首都高講座 3限目:川崎縦貫線大師ジャンクション

 川崎線

首都高講座は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学できるイベントです。
3限目は「川崎縦貫線大師ジャンクション」が行われました。

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「首都高講座 3限目:川崎縦貫線大師ジャンクション」では、川崎縦貫線の大師JCTについて学びます。

工事が進む大師JCTへ集合します。抽選に応募して当選した小学生親子11組23名(午前の部)と高校生以上の10組20名(午後の部)が参加しました。

首都高速道路の川崎縦貫線(かわさきじゅうかんせん)の大師JCT(だいしジャンクション)は、高速川崎縦貫線(高速神奈川6号川崎線)と高速神奈川1号横羽線を接続するための施設です。完成すると、高速神奈川1号横羽線・高速湾岸線・東京湾アクアラインが、高速川崎縦貫線によって最短の距離で結ばれることになります。

大師JCTは、二段階の併用が予定されています。大師JCTの近くで以前より併用されている高速神奈川1号横羽線の大師入口(上り線)と大師出口(下り線)は、東京方面に対する出入はできるものの、横浜方面に対しては出入ができませんでした。

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1段階目として2008年度、国道409号に面して大師入口(下り線)と大師出口(上り線)が設置され、高速神奈川1号横羽線の横浜方面との出入ができるようになります。
2段階目として2010年度、高速川崎縦貫線の浮島方面との出入ができるようになります。同時に、高速神奈川1号横羽線と高速川崎縦貫線とを相互に利用することが可能になります。

説明を受けた後、工事が進む大師JCTを歩きます。

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関係者以外立ち入り禁止の扉をくぐり、階段を下りて地下へと向かいます。

地下の分流箇所に出ました。左への道路は2010年度に開通予定の高速川崎縦貫線の浮島方面、右への道路は今後予定されている富士見出入口方面へと分岐します。

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分流箇所を背にして、本来の車の流れとは逆の方向へ進みます。

バンクのあるカーブとともに、地上が見えてきました。

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大師入口(下り線)と高速神奈川1号横羽線から、高速川崎縦貫線の浮島方面へと向かう車が、大きく左のカーブを描きながら走行することになります。

振り返り、高速川崎縦貫線の浮島方面を見ると、バンクの大きさを実感することができます。

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巨大な大師換気所を取り囲むように道路はカーブを描きます。

地上の合流箇所に出ました。

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国道409号に面して設置される大師入口(下り線)から続く道路は右から、高速神奈川1号横羽線から続く道路は左から合流します。

高速神奈川1号横羽線から続く道路を進み、さらに上りの勾配が続きます。

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JCTの大きなループを一周歩き、地下の分流箇所のほぼ真上に来ました。
国道409号に面して設置される大師入口(下り線)と大師出口(上り線)の料金所が設置される予定の付近となります。

大師JCTの広さは約73,000平方m、東京ドームの約1.5倍以上あります。中を通る高圧線は東京電力との調整をして、電圧を下げています。

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高速神奈川1号横羽線から続く道路を、本来の車の流れとは逆の方向へさらに進みます。

ループの内側には、貯水槽が設置されています。大雨が降った際、雨水をそのまま流すのではなく、時間をかけて排水するためのものです。

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右側は高速神奈川1号横羽線の横浜方面から大師出口(上り線)へ、2010年度には合わせて高速川崎縦貫線の浮島方面へと続く道路となります。左側は大師入口(下り線)から高速神奈川1号横羽線の横浜方面へ、2010年度には合わせて高速川崎縦貫線の浮島方面へと向かう道路となります。

左側の道路における高速神奈川1号横羽線の本線を超える部分は、大師JCTでもっとも高い約21mの高さとなっています。この箇所の工事は、夜中に高速神奈川1号横羽線を通行止めにして、世界最大級の1250トン吊りクローラークレーンを使い一晩で完了しました。

大師換気所は、トンネルの中の排気ガスをきれいな空気にして、約45mの塔から上空約100mまで吹き上げ、拡散させることによって環境を守る施設です。施設はほぼ完成していて、今後は脱しょう装置や浮遊粒子状物質除去装置などが導入される予定となっています。

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多摩川に架かる主要地方道東京大師横浜(通称:産業道路)の大師橋を間近に見ることができます。

大師入口(下り線)から高速神奈川1号横羽線の横浜方面へと続く道路を、本来の車の流れとは逆の方向へ進みます。

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振り返り、高速神奈川1号横羽線の横浜方面を見ます。右への道路は高速神奈川1号横羽線の横浜方面、左への道路は今後予定されている東京方面となります。
2008年度に併用される延長は、大師入口(下り線)が1.4km、大師出口(上り線)は1.0kmとなっています。

2010年度の併用が予定されている高速川崎縦貫線(高速神奈川6号川崎線)へと移動します。

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大師たて坑を、深さ約30mの地下へと移動します。国道15号へと続く富士見方面は壁となっています。

富士見出入口から大師JCTを経由して地上の殿町出入口まで、国道409号に沿って地下構造が続きます。大師JCTと殿町出入口は延長約2km、うち約540mが地下構造となっています。外寸は約24mから22.5m、幅は約28mから約26mあります。

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大師JCT付近ではトンネルが上下に二分割され、上部が浮島方面への道路、下部は富士見方面への道路となります。浮島方面へ向かうにしたがってトンネルは二分割が上下から左右へと変わっていきます。

工事は、「MMST(マルチマイクロシールドトンネル)」という工法で進められています。外殻と呼ばれる外側の壁を複数の四角い小型シールド機で掘削して、これらを相互につなぎ合わせた後、内部に土を掘削してトンネルをつくる工法です。MMSTのシールド機1機は、幅3.1m、高さ7.9m、長さ9.7m、重さ670トンです。

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トンネルの一方には、ライフラインをまとめた共同溝が設置されます。上から電話・電気・上水・工業用水・ガス・換気ダクトとなります。

高速川崎縦貫線の浮島方面へと移動します。左側には共同溝のスペースが確保されていることがわかります。

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殿町出入口が近づくにつれて、地上へのこう配が続きます。次第に上部に道路、下部に共同溝となっていきます。

地上と移動します。ここにて「首都高講座 3限目:川崎縦貫線大師ジャンクション」は終了となります。

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川崎縦貫線の開通により、渋滞緩和、経済力強化、防災力強化、環境改善など、さまざまな効果が見込まれています。

公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座