環状⼆号線(豊洲〜築地)施設見学会

一般道路

 環2(環状⼆号線)は、江東区有明を起点とし中央区や港区などを経て、千代田区神田佐久間町を終点とする都市計画道路です。環状⼆号線の一部となる区間の開通に先立ち、2018年9月15日に環状⼆号線(豊洲〜築地)施設見学会が行われました。

 環2は皇居を中心とした環状を描きます。新橋から神田佐久間町までの延長約9.2kmは1946年に都市計画決定、1950年に道路幅員を100mから40mへ変更して整備が進みました。1993年に起点を新橋から有明に変更し、総延長約14kmとして臨海部への延伸を図ります。環状⼆号線は通称として、有明─虎ノ門間を環二通りと呼びます。虎ノ門─神田佐久間町間のほとんどは外堀通りになります。

photo開通区間の広域地図 資料:東京都

 2014年に新橋─虎ノ門間の約1.4km、築地市場の移転後となる2018年11月を目途に豊洲─築地間の約2.8kmが暫定開通します。

 環2では以前、以下のようなイベントが催されました。

 今回開通する環2のうち、豊洲大橋から築地大橋までの区間が見学会の会場として開放され、12時から16時まで自由に歩くことができます。

photoイベント区間の地図 資料:東京都

 出入り口となる数カ所には受付が設置され、コースマップや事業パンフレットを配布しています。まずは、豊洲から築地へ向かって歩きます。

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 新交通ゆりかもめ市場前駅付近から環2へ入り、豊洲大橋(とよすおおはし)を渡ります。豊洲大橋は、豊洲・晴海水域に架かる橋長550m、幅員32.3m〜36.1mの橋梁で、形式は5径間連続鋼床版ラーメン箱桁橋です。豊洲地区と晴海地区の区画整理事業と連携しながら、2004年度から事業を進めてきました。

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 午前と午後の各3回ずつ、東京消防庁の大型消防救助艇による記念放水が披露されました。

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 豊洲大橋を越えると、東京都道304号の晴海五丁目交差点が見えてきます。右折すると東雲や豊洲、左折すると晴海客船ターミナルへ移動できます。

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 晴海五丁目交差点付近には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の晴海選手村(予定地)のオープンハウスが設置されています。人気のため、見るために30分ほど列に並ぶ必要があります。

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 オリンピック・パラリンピック開催時および開催後の、会場についての模型やパネルを展示しています。

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 オリンピック・パラリンピック開催時には、住居棟(板状)21棟を選手の宿泊施設として一時使用します。開催後は、晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業として、約18haの施工地区面積でまちづくりが進められます。総事業費は約540億円、建物棟数は住居棟(板状)21棟に加え、50階建ての住宅棟(タワー)2棟、商業棟1棟、学校や総合診療所などを整備します。

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 再び、築地方面へ進みます。上りの勾配が続きます。

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 黎明大橋(れいめいおおはし)を渡ります。黎明大橋は、朝潮運河に架かる橋長94.5m、幅員11.0m+15.7m+11.0mの橋梁で、形式はポストテンション方式PC3径間バルブT桁橋です。分岐の左車線を進むと、豊海町や月島へつながる清澄通りに接続します。

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 強化ガラスの擁壁で覆われた勝どき陸橋を進みます。延長525m、幅員15.7m、形式は鋼9径間連続鋼床板箱桁ラーメン橋です。

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 築地方面へは暫定1車線、豊洲方面へは2車線になっています。

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 高層住宅群を抜けるため、視認性と採光性が高い強化ガラス製防音壁を採用しています。

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 テントでは、勝どき陸橋に関する事業パネルと道路模型を展示しています。

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 築地大橋(つきじおおはし)を渡ります。築地大橋は、隅田川に架かる橋長245m、幅員32.3m〜48.0mの橋梁で、形式は鋼3径間連続中路式アーチ橋です。隅田川の最も下流に位置します。

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 清澄通りから流入する合流箇所です。暫定1車線が続きます。

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先は、築地市場が移転するまで供用する暫定迂回道路となり、溜池や汐留につながります。

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 施設見学会として開放された区間はここまでになります。

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 築地区間の整備は、築地市場の移転に合わせて3段階で進みます。
 【第1段階】暫定迂回道路(黄色部分)
       市場内通路を活用し整備
       開通時期:築地市場の移転後となる2018年11月頃
       整備形態:片側1車線
 【第2段階】地上部道路(青色部分)
       築地大橋と新大橋通りの青果門前交差点を滑らかに結ぶ線形
       開通時期:2019年度末
       整備形態:片側1車線
 【第3段階】本線トンネル(赤色部分)
       トンネルを構築
       開通時期:2022年度
       整備形態:片側2車線

 築地大橋は、夜間にライトアップする予定です。

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 銘板は、元東京都知事の舛添要一氏による揮毫です。漢字とひらがなの2種類が両方向に設置されています。

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 折り返して、築地から豊洲へ向かって歩きます。
 築地大橋から隅田川の上流を眺めると、築地市場の一部と勝鬨橋を確認できます。築地市場は1935年に開場し、2018年10月6日に閉場します。勝鬨橋は1933年に着工、1940年に竣工しました。

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 築地大橋を渡ると、清澄通りへの分岐箇所があります。

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 勝どき陸橋を進みます。暫定1車線から2車線になります。

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 見下ろした清澄通りでは、新島橋の架替工事が進みます。新島橋は1959年に竣工しました。老朽化が進んでいることや、新たな耐震基準に基づく耐震性の向上、増加する交通需要への対応、地域の安全と歩行環境の改善などの理由により架け替えます。

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 黎明大橋を越えると、東京都道304号の晴海五丁目交差点が見えてきます。

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 東京道路清掃協会による清掃車の体験試乗です。

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 晴海五丁目交差点を越えると、豊洲大橋への上り勾配となります。

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 豊洲大橋の歩道にはベンチが設置され、豊洲運河に架る晴海大橋や、首都高速10号晴海線を望むことができます。

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 豊洲大橋を渡ると、豊洲市場が見えてきました。豊洲市場は2018年9月13日に開場記念式典が行われ、2018年10月11日に開場します。

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 環状⼆号線(豊洲─築地)は開通することで、以下のようなメリットがあります。
 ・臨海部と都心部を結ぶ交通と物流のネットワークの強化
 ・並行する晴海通りの渋滞緩和など地域交通の円滑化
 ・臨海地区の避難ルートの多重化による防災性の向上