東京メトロ副都心線は、東京都西部、埼玉県及び神奈川県と都心部との結節点である池袋・新宿・渋谷という三大副都心を縦断して走る地下鉄。地下鉄開通80周年として「地下鉄開通80周年記念 副都心線トンネルウォーク」が開催されました。
2008年に開業する副都心線は、埼玉県の和光市駅から東京都の池袋駅を通り、渋谷駅までを結びます。
新しくつくられる駅は、池袋・雑司が谷・西早稲田・東新宿・新宿三丁目・北参道・明治神宮前・渋谷。池袋より先は東武東上線および西武池袋線へ、渋谷より先は2012年に東急東横線・みなとみらい線へ、それぞれ相互直通運転が行われます。
トンネルウォークに参加したのは、応募総数3086通の中から選ばれた80組160名。
参加者は工事が進む副都心線の新宿三丁目駅へ集まり、ヘルメット・軍手・ペンライト・万歩計を装備、4班に分かれて行動します。
新宿三丁目駅は、ホームの長さが約200m、渋谷駅側に東急東横線の折り返しのための線路が用意されているために、駅全体の長さは800mにもなります。階段を下りて、ホームへと移動します。
2007年8月に見学した「副都心線 新宿三丁目駅 建設現場」と比べると、完成に近くなっていることがわかります。
地下鉄の駅では初めてとなる、ホームとコンコースとの吹き抜けも工事が進みます。
ホームから線路へと移動します。まずは渋谷方面行きの線路を、新宿三丁目駅から東新宿駅へ、渋谷方面から池袋方面へと逆の方向で進みます。副都心線の、線路の敷設は完了しています。
途中、留置線へと続くポイントがありました。ポイントは、手動で動かすことができます。
副都心線は、新宿三丁目駅における丸ノ内線とのアクセス向上を目指すため、東京メトロ丸ノ内線の下、都営地下鉄新宿線の上という、地中のわずかな隙間を通っています。動いている交通を止めることなく工事を進めるのは、至難の業だったとのことです。
トンネルは、地上から掘り箱を埋めてつくった四角い形状から、シールド機を使って横に掘り進めてつくった円筒状へと変化します。非常時に使う電話機や、送電線の切り替え部分なども完成していました。
東新宿駅の手前には引き込み線があり、軌道工事車両が展示されています。参加者は車両の前で写真を撮るだけでなく、乗車することもできました。
車両には、地下鉄80周年を記念したヘッドマークがつけられていました。
新宿三丁目駅から池袋方面へ歩くこと約1,300m、東新宿駅に到着です。階段を下りて、「もうひとつの渋谷方面行きの線路」へと移動します。
副都心線は、東京メトロでは初めてとなる急行の運行が予定されています。各駅停車の車両が急行の車両による通過待ちをするため、東新宿駅では上下に同じ方面行きの線路が用意されているのです。
通常であれば、各駅停車が待機する線路のすぐ横に急行の通過する線路が用意されますが、地上の明治通りの車幅を越えることができないため、上下での線路の敷設となりました。
もうひとつの渋谷方面行きの線路で、今度は、東新宿駅から新宿三丁目駅方面へと歩きます。
歩くこと約700m、途中にある空調の換気口で、トンネルから地上へと移動することになります。
東新宿駅は都営地下鉄大江戸線の下を通り、最も深い部分で地下から約30mあります。新宿三丁目駅は、地下約18m。100m進むと4m高くなる4%勾配という高低差は東京メトロでも異例で、国土交通省からの認可は特例だったとのことです。
地上へ出るとゴールが待っていて、参加証明証のほか、折りたたみナップザックや使ったヘルメットなど、様々なおみやげが手渡されました。首からかけるプレートの中にシールが貼ってあれば当たりとして電子時計をもらうことができます。
公式:東京メトロ