レインボーブリッジ開通30周年 主塔登頂ツアー

首都高(首都高速道路)

 レインボーブリッジは首都高速11号台場線・臨港道路・新交通システム(ゆりかもめ)の複合施設で、東京ベイエリアと都心部をつなぐ吊橋です。レインボーブリッジが開通してから30周年を迎えることを記念し、首都高速道路は各種イベントのひとつとして「レインボーブリッジ主塔登頂ツアー」を2023年8月26日に開催しました。

 ツアーはレインボーブリッジ開通30周年特設サイトで参加者を募集。応募期間の8日間で定員24人に対して1,753人もの応募があり、73倍の応募倍率となりました。参加者は通常立ち入ることができないレインボーブリッジの主塔に登頂できます。15年前の2008年には「レインボーブリッジ開通15周年」として、一般向けにレインボーブリッジ主塔登頂が行われました。

 午前の部と午後の部に分かれて招かれた参加者は、レインボーブリッジの芝浦側に集合します。

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 映像でレインボーブリッジの歴史や構造など説明を受けます。

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 1987年1月着工、1993年に竣工し、着工から6年半の1993年8月26日に開通しました。二階建て構造で、上部は首都高速11号台場線、下部は中央に新交通システム(ゆりかもめ)、その両側には一般道路と歩道が通っています。

photo設計時に風のシミュレーションを行った縮尺1/70の風洞実験用模型

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 芝浦側と台場側にそれぞれアンカレイジと呼ばれる平面寸法45m×70mの橋台を設置し、主塔から張られたケーブルをアンカーフレームに固定しています。主塔と主塔にメインケーブルを張り、道路となる桁をハンガーロープで吊っています。芝浦側の主塔と台場側の主塔との間を中央径間、それぞれの主塔とアンカレイジとの間を側径間と呼びます。橋長798m、中央径間570m、側径間114m、塔の高さは海面から126mです。

photoレインボーブリッジの断面図 資料:首都高速道路

 着工当時は「東京港連絡橋」と呼ばれていました。船が東京港を横断するため橋の下に高さ50m、幅500mの航路を確保する必要があり、羽田空港に近いため高さを155m以下にしなければならないという空域制限などの制約を受けた結果、吊橋形式で造られました。

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 レインボーブリッジの基礎は海面下46mの軟岩の上に構築する必要があるため、ニューマチックケーソン工法を採用しました。空のコップを逆さまにして水の中に入れると、コップの中に水が入ってこないという原理を利用した工法です。ケーソンと呼ばれるコンクリートの箱に作業室を設け、空気の圧力を上げて地下を掘りケーソンを少しずつ沈めると同時にケーソン上部に壁をつくり、海面下46mまで基礎を構築します。

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 ケーブルは、1本あたり素線127本からできた「ストランド」と呼ばれるケーブル素線を中央径間で127束、側径間で130束使用しています。

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 路面には、ローリング・リーフ式道路伸縮装置が備わっています。

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 登頂するレインボーブリッジの主塔の下へ移動します。

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 主塔を昇降するエレベーターは最大で4人しか乗ることができないため、レインボーブリッジを一望できる芝浦南ふ頭公園で順番を待ちます。

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 記念撮影用パネルが用意され、参加者はレインボーブリッジをバックに記念写真を撮ることができます。

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 階段を上がりハッチをくぐって、狭隘なエレベーターに3分ほど乗ります。

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 さらに階段を上り、主塔の上部へ移動しました。

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 東側、東京ベイエリアを一望します。主塔から張られたケーブルや、道路となる桁を吊るハンガーロープを確認できます。

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 台場側の主塔から先は大きくカーブしています。遠方にはゲートブリッジが見えます。

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 豊洲市場です。

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 西側、都心部を眺めます。

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 ゆりかもめが走行しています。

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 東京タワーの周辺では、麻布台ヒルズなど開発が活発に進んでいます。

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 南側には、航路を挟んで東京港トンネルの坑口があります。

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 レインボーブリッジ主塔登頂ツアーの終了後、参加者には開通30周年記念ロゴマークのマグカップが進呈されました。

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 登頂を終えた参加者には一様に笑顔が広がっていました。
 レインボーブリッジは、東京の景観を代表する都市の発展に欠かせない存在として今後も維持されます。

公式:レインボーブリッジ開通30周年特設サイト | 首都高速道路