東京外かく環状道路 大泉JCT(Cランプ第一橋) 橋梁架設(2023年7月)

外環道(東京外環自動車道)

 東京外かく環状道路は、都心部から半径約15kmの位置に、環状として整備が進む延長約85kmの道路です。2023年7月の夜間に、大泉JCTでCランプ第一橋の橋梁架設が行われました。

 一般道路の国道298号と高速道路を合わせて「東京外かく環状道路」、高速道路の路線を「C3東京外環自動車道(外環道)」と呼びます。外環道は現在、大泉JCT─中央JCT(仮称)─東名JCT(仮称)を結ぶ約16.2kmの整備が進んでいます。完成すると、E1東名高速道路(東名高速)、E20中央自動車道(中央道)、E17関越自動車道(関越道)がつながります。

photo工事区間の周辺地図 資料:国土交通省

 東名高速から関越道まで、現在は環状八号線を利用して約66分かかっていますが、外環道を利用すると約12分で移動できるようになります。

 大泉JCTでは、外環道と関越道を結ぶランプ橋を架設しています。目白通り(都道24号)の上空に橋梁を架設するため、7月6日夜間21時から翌朝5時頃までの約8時間、大泉ICと目白通りの1夜間通行止めを実施しました。

 今回架設する橋桁は、外環道の東名JCT方面から関越道の新潟方面へ流入する際に通行するCランプ第一橋で、2023年4月10日に実施した架設の続きになります。

photo大泉JCT付近の空撮写真 資料:東京外環プロジェクト

 Cランプ第一橋はAランプ第二橋と同じく、送出し工法で架設しています。橋桁後方に設置した推進装置(ダブルツインジャッキ)により、従走台車に載せた橋桁を移動する工法です。この日は目白通りの南側施工ヤード内で組み立てたCランプ第一橋の橋桁を、送り出し装置でCP4橋脚上まで送り出します。

 架設を進めているCランプ第一橋は、長さ286mの鋼5径間連続細幅箱桁橋です。

photo工事区間の詳細地図 資料:東京外環プロジェクト

 Cランプ第一橋の一部となるCランプ第二橋寄りの部分は、2019年のCランプ第一橋橋梁架設で完了しています。

 今回はSTEP4になります。

photo施工ステップ 資料:東京外環プロジェクト

 この日に送り出す橋桁本体は長さ約120m、重量約426t、手延機は長さ約47m、重量約172tで、合計約167m、重さ598tになります。施工ヤードが狭いため、架設する橋桁は一度に組み立てることができません。そのため、まずは事前に地組みした橋桁の一部を送り出しました。橋桁の先端には手延機が連結されていて、CP4橋脚付近まで到達させた後、解体します。手延機を先行して送り出すことで橋桁本体の安定を保ちます。

 21時、目白通りと大泉IC出入口の通行止が開始されました。目白通り南側施工ヤードのAランプ橋上から、送り出すCランプ第一橋を見ます。

photo

 橋桁を送り出すためのエンドレス滑り装置やガイド設備を確認できます。

photo

 反対側となる北側から見てみます。CP4橋脚の手前には「たわみ処理ベント」が組まれています。たわみ処理ベント上にはサンドル(桁受金具)を設置し、手延機の先端を桁受けします。前回4月10日の架設ではCP3橋脚手前にたわみ処理ベントを設置できなかったため、CP3橋脚手前でクレーンにより吊り上げし、高さを調整しながらCP3橋脚上へ到達させました。今回はCP4橋脚手前のたわみ処理ベントが終点になるため、たわみ量を考慮した高さを設定し、クレーンが不要になります。

photo

 21時45分、準備が整い安全確認が完了したため、送り出しの指令が発せられました。

photo

 送り出す直前となる21時頃の、目白通りから見たCランプ第一橋です。橋桁と手延機の接続部が目白通り南側施工ヤード寄りにあります。

photo

 約3時間後、深夜0時頃のCランプ第一橋です。橋桁と手延機の接続部が移動し、送り出されていることがわかります。

photo

 深夜1時20分頃、たわみ処理ベントに手延機が到達しようとしています。大きな音はなく、よく見ていないとわからないほどの速度で送り出しが続きます。

photo

photo

photo

 深夜1時50分頃、サンドルが手際よく設置され、手延機の先端が無事にたわみ処理ベント上に到達しました。

 タイムラプス動画です。

 交通規制解除前の安全確認、交通規制解除と進み、この日の工事は完了となります。本年中に再び夜間通行止めを複数回実施し、Cランプ第一橋の送出し架設を完了する予定です。

■工事の概要
 工事名:東京外かく環状道路 大泉ジャンクションCランプ第一橋(鋼上部工)工事
 工事費:約40億4千万円
 発注者:東日本高速道路株式会社 関東支社
 受注者:株式会社横河ブリッジ

公式:東京外環プロジェクト