首都高速中央環状新宿線(山手トンネル) 代々木換気所 プレミアム見学会
中央環状新宿線は、3号渋谷線(大橋JCT)・4号新宿線(西新宿JCT)・5号池袋線(熊野町JCT)を山手トンネル(やまてトンネル)で結ぶ、延長約11kmの首都高速道路。プレミアム見学会として「中央環状新宿線 代々木換気所」の現場見学会が開催されました。

山手通りの地下では、山手トンネルと呼ばれる中央環状新宿線の工事が進んでいます。
山手通りでは中央分離帯に、高い塔を見ることができます。トンネルの中の空気を入れ替えるための塔で、その地下には「換気所」と呼ばれる施設がつくられています。
中央環状新宿線では、約1.0km~1.5kmごと、9箇所に換気所がつくられています。その中のひとつ「代々木換気所」は、首都高速道路の3号渋谷線と4号新宿線の間、小田急小田原線代々木八幡駅のそばにあります。大きさは約190m、幅40m。富ヶ谷出入口付近から西新宿JCTの南側の約1kmの換気を受け持ちます。開通後は三宅坂にある施設から遠隔操作をされることになっています。
2本ある塔の間に、階段があります。

階段を下りて、地下にある換気所へと向かいます。
換気所の内部へと到着しました。まずは、20分ほどの概要説明となります。
山手トンネルと呼ばれる首都高速道路の中央環状新宿線は、3号渋谷線(大橋JCT)・4号新宿線(西新宿JCT)・5号池袋線(熊野町JCT)の延長約11kmを結びます。約11kmすべてが、山手通りに沿った地下約30メートルの、片側2車線のトンネルとなっています。

4号新宿線(西新宿JCT)と5号池袋線(熊野町JCT)とを結ぶ約7kmは、2007年(平成19年)12月に開通。現在は、3号渋谷線(大橋JCT)と4号新宿線(西新宿JCT)とを結ぶ約4kmの工事が、2010年度(平成21年度)の開通を目指して進められています。

(首都高速道路 - 中央環状線 C2インフォメーションセンターウェブサイトより引用) クリックすると拡大します
トンネルは、「シールドマシン」と呼ばれる巨大な筒型の機械で掘り進められました。「立坑」と呼ばれる縦穴を掘った後、シールドマシンで横穴を掘ります。筒型のシールドマシンで掘り進めるので、完成したシールドトンネルは筒状になります。
シールドマシンで掘る「シールド工法」は、地上から土を掘り下げる「開削工法」と比べて時間やコストを大幅に抑えることができます。
シールドトンネルの途中に出入口をつくる際には、「セグメント」と呼ばれる壁の一部を撤去して、地上からの四角い構造体「躯体(くたい)」と連結する「切開き工法」がとられました。
切開き工法は、出入口となる箇所を慎重に掘削することから始まります。
掘削を完了すると、筒状のシールドトンネルを外から見ることができます。
躯体を連結する箇所のセグメントを切断します。
山手トンネルは内回りと外回りの2本あるため、それぞれを切断することになります。
シールドトンネルと躯体とが連結した際の断面図となります。
切開き工法で造られたトンネルの出入口付近です。筒状のトンネルの右側に、四角い躯体が連結しています。
説明を受けた後は、換気所の設備を見ることにします。
トンネルは自動車が走行するため、空気を入れ換える「換気」をするための設備が必要になります。トンネルの中に新鮮な空気を送ったり、走る自動車から出る排気ガスをトンネルの外へ出したり、また、万が一に発生した火災の煙を排出するための役割を担う施設が「換気所」になります。
実際の空気の流れにそって、設備を見ていくことにします。まずはトンネルの中に新鮮な空気を送るための「給気」です。
地上に設置された、高さ5mの四角い「給気塔」から入った空気は、換気所のある地下へと取り込まれます。
湾曲した鉄板「整流板」により、空気は整えられ方向を変えて流れます。

空気は少ない抵抗で曲がり、「消音装置」を通ります。
消音装置は、いくつもの筒状の吸音材で構成されています。
消音装置を通過すると、巨大な「換気ファン」により空気が取り込まれます。換気ファンから発生する音を、消音装置で規制基準値以下に低減します。
人と比較すると、換気ファンの大きさがわかります。鳥やゴミを巻き込むことがないように網が張られています。1分間に約800回転するとのことです。
換気ファンは横から見ることができます。手前と奥、合計2台が使われます。
空気は道路の下の「送空ダクト」を通り、道路へと送られます。
自動車から出る排気ガスは、「送空口」からの空気によって薄められます。
実際の空気の流れにそって、設備を見ていくことにします。次はトンネルの中の排気ガスをきれいな空気にした後に外へ送るための「排気」です。
トンネルの上の「排気口」から取り込まれた排気ガスは、道路の下の「排気ダクト」を通り、換気所へと集められます。排気ガスはまず、「SPM除去装置(電気集じん機)」を通ります。

SPM除去装置がある部屋は、設備の清掃を行う際に片方を停止しても、もう片方は稼働し続けることができるために、2つに分かれています。
ディーゼルエンジンの排気ガスなどに含まれる、粒径が10ミクロン以下の非常に小さい粒状物質「SMP(浮遊粒子状物質)」が80%除去されます。
SPM除去装置を通過すると、巨大な換気ファンにより空気が取り込まれます。
換気ファンは横から見ることができます。手前と奥、合計2台が使われます。
先ほど見た給気のための青色に塗られた2台の換気ファンと、排気のための黄色に塗られた2台の換気ファン、合計4台が備わっています。
換気ファンを通った排気ガスは、「低濃度脱硝装置」を通ります。
車の燃料であるガソリン・軽油の燃焼により生じた一酸化炭素が酸化された「二酸化窒素」が90%以上除去されます。
低濃度脱硝装置を通ることで、ペレット状の脱硝材に二酸化窒素が吸着します。
低濃度脱硝装置には「吸収式」と「吸着式」があります。山手トンネルの要町・上落合・中落合・東中野の4箇所の換気所では吸収式を採用、本町・西新宿・代々木・神山町・大橋の5箇所の換気所では吸着式が採用されています。吸収式と吸着式に大きな性能の差はないとのことです。
換気ファンの音を小さくするため、消音装置を通過します。装置を通ることにより騒音は規制基準値以下に低減、静かな公園および図書館の室内程度になるとのことです。

集められた排気ガスは環境基準を充分に満たした空気に浄化され、地上部の高さ45m、地下15m、合計60mの「排気塔」から吹き上げられます。
換気塔の真下から見上げると、換気塔が六角形であることを確認することができます。六角形の一辺は3mあります。
きれいになった空気は、毎秒約10m(時速約36km)の速さで約100mの高さまで上り、拡散されます。

排気塔から排出された二酸化窒素は環境基準と比べて数百分の一以下となり、地表付近への影響は非常に小さくなります。
換気塔のデザインにも相当な配慮がなされています。
・圧迫感のないデザイン
・周辺景観と調和したデザイン
・時の移り変わりに配慮したデザイン
という3つの設計方針のもと、造られました。
以上の設備が内回りと外回りの両方に備わっているため、換気塔は2本存在します。
地下約30mの高速道路の本線へと移動します。途中のダクト階には電気系統の配線を見ることができます。
高速道路階に着きました。
写真の中央にある扉から出ると、高速道路の本線となります。
内回りと外回りがつながっている箇所となります。4号新宿線(西新宿JCT)から3号渋谷線(大橋JCT)方面へと向かう、内回りを歩きます。
4号新宿線(西新宿JCT)方面を眺めると、初台南出入口が見えました。内回りは入口のみ、外回りは出口のみのハーフICとなります。
初台南出入口付近から見る、内回りの3号渋谷線(大橋JCT)方面です。トンネルの形状を見ることで、説明を受けた切開き工法を確認することができます。
完成したときの自動車の流れに合わせて、内回りを3号渋谷線(大橋JCT)方面へと歩きます。先には富ヶ谷出入口があります。
シールド工法でつくられた筒状のトンネルと、開削工法でつくられた四角いトンネルが連結している箇所を見ることができます。
右側には平らな壁が続き、その先に扉が現れました。
火災時に使用する非常口と避難通路になる予定の箇所です。
富ヶ谷出口付近に設置される標識版のレイアウトが貼られていました。非常口の上部に付けられる予定のものとなります。
トンネルを掘ったシールドマシンは直径は約13m、重量は約2,000tありました。山手トンネル全区間のうち、約7割がシールドマシンで掘るシールド工法となっています。
消火器・泡消火栓・押ボタン式通報装置が設置される箇所で、泡消火栓を手に取ることができました。力がない人でも、楽に操作をすることができるようになっています。
泡消火栓が格納されている設備のデザインは、避難した際に進行方向がわかるよう、片側の面のみが赤色に塗られています。
富ヶ谷出入口が近づき、再び開削工法の箇所を見ることができました。

様々な作業が各所で行われています。
富ヶ谷出入口に着きました。内回りは出口のみ、外回りは入口のみのハーフICとなります。
片側1車線の出口を進むと、山手通りの東京大学駒場キャンパス付近に出ることができます。
振り返り、外回りから眺めてみます。出口は分岐のために壁となっていますが、入口は合流となるため、本線を走る車を認識しやすい柱となっています。
先は、4号新宿線(西新宿JCT)方面となります。
再び本線の内回りを歩きます。右側の壁を見ると、円筒のシールド工法の後、富ヶ谷出入口をつくるために開削工法が行われたことがわかります。
開削工法の端となります。
先には3号渋谷線と接続する、大橋ジャンクションがあります。
大型車はトンネルでUターンができないため、専用のターンテーブルが使われています。
自動車がカーブを走行する際、負荷を低減させるために傾斜が必要となります。
バンクと呼ばれる傾斜をつくるための作業が行われていました。
神山町換気所へと続く扉から、地上へと戻ります。
先は、3号渋谷線(大橋JCT)方面となります。
通路と階段を進みます。


地上部へ避難するための通路となっています。
以前、「首都高講座5限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」が行われた神山町換気所の内部へと着きました。
様々な設備を運び込むため、大きな空間が確保されています。
階段を上がり、地上へと出ます。

「首都高速中央環状新宿線 代々木換気所 プレミアム見学会」はここにて終了となります。
中央環状新宿線(山手トンネル)の整備により、首都高速道路および周辺の一般道路の交通の流れがスムーズになり、排気ガスの量が減少、大きな環境改善が期待できます。

トンネルにおける換気所は、環境を考慮した空気の入れ替えや避難するための重要な施設であるということを学ぶことができました。
案内をしていただいた現場の方々、首都高速道路の方々に、心よりお礼を申し上げます。
今後も引き続き、見学会を開催していただけることを願います。
公式:首都高速道路 - 中央環状線 C2インフォメーションセンター 関連:ラジエイト - 中央環状新宿線 神山町換気所 東中野換気所



3隻の大型クレーン船は、左から「武蔵」(3,700トン吊級)、「第50吉田号」(3,700トン吊級)、「海翔」(4,100トン吊級)。クレーンのアームの高さは約120mあります。
3隻の大型クレーン船は移動して、側径間下部トラス桁を吊り下げ、台船の上に載せます。
色彩については、以下のように決定されています。
側径間下部トラス桁を載せるための台船「オーシャンシール」(載荷重量24,000トン)です。
祝日ということもあり、多くの人が見守っています。
荷重バランスを保つため、3隻のクレーン操作には息のあった、高度な技術が要求されます。
この後、側径間下部トラス桁から吊具を切り離し、この日の作業は完了になったとのことです。
9時頃には
台船の右隣と100m後には、補助曳船が曳航します。
先頭の主曳船の船首から末尾の補助曳船の船尾までは340mあります。
東京タワーを見ることもできます。
これから架設する若洲側の側径間下部トラスが来る場所にて待機する大型クレーン船です。
台船で作業する人々の動きが慌ただしくなっています。
まるで自動車のように動きがスムーズで、驚きました。
主曳船と2隻の補助曳船が停泊しました。
側径間下部トラスは、大型クレーン船により吊り上げられ、橋桁に吊り下げられることになります。
9月28日に、側径間下部トラスは橋桁の上に載ることになります。
正面から見た、橋桁となります。
これにより、東京港臨海大橋の若洲側における海上輸送が完了しました。
7時30分頃、NHK総合で状況が中継されていました。
よく見ているとわかる早さで吊り下げられています。
多くの作業員の方々が橋桁の上でも作業をしています。
一般公開の会場となっている若洲海浜公園でも、多くの人が見守っています。
12時頃、橋桁への吊り下げがほぼ完了しました。

これにより、東京港臨海大橋の若洲側における浜出し・海上輸送・海上架設が完了しました。

左手が若洲海浜公園、右手が中央防波堤外側埋立地となります。
吊り上げられた側径間下部トラス桁は、台船に積み込まれ、海上輸送されて、右側の奥に見える中央防波堤外側埋立地の橋脚に架設されることになります。
色彩については、以下のように決定されています。
揚錨船「おやしお」(主巻定格荷重80トン)です。
10時頃、側径間下部トラス桁を載せる台船を入域させるため、3隻の大型クレーン船は約100m後退します。
13時30分頃、3隻の大型クレーン船が再び移動して、側径間下部トラス桁を吊り下げ、台船の上に載せます。
この後、19時30分頃より、側径間下部トラス桁から吊具を切り離し、この日の作業は完了になったとのことです。
この日は若洲海浜公園で一般公開が行われ、多くの人が見守っていました。
これにより、東京港臨海大橋の中央防波堤外側埋立地側における浜出し・海上架設が完了しました。

