東京外かく環状道路 大泉JCT(Cランプ第一橋)橋梁架設(2019年9月)

外環道(東京外環自動車道)

東京外かく環状道路は、都心部から半径約15kmの位置に、環状として整備が進む延長約85kmの道路です。2019年9月と10月の6夜間、大泉JCTで東京外かく環状道路 大泉JCT(Cランプ第一橋)橋梁架設が行われました。

一般道路の国道298号と高速道路を合わせて「東京外かく環状道路」、高速道路の路線を「C3東京外環自動車道(外環道)」と呼びます。外環道は現在、大泉JCT─中央JCT(仮称)─東名JCT(仮称)を結ぶ約16.2kmの整備が進んでいます。完成すると、E1東名高速道路(東名高速)、E20中央自動車道(中央道)、E17関越自動車道(関越道)がつながります。

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東名高速から関越道まで、現在は環状八号線を利用して約60分かかっていますが、外環道を利用すると約12分で移動できるようになります。

大泉JCTでは、外環道と関越道を結ぶランプ橋を架設しています。橋梁の架設工事は9月17日、18日、24日、25日、10月29日、30日の6夜間、各日22時から翌朝5時頃まで外環道と関越道の大泉IC入口を通行止めにして実施しました。

2019年9月18日に取材しました。この日に架設する橋桁は、外環道の東名JCT方面から関越道の新潟方面へ流入する際に通行するCランプ第一橋です。

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資料:東京外環プロジェクト

Cランプの真下には、目白通りから進入するFランプ(外環道方面入口ランプ)とIランプ(関越道方面入口ランプ)が通っています。

22時頃、FランプとIランプが通行止めになりました。

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架設に影響しない、関越道と外環道を結ぶランプや関越道の練馬ICは通行できます。

東名JCT側からAランプ第二橋の橋上を通り、大泉JCTの中央に設けられたCランプ第一橋の工事ヤード付近へ向かいます。

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Aランプ第二橋は2018年7月3日から4日にかけて、東京外かく環状道路 大泉JCT(Aランプ第二橋)橋梁架設で架けられました。長さ186m、鋼2径間連続鋼床版箱桁橋です。

Cランプ第一橋は長さ286mの鋼5径間連続細幅箱桁橋です。

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資料:東京外環プロジェクト

Cランプ第一橋の関越道側、既設のCランプ第二橋に接続する部分となる橋脚CP4−橋脚CP5間の橋梁63.3mが、今回の工事箇所になります。

今回の6夜間通行止めで進めるのは、この内のJ22−CP5(下図の赤点線枠内)間の箱桁50.9mです。ヤード内で地組した箱桁をクレーンで一括架設します。

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資料:東京外環プロジェクト

部材箇所J20─J22(上図の青点線枠内)は架設による夜間の通行止めが必要ない部分のため、Fランプを路肩規制して、ヤード内で組んだ箱桁を事前に架設しました。

通行止めとなる6夜間の作業は以下の通りです。
1日目(9月17日):細幅箱桁架設(G2桁)外環側
2日目(9月18日):細幅箱桁架設(G1桁)関越側、横桁架設 本日
3日目(9月24日):足場設置
4日目(9月25日):足場設置、検査路架設
5日目(10月29日):合成床版設置、足場解体
6日目(10月30日):合成床版設置、足場解体

1日目と2日目は、細幅箱桁と呼ばれる桁を2本平行に架設し、6本の横桁で連結して橋桁をつくります。
3日目と4日目は橋桁に上部から吊り下げた吊り足場を設置、供用後に使用する検査路を架設します。
5日目と6日目は橋桁の上部に道路の床となる床版を設置して、足場を解体します。
J20─J22とJ22−CP5は、接部を仮固定するエレクションピースのボルト締めを実施し、ベント解放しました。接合部は現場溶接となります。

Aランプ第二橋の先に、細幅箱桁を釣り上げた550t吊オールテレーンクレーンが見えてきました。

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細幅箱桁(G1桁)がクレーンで所定の位置に架設されていきます。細幅箱桁の側面には、横桁の設置位置となる白色の突起を6箇所に確認できます。目で見てわかるような架設の動きは、わずかな時間で完了しました。

Cランプ第一橋の下へ移動します。橋脚CP4の上部にCランプ第一橋の橋桁が載っています。手前は部材箇所J20─J22で、事前に架設が完了した箇所になります。

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J20─J22は横桁の架設が完了しています。

J22─CP5では、ベントを搭載した多軸台車2台が細幅箱桁を支えています。細幅箱桁を吊っている際たわみが出るため、ベントで受けながら調整していきます。

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J22─CP5における、これから横桁を設置する箇所です。設置する横桁6本のうち、3本を550t吊オールテレーンクレーンで架設します。残りの3本は、すでに架設を終えている奥のCランプ第二橋の上部に設置した60t吊クレーンで架設していきます。

横桁架設の準備が進みます。

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微調整などを経て、通行止の時間内にこの日の橋梁架設は完了しました。
短時間の規制時間内に、ランプ上という狭い現地で移動式ベントなどを駆使してクレーン架設するという、非常に見どころのある架設でした。

今後は、供用している道路の形状を変えながら橋脚CP3を設置し、Aランプ第二橋と同様の送出し工法で、東名JCT側のCランプ第一橋を目白通り上空に架設していきます。

工事名:東京外かく環状道路 大泉ジャンクションCランプ第一橋(鋼上部工)工事
工事費:約27億4500万円(税込)
発注者:東日本高速道路株式会社 関東支社
受注者:株式会社横河ブリッジ

公式:東京外環プロジェクト