首都高速道路会社では毎年、冬季の積雪や凍結対策について安全祈願祭と出陣式を実施しています。
2017年11月28日、東京都江東区の新木場補修基地で「積雪・凍結対策 安全祈願祭・出陣式」が開かれ、報道機関に公開されました。
冬季になると、積雪や凍結で路面が滑りやすくなり、事故を招く恐れがあります。安全に運転できるよう、首都高速道路では塩水散布による凍結防止対策や除雪・排雪作業を実施しています。
会場は、新木場駅から徒歩約20分の、首都高速湾岸線の高架下にある新木場補修基地となります。
補修基地は、主に首都高速道路のメンテナンスを担う施設です。
10時30分、虎ノ門金刀比羅宮の神主により安全祈願祭が開式となりました。
開式の辞として、修祓(しゅばつ)、降神の儀(こうしんのぎ)、献饌(けんせん)、祝詞奏上(のりとそうじょう)、切麻散米(きりぬささんまい)/車両清祓(しゃりょうきよはらい)、玉串奉奠(たまぐしほうてん)、撤饌(てっせん)、昇神(しょうしん)と続き、閉式の辞として神酒拝戴(しんしゅはいたい)が執り行われます。
祭壇の前に首都高速道路会社と関連会社の社員代表が並びます。
切麻散米(車両清祓)が行われます。切麻をまき、車両を祓い清める儀式です。
祭壇の横には、玉串奉奠者が掲示されています。玉串奉奠は、榊(さかき)の小枝に紙垂(しで)をつけた玉串に、自分の心をのせて神にささげる儀式です。
神酒拝戴が行われます。安全祈願祭は終了となります。
引き続き、11時より出陣式が行われます。
挨拶に立ったの宮田年耕社長は「首都高速道路は一日で約100万台のお客様にご利用いただいている。どのような状況でも交通を安全に保っていく」と話しました。
続いての三原真一東京東局長の決意表明、首都高メンテナンス東東京の笹子義勝氏の決意表明がなされました。
首都高速道路の関連各社が保有する積雪凍結対策車両によるパレードが始まります。
■交通パトロールカー
24時間体制で定期的に巡回し、障害物の発見など安全を確保します。
■小型レッカー車
事故や故障で動けなくなった車両を移動します。
■塩水散布車
凍結防止用の塩水を散布します。塩水を10キロリットル搭載でき、散水量は1平方メートル当たり約0.1リットル程度です。
■湿塩散布車
凍結防止、融雪用に固定の塩化ナトリウムと溶液(塩水)を混合し、湿潤状態の塩化ナトリウムを散布します。塩水よりも流れにくいので、勾配のある箇所での散布に適しています。
■塩化ナトリウム散布車
凍結防止、融雪用に固定の塩化ナトリウムを散布します。散布量は、1平方メートルあたり約30グラムを標準としています。
■スイーパー
回転ブラシで雪をかくはんし、融雪を促進して凍結を防止します。塩水散布車との連携作業もあります。
■ウニモグ
豊富なアタッチメントを装着できる、多目的作業車です。前部にプラウを装着し、除雪と融雪・凍結防止の複合機能を備えています。
■ショベルカー
ダンプカーとともに、除雪します。
■標識車
最後尾に配属し、作業の安全確保などを担います。後方の表示板は作業内容に応じて表示できます。積雪凍結対策中は「雪氷対策実施中」と表示します。
閉式となります。
ここにて「首都高速道路 積雪・凍結対策 安全祈願祭・出陣式」は終了となります。
三原東京東局長は次のように意気込みを語りました。
「2012年の大雪の時、首都高速道路では多数の車両が立ち往生して、70時間もの通行止めを行った。以来5年間で、夜間作業班の増班、凍結防止剤の散布車両の増車、塩水プラントの増設など、初動体制を強化してきた。今年度は南岸低気圧の接近が予想されているので、降雪が予想される48時間前をめどに除排雪作業班を確保するなど、初動体制を速やかに構築したい」。