新東名(E1A新東名高速道路)は海老名南JCT─豊田東JCT間、延長約253kmを結ぶ高速自動車国道です。2021年4月10日、新東名の一部となる新御殿場IC─御殿場JCTの開通に先立ち、新御殿場ICで「新東名高速道路(新御殿場IC─御殿場JCT) 国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間) 国道469号御殿場バイパス、県道仁杉柴怒田線 開通式典」が行われました。
今回の新東名 新御殿場IC─御殿場JCTの開通により、東名高速と中央道が高速道路で行き来できるようになります。建設を進めている伊勢原大山IC─新御殿場ICの延長約39kmが完成すると、新東名は全線開通になります。
開通区間の広域地図 資料:NEXCO中日本
今回、開通する区間の詳細は以下の通りです。
・新東名高速道路 新御殿場IC─御殿場JCT
・一般国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間) 須走口南IC─ぐみ沢IC
・国道469号御殿場バイパス/県道仁杉柴怒田線
開通式は開通式典、鋏入れ・くす玉開披で構成されます。主催は中日本高速道路株式会社東京支社、国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所、静岡県沼津土木事務所です。
10時より、小山町総合文化会館で開通式典が始まりました。
来賓など関係者およそ190名が列席しています。開式、主催者挨拶、来賓祝辞、来賓紹介、祝電披露、謝辞、閉式と進みます。
主催者挨拶として、岩井茂樹国土交通省副大臣は次のように語りました。「まずは地権者、知事、施工業者、関係の方々に深く感謝を申し上げる。令和元年の台風19号では中央道の大月IC─八王子ICで被災により約一週間の通行止めとなり、迂回ルートとなった国道138号線において大渋滞が発生し、関東方面との物流交通に大きな支障を生じた。今回の開通により高速道路ネットワークの代替性が確保されると、国土強靭化に大きく寄与する。国土交通省としては本日の開通により静岡県と山梨県の連携が促進されることを期待するとともに、引き続き道路ネットワークの整備を着実に推進し、地域の発展のため全力で取り組んでいく」
同じく主催者挨拶として川勝平太静岡県知事は「新東名は東西における大変大きな幹線道路になった。国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間)により、山梨県から新東名まですぐに来れるようになる。富士山の両側、山梨県と静岡県の一体化が進むので大変に喜んでいる。新しい日本の国土を開くことができるという期待を持って今日の開通式を祝いたい。議員の先生方、地元の皆様方、特に地権者の方々にお礼申し上げる」と述べました。
会場が新東名高速道路新御殿場IC内へ移ります。
地元のキャラクターもお祝いに駆けつけました。左から、ごてんばこめこ(御殿場市のマスコットキャラクター)、みちまるくん(NEXCO中日本のオリジナルキャラクター)です。
ふじっぴー(静岡県のイメージキャラクター)、金太郎(小山町のシンボル)と、賑やかです。
11時30分、自衛隊板妻駐屯地楽隊によるウエルカム演奏、ファンファーレで鋏入れ・くす玉開披が始まりました。
鋏入れ、くす玉開披に合わせて無数の風船が大空へ放たれ、祝砲が上がります。
11時40分、通り初め(バレード)へと進みます。車列は白バイ、パトカー、トラック、消防科学車、救急車、陸上自衛隊車両(3台)、パトカー(2台)、黄色いパトカー、主催者のマイクロバスおよび車、一般来賓のバスと続きます。
通り初めの動画です。
通常、一般来賓のバスを見送って開通式典は終了となるのですが、今回は報道関係者もバスに乗車し通り初めのルートで移動します。工事が残っていた箇所は3週間ほどで完成したことがわかります。
新東名の本線を進むと、御殿場JCT手前で折り返してきた通り初めの車両とすれ違います。
御殿場JCTの1km手前では、開通を示す大きな垂れ幕が掲示されています。
電光掲示板には「祝!開通 4月10日(土)16時 E1A新東名・国道138BP 同時開通」と表示されています。
御殿場JCTの手前で反対車線に折り返します。多くの関係者が歓迎しています。
戻ってきた新御殿場ICでも関係者の見送りが続きます。
新東名の新御殿場ICを通過し、国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間)へ入ります。
通り初め(バレード)の終点となる須走口南ICへ着きました。
開通区間を走行したタイムラプス動画です。
2021年4月10日16時、新東名 新御殿場IC─御殿場JCTの延長約7.1kmおよび、周辺道路が同時に開通しました。
■開通区間の概要
・新東名高速道路 新御殿場IC─御殿場JCT
延長:約7.1km(土工部1.4km、橋梁高架部5.7km)
車線数:4車線(完成時は6車線)
設計速度:100km/h(6車線完成時は120km/h)
事業費:約5,600億円(秦野IC(仮称)─御殿場JCTの事業費)
交通量:約5,000台/日(2021年度)と予測
構造物比率:約8割(80.3%)
発注者:中日本高速道路
・一般国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間) 須走口南IC─ぐみ沢IC
延長:約5.2km
車線数:2車線(完成時は4車線)
設計速度:80km/h
事業費:須走道路約208億円、御殿場バイパス(西区間) 約338億円(全区間を完成4車線として整備する事業費)
計画交通量:須走道路約25,500台/日、御殿場バイパス(西区間)約29,500台/日
構造物比率:約2割(17.1%)
発注者:国土交通省 中部地方整備局 沼津河川国道事務所
・国道469号御殿場バイパス/県道仁杉柴怒田線
車線数:暫定2車線(完成時は4車線)
設計速度:50km/h
<国道469号>
延長:約1.6km(今回開通延長約0.6km)
事業費:約20億円
交通量:約13,300台/日
<県道仁杉柴怒田線>
延長:約1.7km
事業費:約40億円
交通量:約12,500台/日
発注者:静岡県 交通基盤部 道路局