蒲田立体は、南蒲田交差点で国道15号を環状8号の下にトンネルを通す、立体交差の道路。南蒲田交差点にある、インフォメーション施設「なんかまふれあい館」を集合場所として、「蒲田立体建設現場見学会」が開催されました。
渋滞解消と環境改善をめざし、東京都・大田区・京浜急行が行っている連続立体事業と連携しながら工事が進められています。
南蒲田交差点は、国道15号と環状8号が平面で交差している交通量の多く、京浜急行空港線および京浜急行本線の2箇所の踏切が近接しているため、慢性的な渋滞が発生。周辺地域を含めて交通混雑や環境の悪化を招いています。
建設現場を見学する前に、現在、進められている「道路見える化計画」についての概要が説明されます。
見える化とは、課題を「見える」ようにし、最適なやり方で重点的に解決すること。道路だけでなく、様々な業界業種で進められている方法です。
インフォメーション施設で工事についての説明をわかりやすく展示するだけでなく、建設現場の壁をアクリルにすることで中を見えるようにしたり、地下の現場をモニタで表示したり、看板の視覚化をはかったりと、様々な方法で「見える化」が行われています。
実際に進められている現場を見学するため、地下へと移動します。
国道15号を環状8号の下を通して地下による立体化は、約0.5km。交差する63mのトンネル部分については、掘削範囲をB1からB6までのブロックに分けて、工事が進みます。
地上を走る国道15号は、工事にあわせて、川の流れのように位置を移動させています。
計画や測量等の準備作業、トンネルをつくる深さまで掘る作業、掘った場所に土砂が崩れてこないように鉄製の突っ張りを設置する作業を経て、現在は、トンネルとなるコンクリート構造物をつくる作業、土砂の崩壊を抑えていた必要のない鉄製の突っ張りを撤去する作業が進んでいます。
現在の作業が終了すると、完成したトンネル上部の舗装を行う作業を行い、完成となります。準備から完成までは約2年、かかるとのことです。
組まれている鉄筋を見ると、緻密な計算の上に工事が進められていることがわかります。
蒲田立体が完成すると、「交差点通過時間をゼロに」「遠藤環境を改善」「新しい街づくりと連携」「抜け道通過車両が減少」など、多くのメリットが生まれます。
着実に進む現場を見て、工事の意義を理解することができました。
「見える化」を取り入れ、積極的に建設現場を見せることは、地域の理解を得るためにも非常に有効な方法だということがわかりました。