首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう

 横浜北線

首都高講座は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学できるイベントです。
2011年11月11日、34限目の「横浜環状北線の建設状況を学ぼう」が行われました。

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「首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう」では、横浜環状北線の建設現場でトンネル建設について学びます。

横浜環状北線の新横浜たて坑の建設現場へ集合、14時より開始となります。抽選に応募して当選した18歳以上の約20名が参加しました。
見学の参加者には、資料・ヘルメット・軍手・防塵マスク・レシーバーが用意されています。まずは、工事における概要の説明を受けます。

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首都高速道路の横浜環状北線は、横羽線の生麦JCT(なまむぎジャンクション)と第三京浜道路の横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)を結ぶ、約8.2kmの自動車専用道路です。
横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側に位置することから「きたせん」とも呼ばれています。

2017年3月に「[K7]高速神奈川7号 横浜北線」という名称で開通します。
横浜北線の延長線上には、東名高速道路と接続する横浜環状北西線も予定されています。

横浜環状北線のトンネルを掘るために、「シールド機」と呼ばれる巨大な円筒形の掘削機が使われます。延長約8.2kmの約7割がシールド機によるトンネル構造です。

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シールド機は、最大級といわれる外径12.49m、長さ11.5m、重さ1,500トン。高さは3階建てのビルと同じくらい、重量はジャンボジェット機の約7.5倍ほどもあります。
シールド機を使うことにより、地上を掘り起こす必要がなくなります。家屋の移転は少なくなり、周辺環境を保全することができます。

先端のカッターディスクで前面の土砂を掘削すると同時に、トンネルの壁面となるセグメントというパーツをリングにして組み立てながら、組み上がったセグメントを足がかりにしてジャッキの力で前へと進みます。

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トンネルは、新横浜たて坑から子安台換気所までの約5.5kmを、「ナッピー号」「コッピー号」と名づけられた2機のシールド機が同時に、止まることなく掘削していきます。ナッピー号は外回り(生麦行き)のトンネル、コッピー号は内回り(港北行き)のトンネルをつくります。愛称は一般公募により選ばれました。

階段で地下へと移動します。

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たて坑の最下部が見えてきました。

新横浜たて坑の地下約30m、シールド機が発進していった箇所となります。

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2010年7月23日に行われた「首都高速道路 メルマガ講座 横浜環状北線(きたせん) 新横浜たて坑」では、ほぼ同じ箇所で、組み立て途中のシールド機を見ることができました。

たて坑の開口部の上には建設ヤードがあり、トンネルをつくるための資材や機材の搬入および搬出をしています。シールド機は神戸の工場でつくられた後、分解して2日間かけて新横浜たて坑まで運ばれ、再び組み立てられトンネルを掘り進めています。

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掘られたトンネルは「床版」という板で上下に区切られ、上はコンクリートで舗装されて道路となり、下は避難通路となります。

シールド機が掘り進んだトンネルは「シールドトンネル」と呼ばれます。断面は円形になっています。

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反対側を見てみます。地上に穴をあけて、コンクリートを埋め込んでつくられたトンネルで、「開削トンネル」と呼ばれます。断面は四角形になっています。

ナッピー号が掘り進んでいる、トンネルの工事用の通路を歩きます。左側には、トンネルを上下に分ける床版が敷かれています。

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壁に、たて坑からのリングの数を示す「数字+R」という表記がされています。30R=30リング、1リングは約2mなので、ここは横浜たて坑から60mの地点ということになります。

床版がない箇所へ着きました。振り返ると、床版台車により床版が組まれています。

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同じ箇所では、床版が載るための施工がされています。

トンネルを掘り進めるための、様々な台車があります。セントル台車1が稼働しています。セントル台車とは、掘削したトンネルの壁面にコンクリートを打設するための、走行式の型枠です。

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先には、セントル台車2が稼働しています。トンネルの下部にはレールが敷かれ、セグメントを搬送するための台車が走ります。

ところどころで壁に、地上部分での位置の表記がされています。約4m上には、横浜市営地下鉄あざみ野行きが通っています。

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先へ進みます。約23m上には、新横浜大橋が架かる位置となります。

色が異なる箇所では、使われているセグメントの材質が異なっています。ほとんどの箇所ではコンクリート製のセグメントが使われ、換気所や分合流部など一部の箇所では鋼製セグメントが使われます。この個所には新横浜換気所がつくられる予定となっています。

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鉄筋を施工するための鉄筋台車が稼働しています。

新横浜たて坑から500リング目、約1kmの地点となります。

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メンテナンス台車が稼働しています。

発進たて坑より約1.7km歩いて、掘削を続けるシールド機、ナッピー号に到着しました。

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地上では、JR東海道新幹線と東急東横線の間くらいの位置となります。

シールド機の中へと入っていきます。

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トンネルの上部に設置されている巨大な緑色のダクトの先からは、絶えず新鮮な空気が送り込まれています。

シールド機の後部から、歩いてきた発進たて坑の方向を見ます。セグメントが搬送されてきました。

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台車に乗せられたセグメントは、シールド機の下を通り、前部へと送られます。

シールド機の先端では、約500個のカッタービットと呼ばれる歯で構成された「カッター」を回転させて土を掘りると同時に、「エレクター」によってセグメントが組み立てられ、トンネルの壁をつくっていきます。

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出された土は「スクリューコンベア」で地上を通り鶴見川の対岸まで送られ、土砂搬出構台でダンプトラックに積み替え大黒中継所まで高速経由で運搬し、横浜市港湾局の南本牧埠頭の埋め立てで再利用されます。一日あたり500台〜600台のトラックで運ばれます。

歩いてきたルートをそのまま戻り、今度は地上にある建設ヤードへと移動します。

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トンネルを施工するために必要な、様々な資材や機材がストックされています。

トンネルの床部材となる床版が積まれています。

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トンネルの壁部材となるセグメントが積まれています。「SFRCセグメント」と呼ばれ、通常のセグメントと比較して、鋼繊維(Steel Fiber)を混ぜることにより耐久性が向上、ポリプロピレン繊維(PP)を混ぜることで耐火性が向上するなど、様々なメリットがあります。1枚当たりの重さは約9トン、全部で5,000リングを製作する予定となっています。

たて坑の開口部の下には、先ほど下から見上げたたて坑の最下部があります。開口部を通して、資材や機材の搬入および搬出をしています。

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セグメントが次々とシールド機へ搬入されていきます。

シールド機を遠隔で操作や調整する中央制御室となります。現場は無人ではなく、エレクターを操作する人、後方から運んできた材料を前に送り出す人など、常時10数名のクルーが中に入っています。

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シールド機のナッピー号とコッピー号はそれぞれ、1ヵ月間で約240m進み、約2年間で新横浜たて坑から子安台換気所まで到着する予定となっています。

ここにて「首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう」は終了となります。

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横浜環状北線の開通により、新横浜と羽田空港との移動は10分短縮の約30分、新横浜と鶴見との移動は15分短縮の約15分となります。広域的な交通利便性が向上、新横浜都心・京浜臨海部などの活性化、生活環境の改善など、さまざまな効果が見込まれています。