中部横断道(E52中部横断自動車道)は、静岡県静岡市を起点に山梨県甲斐市を経由して、長野県小諸市に至る延長約132kmの高速自動車国道です。
2019年2月17日、中部横断道の一部となる新清水JCT(しんしみずジャンクション)─富沢IC(とみざわインターチェンジ)の開通に先立って「中部横断自動車道静岡県内区間開通記念 新清水ジャンクションを歩こう!」が行われました。
中部横断道が全線開通すると、東名高速(E1東名高速道路)と新東名(E1A新東名高速道路)、中央道(E20中央自動車道)が結ばれ、産業や観光の活性化など様々な効果が期待されています。
新清水JCTから中央道の双葉JCTまでの開通状況は以下の通りです。
・新清水JCT─富沢IC(20.7km):
2019年3月10日16時30分開通 NEXCO中日本施工区間
・富沢IC─南部IC(6.7km):
2019年夏頃開通予定 国土交通省施工区間
・南部IC─下部温泉早川IC(13.2km):
2019年度開通予定 国土交通省施工区間
・下部温泉早川IC─中富IC─六郷IC(8.4km):
2019年3月10日16時30分開通 国土交通省施工区間
・六郷IC─双葉JCT(25.3km):
開通済み NEXCO中日本施工区間
会場となる静岡市清水区吉原の新清水JCTには、事前に申し込んだ約2千人が集まりウォーキングを楽しみました。主催は静岡市、中部横断自動車道整備促進静岡県中部地域協議会です。
9時、静岡市消防音楽隊の演奏とともに開会式が始まりました。
地元小学生3名の司会で進みます。美濃部雄人静岡市副市長は「今回のイベントは大切な思い出になる。開通直前の道路を楽しんで歩いてほしい」と挨拶しました。
ウォーキングのテープカットが行われます。
「初めのいーっぽ!」という元気な掛け声とともに小学生や関係者ら約50人が一歩を踏み出し、ウォーキングがスタートしました。
開放されたA、B、Cの3コースを、9時から14時まで自由に歩くことができます。
Aコース:1.2km 新東名(下り線)から中部横断道へ向かうランプ
Bコース:1.0km 中部横断道から新東名(下り線)へ向かうランプ
Cコース:0.8km 中部横断道の本線
9時20分過ぎ、参加者が好きなコースを選んで歩き始めました。
車の流れに沿って、まずはBコースを進みます。新清水JCT Jランプ橋です。
中部横断道を南下すると着く、新清水JCTの分岐地点です。左は清水連絡路(E52新東名高速道路清水連絡路)を通る東名高速方面、右は名古屋へ向かう新東名方面となります。
開放されている新東名方面へ進みます。広がる雄大な光景に、周囲から歓声が上がります。新清水JCT Gランプ橋です。
先には清水連絡路との合流地点があり、新東名の下り線へつながります。
Bコースを500mほど戻り、A、Bコース連絡路を通ってAコースに入ります。新東名の下り線から通る、清水連絡路と中部横断道の分岐箇所があります。
左にカーブする道路は清水連絡路へ向かうランプ、右にカーブする新しい道路は中部横断道へ向かうランプです。
先ほど歩いたBコースの下を通ります。
複雑に絡み合う橋梁に、参加者はためらうことなくシャッターを切ります。歩いているのは新清水JCT Hランプ橋です。
橋梁左側は清水連絡路、右側は新東名の名古屋方面です。
撮影ポイントとして、VIEW POINT「交錯する高速道路」というパネルが掲示されています。
新東名の下り線と上り線から中部横断道へ流入する合流箇所が見えてきました。
迫力ある切土の法面(のりめん)の間を抜けていきます。
新東名と清水連絡路の合流箇所です。
ウォーキングのスタート地点に戻ってきました。
Cコースとなる中部横断道では、働くクルマの展示や地元芸能披露(太鼓披露、キッズダンス、子どもたちによる一輪車の演技)が催されています。
静岡市が所有する橋梁点検車には、参加者から抽選で12名が体験乗車できます。主に橋梁の下面を点検する2人乗りの作業車です。地震に強い橋にする耐震補強対策と、橋の老朽化や損傷を治す健全化対策の役割を担います。
2012年の中央自動車道笹子トンネル事故を受けて、道路重要構造物に対する5年ごとの法定点検が義務付けられました。静岡市では2014年度より管理する2,648橋について「見る、触る、叩く」の近接目視による点検を実施し、2017年度からは橋梁点検車を導入、老朽化した橋の追跡調査を行なっています。
NEXCO中日本の道路巡回車と中部横断道の横断幕が展示されています。
道路巡回車には乗車することも可能です。
VIEW POINT「橋のジョイント」というパネルが掲示されています。
橋の伸び縮みを吸収する伸縮装置と、橋脚と橋桁の間に設置するゴム支承を展示しています。
中部横断道は暫定片側1車線です。
富沢IC方面へ向かって、4%の上り勾配が連続します。
ウォーキングCコースの折り返し地点となります。
誤って対向車線へ車両が逸脱することを防止するため、一部区間の中央分離帯にワイヤーロープを張ります。現段階ではポールのみを確認できました。
折り返し、スタート地点の新清水JCTに向かいます。
遠方に新清水JCTのランプを臨みます。
橋梁点検車に乗り、約8mの高さから全景を眺めます。新東名が左右に走り、左側が東京方面、右側が名古屋方面となります。右側の11段ある高さ約80mの切土法面が目を引きます。
開通に向けて整備が進んでいます。
反対側となる中部横断道です。
新清水JCT─富沢ICの20.7kmは、2019年3月10日16時30分に開通します。また、下部温泉早川IC─中富IC─六郷ICの8.4kmも同時開通します。
中部横断道の開通は、静岡県ご当地ゆるキャラたちも心を躍らせています。左から駿河区「トロベー」、清水区「シズラ」、葵区「あおいくん」、NEXCO中日本「みちまるくん」です。
「中部横断自動車道静岡県内区間開通記念 新清水ジャンクションを歩こう!」はここまでとなります。
静岡市では、今回のイベントをドローンでのPR動画撮影やSNSの活用を通じて、中部横断道の認知度を上げたいとのことです。
公式:NEXCO 中日本