阪神高速 3号神戸線(湊川─京橋)リニューアル工事

阪神高速道路では、道路を長寿命化する「阪神高速リニューアルプロジェクト」に取り組んでいます。
阪神高速 3号神戸線(湊川─京橋)における終日通行止めリニューアル工事を取材しました。

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3号神戸線(湊川─京橋)は開通から約50年が経過し、老朽化によるRC床版(鉄筋コンクリート床版)などの劣化が進んでいます。また、前回の2009年度のフレッシュアップ工事から10年が経ち、舗装の損傷やジョイント(橋梁の継ぎ目)における浮きなどの損傷が多く発生している状況です。

フレッシュアップ工事は舗装補修や標識補修など「見える場所」の補修でしたが、今回のニューアル工事は「外から見えない道路の内部」の損傷を抜本的に改善するプロジェクトです。RC床版および鋼床版の長寿命化対策として高性能床版防水およびSFRC舗装を実施するとともに、舗装やジョイントの補修などを行います。

リニューアル工事として、次の通り終日通行止めになります。
日時:2019年5月24日午前4時~2019年6月3日午前6時
区間:3号神戸線(湊川─京橋)上下線 約6.3km
   31号神戸山手線(神戸長田~湊川)上下線 約0.9km
区間にある京橋パーキングエリアも閉鎖します。

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阪神高速道路および周辺道路では渋滞が予想されるため、う回ルートの利用や利用時間帯の変更などがアナウンスされています。終日通行止め区間の交通量は10万台/日で、阪神高速全利用台数83万台/日の約12%にあたります。
工事は車線規制で行うと約140日かかりますが、終日通行止めにすることにより10日間という短期間で完了します。

工事として以下を行います。
1)構造物の長寿命化
  床版の疲労耐久性の向上
2)走行性・安全性向上
  舗装補修、ジョイント補修およびジョイントレスによる安全性・走行性の向上
  LED道路照明への取り替えによる走行時の安全性向上
3)周辺環境の改善
  ジョイントレスによる騒音、振動の低減
4)サービスの向上
  わかりやすい道路標識への取り替え
5)安全対策
  出入口部の逆走・誤進入を防止する看板など
6)快適性向上
  パーキングエリアの改修
7)その他
  工事区間全線における構造物の維持・補修・点検

取材したのは2019年5月24日、工事初日となります。阪神高速道路で工事概要説明を受け、工事現場へと移動します。
京橋パーキングエリアの西行きフロアおよび東行きフロア、もしくはその両方において、改修施工が進んでいます。

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改修施工は、トイレへのエアコン設置、照明の一部LED化、サイン改修、サッシ改修と外壁美装化、歩廊屋根の美装化、駐車場の身障者マス増設、喫煙スペースの整備などです。

京橋パーキングエリアと本線(下り線)の合流箇所へ移動します。

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走行時の快適性と周辺環境ヘの改善(騒音・振動の低減)を目的に、損傷したジョイントを取り替えます。この日は最初の工程として既設ジョイントの撤去が行われていました。

既設ジョイントの傷みが大きい場合は「簡易鋼製ジョイントへ取り替え」、それほどでもない場合は「ゴム部分のみ取り替え」となります。簡易鋼製ジョイントヘ取り替えは60レーン、ゴム部分のみ取り替えは76レーンです。

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また、伸縮量が小さいジョイント部分について、ジョイントをなくす工事を床版連結4レーン、埋設ジョイント(PC桁横桁連結)32レーンで進めます。
ジョイントレスは構造的に一定の条件を満たす場合に適用していて、そのうちの一つの要件として「支間長が長すぎないこと」=「伸縮量が大きすぎないこと」があります。伸縮量のしきい値は設定していませんが、箇所ごとに構造計算を行い、適用の可否を判断します。また、連結部での伸縮量は連続桁全体の両端部で吸収するよう設計し、必要に応じて両端部の伸縮装置を大きな伸縮量のものに取り替えます。

3号神戸線の本線(上り線)方面です。従来の案内標識があります。

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案内標識は、ヘッドライトでも明るく反射する超高輝度標識に取り替えることで、夜間の視認性向上を図ります。また、京橋パーキングエリアヘの誘導をわかりやすくするため、案内標識のレイアウトを変更します。

3号神戸線の本線(下り線)です。片側2車線のうち1車線で工事を進め、もう1車線は工事車両などが通行します。

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舗装の下にあるRC床版のひび割れ劣化に対して、長寿命化を目的とした複合床版防水工法による高性能防水を実施します。複合床版防水工法とは、ひび割れへの浸透性が高い1次防水層(高浸透型防水材)と2次防水層(アスファルト加熱型塗膜防水材)を組み合わせることで、RC床版への雨水の進入を防いで守る工法です。

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鋼床版の疲労き裂への対策として、通常のアスファルト舗装から剛性の高いSFRC(鋼繊維補強コンクリート)舗装に置き換えます。SFRC舗装は、鋼床版に接着剤などを施した後、鋼繊維補強コンクリートを打ち継ぐ工法です。

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損傷した舗装を大規模に打ち替えることで安全性・走行性の向上を目指します。また、排水性舗装により雨天時の安全性・視認性の向上や騒音の低減を図ります。

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舗装補修は、舗装切削→防水層施工→基層舗設→表層舗設というステップで施工します。
アスファルト部分を削り取ります。

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切削機で切削し、廃材ダンプに積み込みます。

工事による騒音を最小限とする取り組みとして、以下のような新しい技術を積極的に取り入れています。
IH式舗装撤去工法
鋼床版を特殊なヒーターで加熱することで鋼床版とアスファルトを剥離させ、舗装の撤去を容易にする工法です。大きな音の出る人力の剥取り作業がなくなるため、騒音が抑制されます。
SJS(サイレントジョイントスライス)工法
特殊なワイヤーソーによって、乾式水平切断を可能とした既設ジョイントの撤去工法です。コンクリートブレーカーを使用せずに撤去できるため、低騒音・低振動で、夜間作業も可能となります。

6月3日午前4時をもって、阪神高速3号神戸線(湊川─京橋)リニューアル工事はすべて完了しました。

photo写真:阪神高速道路

photo写真:阪神高速道路

床版や舗装、ジョイントなどが生まれ変わっています。

今回のリニューアル工事について、阪神高速道路株式会社 神戸管理部 保全管理課 担当課長 大谷大(おおたにたけし)氏は次のように述べました。「阪神高速3号神戸線での高速道路リニューアルプロジェクトとしては初めてとなる、終日通行止めによる工事が無事完了できました。この度は、お客さまや沿道の皆様をはじめ、関係機関の皆様方のご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました。」

photo写真:阪神高速道路

「阪神高速リニューアルプロジェクト」は今後も続きます。安全と安心は、次の世代へつながれていきます。

工事名:神戸線リニューアル工事
施工場所:神戸市中央区─長田区
発注者:阪神高速道路株式会社
施工者:のべ12社
工期:2019年5月24日〜6月3日
工費:全体で約29億円

公式:高速道路リニューアルプロジェクト 大規模更新・修繕事業