小田急電鉄 連続立体交差事業および複々線化事業見学会

小田急電鉄

小田急電鉄では、輸送需要に対応するため、小田急小田原線の下北沢地区(東北沢~世田谷代田)で複々線化事業を進めています。
2007年11月13日、土木学会関東支部による「小田急電鉄 連続立体交差事業および複々線化事業見学会」が行われました。

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小田急電鉄は、上下線の線路を各2本ずつ、合計4本にする複々線化事業を進めています。

地上を走っている小田急線は、途中の踏切で渋滞が起こり、走っている急行は各駅停車を追い越すことができないなど、様々な問題を抱えています。線路を倍に増やし地下化することで、快適な輸送サービスを実現しようとする事業が連続立体交差と複々線化です。

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見学の箇所は、小田急小田原線と環状七号線とが交差する部分です。

複々線化にともない、小田急線は環状七号線の上部から下部へと移動します。環状七号線の下で、線路の本数を2倍にし、地下化をするための工事が進んでいます。

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環状七号線の両側で、たて坑と呼ばれる縦の穴が掘られ、道路の下に箱型トンネルがつくられています。

まず、環状七号線の外回り側(小田原側)に完成している発進基地から、地下へ下ります。階段を使って約20m下りると、環状七号線を横断する箱型トンネル推進工の現場が広がっていました。

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道路の下の地盤を固める地盤改良工が行われた後、上下にある水道管などを損傷させないよう、たて坑から鋼製のパイプを押し込んで仮のトンネルをつくる箱型ルーフ工が行われました。

現在は、セグメントと呼ばれるトンネル本体となる部材をたて坑の中で組み立てて、箱型ルーフと入れ替えるように地中へ押し込む箱型トンネル推進工が進んでいます。

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箱型トンネルは推進延長が約41mあり、幅約12m、高さ約8m、厚さ約1.5mのセグメントを30リング使用します。環状七号線の地下は、30個もの四角い枠でトンネルが組まれることになります。

次に、環状七号線の内回り側(新宿側)で工事が進んでいる到達基地へと向かいます。

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階段を使って地下へ下りると、上部には小田急線が走り、下部では工事が進んでいました。

交通量が多い環状七号線での工事を最小限にするため、トンネル推進工となりました。また、道路の下にあった豊富な地下水により道路は陥没などを起こす可能性があったため、高い精度が要求される難しい工事となっています。

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「小田急電鉄 連続立体交差事業および複々線化事業見学会」はここまでとなります。

複々線化が完了すると、朝のラッシュ時間帯において、混雑が新聞や雑誌を楽に読むことができる程度まで緩和され、都心方面へ向かう列車の所要時間が大幅に短縮されます。

公式:小田急電鉄