大橋JCTは、首都高速道路の3号渋谷線と中央環状線を接続する密閉型ジャンクションです。毎年8月10日の「道の日」に合わせて、建設現場の見学会が行われました。
渋谷駅から1駅の池尻大橋駅近くに位置する大橋JCTは、ローマのコロッセオを思わせる印象的な外観になります。1周約400メートルの4層ループ構造で、地上約35メートルの3号渋谷線と地下約36メートルの中央環状線をつなぎます。国立競技場の陸上トラックほどの長さをらせん状に2周描き、両道路を結びます。
中央環状線は、都心から放射状に延びる高速道路網を環状で結ぶ「3環状」のうち、最も内側を走る路線です。2009年度に3号渋谷線と4号新宿線を結ぶ中央環状新宿線の約4.3kmを、2014年度までには3号渋谷線と湾岸線を結ぶ中央環状品川線の約9.4kmをそれぞれ建設し、これらの路線が接続することで全長約47kmの中央環状線が完成します。
管理棟へ移動して、工事概要の説明を受けます。作業は「ケーソン工法」と呼ばれる方法で進めています。道路の壁となる巨大なコンクリート製の箱を地中に沈設する工法です。箱の下部を掘削しながら、上部を巨大な重機で押し下げていきます。
箱の下部は、地下水などの水圧に耐えるため、内部の気圧が高められています。掘削は、遠隔操作によるケーソンショベルで行われます。
操作は、複数のモニターと専用コントローラーを用いて行います。
9台のケーソンショベルで掘削作業を行っています。
屋外には、掘削された土を一時的にストックしています。
管理棟から出て、大橋JCTの内部へと移動します。
内部には、工事の内容を説明するパネルや模型が展示されています。
将来的には、屋上に庭園が整備される予定です。
道路として使用される空間を見渡してみます。
緩やかな傾斜の弧を描きながら、道路がループすることがわかります。
施工中のエリアに足を運びます。
高く組まれた鉄筋がそびえています。
鉄筋に、コンクリートが流し込まれていきます。
大橋JCTが完成すると、カーブが連続する構造のため、法定速度は時速30kmに設定される見込みです。