横浜環状北西線 シールドマシン発進式・マシン見学会

 横浜北西線

横浜環状北西線は、東名高速道路と第三京浜道路を結ぶために整備されている自動車専用道路です。
2017年3月27日、北八朔地区で「横浜環状北西線 シールド機発進式・マシン見学会」が行われました。

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横浜市と首都高速道路は、東名高速道路の横浜青葉IC(よこはまあおばインターチェンジ)と第三京浜道路の港北IC(こうほくインターチェンジ)を結ぶ「横浜環状北西線」の事業を進めています。「ほくせいせん」とも呼ばれます。

2017年(平成28年)3月に開通する横浜北線と一体化することで、東名高速道路と横浜港がつながり交通が強化されます。
路線については、計画の段階から住民の意見を取り入れて進めるPI(パブリック・インボルブメント)制度が採用されました。

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トンネル部と土工部は横浜市が施工し、ジャンクションの高架部については首都高速道路が施工します。トンネルの空気を入れ替える換気所が2箇所につくられます。

横浜環状北西線は延長は約7.1kmです。約4.1kmがトンネル部となり、約3.9kmがシールド機と呼ばれる筒型の掘削機でつくられます。最深部は地下65mとなります。
シールド機がトンネルを掘り始めるための縦穴を、発進たて坑と呼びます。

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シールド機は大阪府堺市の工場で組み立てられ、分割して輸送された後、たて坑で約6ヶ月かけて組み立てられました。

シールド機発進式は、横浜環状北西線の北八朔発進ヤードとなる北八朔地区で行われます。

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11時過ぎ、式典が開始されました。式次第は、開式の辞・主催者代表挨拶・来賓祝辞・来賓紹介・工事概要説明・マシン発進スイッチ押釦(おしぼたん)・施工者挨拶・閉式の辞となっています。

主催者挨拶として、平原横浜副市長が林横浜市長のメッセージを読み上げ、「2020年の東京五輪・パラリンピックを目標にして、一日も早い開通を目指す」と述べました。

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主催者挨拶として、首都高速道路株式会社の宮田社長が「横浜環状北西線は、東名高速道路につながることで横浜北線と一体となり、物流の効率化や利便性の向上が期待される」と述べました。

事業説明として、中島横浜市道路局長が横浜環状北西線の現状を説明します。

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マシン発進スイッチ押釦となります。9名により、シールド機の発進スイッチが押されます。動きだした地下にあるシールド機がモニターに映し出されました。
式典は終了となります。

マシン見学会のため、発進たて坑へ移動します。地下約20mの深さのたて坑では、2機のシールド機が発進を待っています。
左側には港北行きのトンネルをつくる首都高速道路のシールド機、右側には青葉行きのトンネルをつくる横浜市のシールド機があります。

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泥水式シールド機です。外径約12.6m、重さ約1,800トンとなります。一日に約16m掘り進めることができます。

港北行きのトンネルをつくる首都高速道路のシールド機と青葉行きのトンネルをつくる横浜市のシールド機は、工区が明確に分離されています。

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シールドトンネルが掘削される方向の反対側には、開削トンネルを見ることができます。

シールド機前面です。

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円盤状のカッターヘッドがついています。放射状にカッタービットと呼ばれる超合金の刃が並びます。

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約2分で1回転して、硬い土砂を掘ることになります。実際に回転していました。
2016年12月16日の「横浜環状北西線 シールド機組立現場公開」では、カッターヘッドが下されました。

シールド機背面です。トンネル本体の壁となるセグメントや、さまざまな資材が供給されます。

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カッターヘッドで土砂を掘削する際、落盤を防ぐため、送泥管で高圧力の泥水をカッターヘッドへ送り、掘削された土砂と泥水を攪拌(かくはん)します。

掘削られた土砂と混ざった泥水は、排泥管で地上の施設まで流体輸送され、泥水処理プラントで泥水と土砂に分離されます。水色の管は送泥管、オレンジ色の管は排泥管です。

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セグメントを組み立てるエレクターを見ることができます。

組み立てられたセグメントをジャッキで押すことにより、マシンが前へ進みます。

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シールド機は港北行きが先に発進し、2017年4月中旬に青葉行きが発進します。約1年半で到達たて坑へ着く予定です。2020年7月までの開通を目指します。
「横浜環状北西線 シールド機発進式・マシン見学会」はここまでとなります。

横浜環状北西線の開通により、
・市北西部と横浜都心や湾岸エリアとの連携が強化
・災害時などにおける道路ネットワークの信頼性が向上
・交通混雑の緩和と大気環境の改善
が図られます。

参考:横浜環状北西線|首都高速道路