達させて重量の安定を保つ役割を持ち、橋桁が所定の位置となる橋台まで送り出されると役割を終えて解体されます。手延機の重量は約95t、橋桁の重量は約495tです。
橋桁がほぼ所定の位置まで送り出されました。
微調整などを経て、通行止の時間内にこの日の橋梁架設は完了しました。翌日より12月の6夜間で橋桁を降下する作業へと移ります。
写真は上から、Aランプ第二橋の架設前、2018年7月の架設後、この日2018年11月15日の架設後です。
Aランプ第二橋が完成した後、5年後の2023年を目処にCランプ第一橋を架設します。
■工事の概要
工事名:東京外かく環状道路 大泉ジャンクションCランプ第一橋(鋼上部工)工事
工事費:約27億4500万円(税込)
発注者:東日本高速道路株式会社 関東支社
受注者:株式会社横河ブリッジ
公式:東京外環プロジェクト