国道17号(本庄道路)神流川新橋 親子道路工事現場見学会

本庄道路は、埼玉県深谷市岡から群馬県高崎市新町に至る国道17号バイパスの一部です。本庄道路の神流川新橋架設現場で「国道17号(本庄道路)神流川新橋 親子道路工事現場見学会」が催されました。

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国道17号は東京都中央区から新潟県新潟市まで延長約390kmの路線で、防災上重要な第一次緊急輸送道路に指定されています。深谷バイパス、熊谷バイパス、事業中の上尾道路と一体となって、地域の幹線ネットワークを形成します。
しかし、片側1車線による交通渋滞と神流川に架かる神流川橋の老朽化により、新たな対応が必要になってきました。対応策として国道17号の北側にバイパス道路を整備します。埼玉県深谷市から群馬県高崎市まで、延長13.1kmの本庄道路です。

本庄道路は区間を2期に分けて整備します。1期区間となる埼玉県本庄市沼和田から群馬県高崎市新町に至る延長7.0kmのうち、神流川橋架替区間を優先に事業を進めています。神流川橋を優先的に架け替えることで、緊急車両の通行、災害物資の輸送などのネットワーク強化を図ります。

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国道17号に架かる従来の橋梁を神流川橋、本庄道路に架ける新しい橋梁は神流川新橋(仮称)と呼びます。
神流川新橋の下り線群馬県側は現在の神流川橋と位置が重なるため、下り線施工時に神流川橋を撤去する必要があります。そのため、まずは神流川新橋の上り線を完成させ、交通の流れを神流川新橋の上り線にふります。その後、神流川橋を撤去して下り線の施工に入る予定です。

見学会は2019年4月20日、小学生以上の子供とその保護者に向けて開催されました。地元の本庄市や上里町の広報コーナーに置かれたチラシ、大宮国道事務所のウェブサイトなどで告知、午前と午後の2回に分け各回約70名が参加します。

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普段はなかなか見ることができない橋梁の架設工事を題材に、社会科見学の一環として国土交通省大宮国道事務所が主催しました。何気なく使っている道路が担う役割や構造、建設の過程などを子供たちに知ってもらい、建設関係の職種に少しでも興味を持ってほしいという思いから企画されました。

まずは、一般的な橋の種類と構造がわかりやすく説明されます。
橋は、自動車や歩行者を支える上部構造とそれらを支える橋脚や基礎といった下部構造で構成されること、構造物は植物の根にあたる基礎によって支えられていることなどです。また、梅雨期や台風期など洪水が起きやすい出水期と呼ばれる6月1日から10月31日までは、原則として橋の施工などの河川工事を行わないことも説明されました。

続いて、神流川新橋の概略が伝えられます。橋長は729mです。
現在施工中区間:439m(鋼8径間連続非合成鈑桁橋)・1580t(桁架設)
来年度施工予定区間:290m(鋼7径間連続非合成鈑桁橋)・827.5t(桁架設)

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橋脚幅員24.5m、車線数は4車線です。
下部構造として、埼玉県側のP1橋脚で基礎は長さ9.0m、径1.2m、21本あり、高さ7.4mの橋脚を支えます。

150t吊クローラークレーンによる、神流川新橋の主桁架設作業が実演されます。
主桁は茨城県取手で製作し、トレーラーで分割して輸送しました。約10mの主桁3枚を地上で組み立て、吊り上げます。

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150t吊クローラークレーンは、ブームと呼ばれる腕の長さをもっとも縮めたときに150tの重さのものを吊り上げることができます。バランスを取るため、ブームの長さを伸ばせば伸ばすほど吊り上げることのできる重さは減っていきます。今回は約28tを吊り上げることができる状態で、約18tの主桁を吊り上げます。

架設作業を高台となる見学ステージから見学します。

photo写真:大宮国道事務所

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目の前で主桁の一部が吊り上げられ、回転して橋脚に載せられます。

動画(1分47秒)です。

主桁は橋脚の上部に降ろされた後、仮のボルトで固定されます。

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橋脚と主桁の間にゴム支承を確認できます。上部構造から下部構造へ力を伝えるとともに、温度の変化や風、地震などによる橋のたわみを吸収するための部材です。

参加者は3つのグループに分かれ、時間ごとに会場内のブースを巡ります。
1)高所作業車の乗車体験
2)鋼橋架設の動画視聴
3)ドローン飛行による橋梁の説明

高所作業車に乗車し、神流川周辺を高所から眺めます。手前が埼玉県、神流川を挟んだ奥が群馬県です。右側に整備中の神流川新橋、左側には国道17号の神流川橋を確認できます。

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神流川橋は橋長410.59m、幅員10.0m、車線数は2車線、1934年架設の単純非合成飯桁橋(18連)です。群馬県側は盛り土構造になっているため、神流川新橋と比べて橋長が短くなっています。
これまで損傷に応じて床版補修や打ち替え、洗掘防止対策、耐震補強などを行ってきましたが、架設後84年が経過し老朽化が著しい状況です。

神流川新橋の色は、景観の専門家や行政(高崎市・上里町)の担当者の意見を踏まえ、景観条例へ適合し周辺の景観と調和する黄緑に決定しました。架設中の桁が最終の色となります。

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反対側の埼玉県側は、土工区間となります。

鋼橋架設の動画を視聴し、引き続いて橋梁の架設で使用するボルトについて説明されました。
架設では全体で約12万本のボルトを使用します。まず、全体の3分の1に写真左の仮ボルトを、全体の9分の1に写真左から2番目のドリフトピンを、それぞれハンマーで打ち込んで主桁の位置を調整しながら固定していきます。次に、仮ボルトとドリフトピンをすべて、本ボルトと呼ばれるトルシア形高力ボルトに交換します。

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写真右から2番目のトルシア形高力ボルトは引張荷重に対して特に耐久性があり、仮ボルトと比較して約6倍の強度を持ちます。トルシアとはトルク(回転力)によりシャー(切断)するという意味です。必要な締め付けトルクが得られると、写真右のようにピンテールと呼ばれる先端部分が破断するため、締め付け後は目視のみの検査で完了します。

飛行するドローンから送られてくる橋梁全体の映像をモニターで見ます。

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工事の現場ではドローンの活用が急激に進んでいます。撮影から得たデータからの3Dモデルの作成や工事の進捗確認、既存構造物の点検など、施工管理や維持管理を効率化できるためです。
神流川新橋の現場ではドローンによる空撮を定点写真観測(進捗状況確認)のために活用しています。施工管理には使用していません。

橋梁の架設工事を背景に、グループごとと参加者全員にドローンからの記念撮影が行われました。

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photo写真:大宮国道事務所

「国道17号(本庄道路)神流川新橋 親子道路工事現場見学会」はここまでとなります。

参加した子供からは「クレーンの作業が大迫力で驚いた」「道路が早くできて渋滞がなくなってほしい」「将来、橋のような大きいものをつくる仕事をやってみたい」との声が寄せられました。
今回の見学会について、大宮国道事務所の小林隆明工務課長は「参加されたお子さんをはじめ大人の方まで、好意的な意見を沢山頂けました。このような経験を通じて、普段使われている道路等のインフラ施設の役割や重要性を知って頂くとともに、普段沢山ある職業の中で、少しでも土木職や技術者に興味をもって頂けたらうれしく思います。今後も、普段見られないような現場において、このような見学会を開催して行けたらと思っております。」と話しました。

工事名:H30・31本庄道路神流川橋上部工事
施工場所:自)埼玉県児玉郡上里町勅使河原 至)群馬県高崎市新町
発注者:国土交通省関東地方整備局
施工者:日本ファブテック
工期:2018年8月11日〜2020年3月31日
工費:約16億4千万円