横浜ベイブリッジ開通35周年・鶴見つばさ橋開通30周年 親子クルージングツアー

首都高(首都高速道路)

 横浜ベイブリッジと鶴見つばさ橋は、首都高湾岸線の一部を構成する橋梁です。横浜ベイブリッジが開通から35周年、鶴見つばさ橋は開通から30周年を迎えることを記念して、首都高速道路株式会社は「親子クルージングツアー」を2024年8月17日と20日に開催しました。

 横浜ベイブリッジは1980年11月に着工し1989年9月27日に開通、鶴見つばさ橋は1987年11月に着工して1994年12月21日に開通しました。開通直後の通行量は1日あたり横浜ベイブリッジ約3万台、鶴見つばさ橋約5万台でしたが、現在は横浜ベイブリッジ約9万台、鶴見つばさ橋約10万台になっています。

photo周辺地図 資料:首都高速道路

 今回のツアーは夏休み中の小学校3年生〜6年生と保護者が対象。首都高速道路の公式サイトで参加者を募集し、17日は4組11名が参加しました。

 今回の親子クルージングツアーは新港さん橋(ハンマーヘッドのりば)を出航して、鶴見つばさ橋と横浜ベイブリッジの橋下を通り新港さん橋へ戻る約1時間20分の乗船になります。横浜ベイブリッジは一般的なツアーで橋を直下から見ることができますが、鶴見つばさ橋は下を通過することが稀なため、貴重な機会になります。

photo親子クルージングツアーのルート 資料:首都高速道路

 15時、参加者はハイドロびんごに乗船します。横浜ベイブリッジクルーズとして土日祝限定で運航しています。

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 出航してしばらくすると大黒大橋が見えてきました。横浜市鶴見区の大黒町と大黒ふ頭を結ぶ大黒橋通りの橋梁で、隣接して首都高速神奈川5号大黒線が通っています。

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 大黒大橋をくぐりました。南側には首都高速神奈川5号大黒線の大黒PAを確認できます。

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 鶴見つばさ橋に近づきます。鶴見つばさ橋は全長1,020m、幅員30.00m(全幅)、中央径間510mの3径間連続斜張橋(1面吊り、1層構造)です。

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 主塔の高さは海面から183mあります。1面吊り斜張橋としては世界最大規模です。

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 名称は一般公募により決定しました。寄せられた応募は約12,000通にも及び、名称が決まるまで8回もの選考が行われました。「横浜マリンブリッジ」などの名称が候補に挙げらましたが、鶴見という地域を表現していること、付近の羽田空港と合う翼のイメージ、新しい時代に向けて羽ばたいていく展望などから鶴見つばさ橋が採用されました。

 普段見ることができない角度からの鶴見つばさ橋に、参加者は歓声を上げていました。

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 夜間は、毎20分から30分までと毎50分から正時までの各々10分間、主塔の先端部約60mを緑色(エメラルドグリーン)にライトアップします。

 1987年11月に着工した鶴見つばさ橋は、架橋地点の地盤が厚い洪積層で良好な地盤条件でした。現場条件からエ期短縮や経済性等を考慮した施工方法を検討し、基礎構造については鋼殻を用いたフローティング工法によるニューマチックケーソンを採用しました。

photo鶴見つばさ橋の着工 提供:首都高速道路株式会社

 上部工事は、工程短縮に有利かつ鶴見航路の航行船舶への影響が少ない張り出し式架設を採用しました。プレキャスト工法を採用、架設ブロックをできるだけ大きなものとして、添接部以外は塗装を工場で行い工期短縮を図りました。

photo鶴見つばさ橋の直下吊り張出し架設 提供:首都高速道路株式会社

 鶴見つばさ橋から横浜ベイブリッジへ移動するまでの時間に、船内ではクイズ大会が催されました。参加者は挙手により回答します。

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以下のような問題が出されました。挑戦してみましょう。(回答は記事の最後にあります)
【第1問】首都高速道路はぜんぶで何kmでしょうか?
 ①126km ②327km ③528km
【第2問】首都高は何年前に開通したでしょうか?
 ①約100年前 ②約60年前 ③約20年前
【第3問】首都高の最初の料金はいくらだったでしょうか?
 ①500円 ②100円 ③50円
【第4問】首都高の標識にはある工夫がされています。それは何でしょうか?
 ①どこから光を当てても反射して戻ってくる
 ②気温によって色が変わる
 ③いざという時、食べられる!?
【第5問】横浜ベイブリッジがライトアップした後の色は何色?
 ①青&白 ②金&銀 ③虹色
【第6問】横浜ベイブリッジの主塔の高さは海面からどれくらいでしょうか?
 ①約296m(横浜ランドマークとほぼ同じ)
 ②約175m(クイーンズスクエアとほぼ同じ)
 ③約106m(横浜マリンとほぼ同じ)
【第7問】鶴見つばさ橋と横浜ベイブリッジどちらが長い?
 鶴見つばさ橋 横浜ベイブリッジ

 横浜ベイブリッジと横浜の街並みが見えてきました。キリンと呼ばれる横浜港のガントリークレーンも視界に広がります。

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 横浜ベイブリッジに近づきます。主塔の橋桁下には円形の展望施設スカイラウンジを設置しています。スカイラウンジは一般に開放されていて、土日祝の11時~18時に大黒ふ頭側のスカイタワーから入ることができます。

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 横浜ベイブリッジは全長860m、幅員29.25m(全幅)、中央径間460mの3径間連続斜張橋(2面吊り、2層構造)です。

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 主塔の高さは海面から175mあります。開通当時世界最大であった高さ52mの豪華客船「クイーンエリザベス2」が通過できるよう、海面から55mの高さを確保しました。上下2層の道路橋になっていて、上層は高速湾岸線、下層は国道357号が通っています。国道357号は2004年4月に開通しました。

 名称は1964年に計画した際、横浜市が名付けました。建設時には「横浜航路横断橋」や「横浜港横断橋」という名称で呼ばれていたこともありますが、当初の名称である横浜ベイブリッジを採用しました。

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 夜間は、264灯の投光器で主塔部分をライトアップします。定時に主塔上部の色を変えて時刻を知らせていて、通常は日没から24時まで点灯、毎20分から30分までと毎50分から正時までの各々10分間は主塔の先端部約40mを青色に照らします。

 1980年11月に着工した横浜ベイブリッジは、架橋地点の支持層が深く急傾斜で、航行船舶が多い横浜航路を横断するなどの厳しい条件が揃っていました。工事の安全、早期開通、経済性を実現するため、新しい技術を開発しながら建設が行われました。

photoベイブリッジの中央径間桁架設 提供:首都高速道路株式会社

 下部工事では支持層が深く従来工法では工事が困難なため、アーム式水中掘削機と称するトンネル掘削用大口径掘削機を縦型に改良しました。また、構造部材をあらかじめ工場で製作し現場へ移送することで、建設工事の工事安全や作業の効率化に貢献しました。上部工事では側径間を2ブロックに分け大型クレーン船で一括架設、中央径間はケーブルを貼りながら主桁を徐々に伸ばす片持式架設工法で架設しています。

photoベイブリッジの主塔下部架設 提供:首都高速道路株式会社

 首都高では今回の開通周年を記念してロゴやTシャツなどをつくり、盛り上げています。

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 首都高速道路株式会社は今回のイベントに際して「横浜ベイブリッジが開通から35周年、鶴見つばさ橋が開通から30周年を経過し、これまでのお客さまのご支援・ご協力に改めて感謝申し上げる。今後とも首都高の事業についてより深いご理解とご支援をお願いしたい」とコメントしています。

(クイズの答え)
【第1問】②327km
【第2問】②約60年前(1962年に開通)
【第3問】③50円(首都高速道路初の路線京橋─芝浦4.5kmの通行料金)
【第4問】①どこから光を当てても反射して戻ってくる
【第5問】①青&白(ちなみに鶴見つばさ橋は緑&白)
【第6問】②約175m(クイーンズスクエアとほぼ同じ)
【第7問】答えは記事の中にあります