新秦野IC─伊勢原大山IC開通記念イベント 新東名高速道路ファンラン&ウォーク

新東名(新東名高速道路)

 新東名(E1A新東名高速道路)は海老名南JCT─豊田東JCT間を結ぶ、延長約253kmの高速道路です。2022年3月20日、新東名の一部となる伊勢原大山インターチェンジ(IC)─新秦野インターチェンジ(IC)の開通に先立ち、新東名高速道路の本線上で「新秦野IC─伊勢原大山IC開通記念イベント 新東名高速道路ファンラン&ウォーク」が行われました。

 新東名の伊勢原大山IC─新秦野IC間、延長約12.8kmが2022年4月16日15時に開通します。車線は暫定4車線(完成6車線)です。開通区間に整備される秦野丹沢サービスエリア(SA)は上下線分離型サービスエリアで、新東名高速道路の起点となる海老名南ジャンクション(JCT)から下り線の最初、上り線の最後のサービスエリアとなり、ETC専用となる秦野丹沢スマートインターチェンジ(SIC)を双方に併設します。秦野丹沢SAの開業時期は未定ですが、秦野丹沢SICは開通日に利用可能です。

photo開通区間の広域地図 資料:NEXCO中日本

 今回の開通で、新東名の延長約253kmの約9割にあたる約228kmが供用します。工事中の新秦野IC─新御殿場IC間約26kmが完成すると、新東名は全線開通になります。

 新東名(新秦野IC─伊勢原大山IC)の開通により、以下のような整備効果が期待されています。
 ・沿線地域の観光活性化
 ・物流効率化による生産性向上と企業立地の促進
 ・IC周辺のアクセス性向上とリダンダンシーの確保

 ファンラン&ウォークは、新東名の開通区間を周辺地域の住民や関係者にお披露目する意味を込めて、秦野市主催、中日本高速道路株式会社秦野工事事務所協賛で開催されました。事前に応募した秦野市内在住・在勤・在学の約2400人(ファンラン約600人、ウォーク約1800人)が参加しました。

photoイベントの地図 資料:秦野市

 応募の際に以下よりコースを選んで挑戦します。
 ・ファンラン(19kmコース)
  午前9時から随時スタート 正午終了
  秦野丹沢SA─伊勢原大山IC付近往復
 ・ファンラン(10kmコース)
  午前9時から随時スタート 正午終了
  秦野丹沢SA─高取山トンネル付近往復
 ・ウォーク(4kmコース)
  午前10時30分から随時スタート 16時終了
  秦野丹沢SA─羽根トンネル付近往復
 ファンランとウォークはともに本線上り線のみ使用する予定でしたが、参加希望者が予想よりも多かったため、ファンランは上り線、ウォークは下り線を開放することになりました。

 スタート・ゴール地点となる秦野丹沢SA予定地では、スマートインターチェンジの電光掲示板に「令和4年3月20日 新東名高速道路 ファンラン&ウォーク」と表示されています。

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 東京方面へ向かうランプから、新東名の本線に架かる菩提高架橋とその先につながる羽根トンネルを一望できます。

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 9時、菩提高架橋の手間で、秦野市長による開会の挨拶と号砲によりファンランがスタートしました。参加者がシャトルバスで会場に到着し随時スタートするため、順位やタイムの計測や表彰は行われません。

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 ファンランの参加者が東京方面へ向かって本線の上り線を走ります。ファンラン(19kmコース)の景色を辿るため、並走してみました。

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 羽根トンネルの手前では秦野工事事務所の関係者がファンランを応援しています。

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 ウォーク参加者へ向けて、工事にまつわるパネル展示と記念撮影スポットが用意されていました。

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 羽根トンネルに入ります。長さは上り線2921m、下り線2906mです。トンネルは工事の際、掘削で出水の可能性があったため、深さが60m以上ある井戸を掘り、地下水を排水しながら施工しました。

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 非常駐車帯では、トンネルの上部に文字情報をプロジェクションマッピングで投影します。今回開通する区間12.8kmの約6割にあたる7.5kmでトンネルが続くため、運転者の漫然運転を防ぐ新しい試みです。事故を想定して投影されている「左車線へ」ですが、この日は折り返してくるファンラン参加者とぶつからないための案内になります。

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 投影される文字情報は、事故などの注意喚起や出口までの距離など様々です。先へ進んだ非常駐車帯では、ファンランの折り返し地点までの距離として「出口1.5km」と示されていました。

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 トンネルの側壁には、黄色いラインが引かれています。目線の高い車両の運転者が視線を前方へ促しやすくすることで、事故防止を図ります。

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 羽根トンネルを抜けます。

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 金目川橋を渡ります。延長は上り線175m、下り線185mです。

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 高取山トンネルの坑口付近に、ファンラン10kmコースの折り返し地点があります。伊勢原大山出口の案内板が設置されています。

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 高取山トンネル、長さは上り線3855m、下り線3902mです。トンネルは神奈川県の伊勢原側と秦野側の両側より掘削し、CIM(コンピュータ統合生産)/ICT(情報通信技術)といった最新技術を採用しました。2019年8月には建設現場見学が催されました。

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 約3.8kmのトンネルを走り続けます。

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 掲示されている「10」は、新東名の起点となる海老名南JCTから10km離れた地点であることを示すキロポストです。区切りのよい距離のため、他よりも大きく示されています。2017年12月に開催された新東名あつぎウォーク2017でも確認できました。

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 伊勢原大山ICまで1kmの地点です。

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 トンネル内の上部に設置されているジェットファン(排煙設備)は、火災時の煙を一方向に流す役割を持ちます。

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photoジェットファンの比較 資料:NEXCO中日本

 ジェットファンは一般的に車道の上部に設置しますが、非常駐車帯の上部に設置することにより、車線規制せず保守作業できるようになります。また、走行中の圧迫感と落下リスクを低減します。形状は約10度の角度をつけてアーチ型にしました。

 高取山トンネルを抜けます。

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 照明は低位置照明を設置しています。従来のポール照明は道路全体を照らし、霧が発生すると光が散乱して視界を妨げることになります。低位置照明は外側の白線を集中的に照らして、浮かび上がらせることができます。また、光源を抑制することで、周辺に多く棲むホタルの育成と繁殖を守ります。

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 ファンラン19kmコースの折り返し地点に到着しました。500m先に伊勢原大山ICがあります。

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 振り返り、高取山トンネル下り線の坑口を見ます。走ってきた上り線をそのまま折り返し、秦野丹沢SAまで戻ることで、19kmを走ったことになります。

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 10時30分から16時まで、秦野丹沢SAから羽根トンネル内までウォーク(4kmコース)が行われています。

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 今度はウォーク(4kmコース)の景色を辿ってみます。

 羽根トンネルの上り線を進み、4km折り返し地点から車の進行方向に沿って秦野丹沢SAを目指します。

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 避難連絡坑が整備されています。トンネル内での火災や事故の際は避難連絡坑の扉を開けて、上下線共用の避難連絡通路へ移動します。

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 菩提高架橋を渡ります。延長は上り線約1,003m、下り線約1,013mです。

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 秦野丹沢SA・秦野丹沢SICへの分岐箇所が見えてきました。

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 秦野丹沢SICは、横野3号線(旧市道144号線及び旧市道146号線)に接続し、県道705号へアクセスします。

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 本線の先は、新秦野ICへつながります。

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 工事区間で最大の難所と呼ばれる新秦野IC─新御殿場IC間の開通は、2023年度の見込みです。

(2022年12月16日追記)新東名 新秦野IC─新御殿場IC間は2027年度に開通する見込みです。

公式:E1A 新東名高速道路 伊勢原大山IC~新秦野IC_NEXCO 中日本