首都高速道路の横浜北線は、横羽線と第三京浜道路を結ぶ高速道路です。
2017年2月10日、報道機関に「首都高速道路 横浜北線 公開」が行われました。
横浜北線は、横羽線の生麦JCT(なまむぎジャンクション)と第三京浜道路の横浜港北JCT(よこはまこうほくジャンクション)の延長8.2kmを結びます。2017年3月18日16時に「[K7]高速神奈川7号 横浜北線」という名称で開通します。
横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側に位置することから「きたせん」とも呼ばれます。横浜北線の延長線上には、東名高速道路と接続する横浜環状北西線も建設が進んでいます。
岸谷生麦出入口付近へ移動します。
生麦JCTを背にして横浜北線の下り線を進みます。岸谷生麦出口まで600mの地点です。
横浜北線の下り線と、横羽線の下り線からの合流箇所です。
以下の写真は、ほぼ同じ場所となります。上の写真は工事が進む約3年前です。左側にキリンビール横浜工場があります。
上:2014年4月3日
(首都高講座 48限目:生麦ジャンクションの高架橋に昇って横浜環状北線を学ぼう!)
下:2017年2月9日
生麦JCTの一部です。高架の下部には、直線の横羽線を見ることができます。
先は、横浜港北JCT方面です。高架の上層が下り線、下層が上り線となります。
横羽線の上り線から横浜北線の下り線へ向かうランプです。
生麦JCTと横浜港北JCTの間には、岸谷生麦(きしやなまむぎ)出入口・馬場(ばば)出入口・新横浜(しんよこはま)出入口が設置されます。合流箇所の先に、岸谷生麦出口があります。
横浜北線の横浜北トンネルへ移動します。
トンネルは、シールド機で掘削されたため、形状が円形になっています。以下の写真は、トンネルがつくられる流れを示しています。
上:2010年7月23日・新横浜の発進たて坑
(首都高速道路 メルマガ講座 横浜環状北線(きたせん) 新横浜たて坑)
中:2011年11月11日・新横浜の発進たて坑
(首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう)
下:2017年2月9日・子安台の到達たて坑
横浜北線の約7割におよぶ約5.9kmはトンネルのため、非常の際に対する備えが整っています。
トンネル上部の横には、テレビカメラが設置されています。約100m間隔にあり、異常を検知します。
車道の側面には、自動火災検知器が設置されています。約25m間隔にあり、異常を検知します。
トンネル上部の横には、水噴霧設備が設置されています。施設管制室から遠隔操作され、約50mの範囲に霧状の水が放出されます。実演されました。
トンネル上部には、ジェットファンが設置されています。火災が発生したとき、煙が避難の妨げにならないよう空気の流れを調整します。横浜北トンネルには43基設置されています。
車道の側面には、非常電話が設置されています。約100m間隔にあり、安全のため壁のくぼみに入って、非常電話の案内の下にある空間から向かってくる車の動きを確認しながら通話をします。受話器を上げて、ボタンを押すだけで通話をすることができます。
車道の側面には、消火器と泡消火栓、非常口・非常電話・押しボタン式通報装置が設置されています。
押しボタン式通報装置は、約50m間隔にあります。
消火器は、約50m間隔にあります。初期消火することができます。
泡消火栓は、約50m間隔にあります。ノルズを取り出して、レバーを引くと泡が出ます。実演されました。
非常口は、約250m間隔にあります。
横浜北線の避難通路は、道路の下部に確保されています。非常の際には、すべり台式非常口で道路の下へ移動して、地上出口まで避難します。
すべり台式非常口は、首都高速道路では横浜北線にて初めて採用されました。76基設置されています。東京湾アクアラインと同じ形式です。
横浜北トンネルでトンネルで火災に遭遇したら、
・安全を確認して、速やかに停車します。
・車は道路の左右どちらかに停めて、中央は緊急車両のために空けます。
・エンジンを止め、キーを車内に残して近くの非常口から避難します。
・非常口のすべり台を使い、道路の下部にある避難通路を通り地上へ移動します。
非常口の左右どちらかにある緑色のボタンを押します。
非常口の跳ね上げ扉が開放されます。
避難通路へ移動するためのすべり台が現れます。
すべり台で道路の下部にある避難通路へすべり降ります。
避難通路は安全な空間になっています。道路と避難通路は気圧が変えてあり、火災の煙が避難通路へ入らないようになっています。
避難経路案内図を確認して、地上出口まで移動します。
非常口の跳ね上げ扉は電気を使わず、おもりで動きます。トンネルが停電していても使用できます。
避難通路にも非常電話が設置されています。
消防隊専用の進入口です。避難通路へ避難した後に道路へ戻ることはできません。
矢印に従うと、地上へと避難できます。避難通路の端には、網に囲われた電線路があり、上部には泡消火栓用配管が通っています。
横浜北トンネルでは地上出口が4箇所、用意されています。約200段の階段を上ると、地上へ出ることができます。
場所によっては、すべり台ではなく道路の側面にある扉から避難できます。
横浜港北JCTへ移動します。
横浜北線の下り線、馬場出口です。馬場出入口は、2019年度の開通を目指して整備が進みます。
横浜港北JCTへ移動します。港北料金所を見ます。
横浜港北JCTでは、横浜北線と第三京浜が接続します。将来は、建設している横浜環状北西線が接続するため、横浜北線と横浜環状北西線を通ることで横羽線・第三京浜・東名高速道路が結ばれます。
横浜北線と一般道路の川向線との接続は、整備中です。横浜港北JCTを利用して、横浜北線と一般道路を行き来することはできません。横浜北線との出入は新横浜出入口を利用することになります。
横浜港北JCTのAランプ、0.6kmを示す「港A .6」が記されています。
今度は逆に、横浜北線の上り線を、横浜港北JCTから生麦JCT方面へ向かいます。
横浜環状北西線へ向かう分岐地点の整備が進んでいます。
料金所まで200mの地点です。
高架の上層が下り線、下層が上り線となります。上り線にも分岐箇所があります。
横浜北線の川向料金所です。
料金所の先には、横浜北線と横浜環状北西線の合流箇所ができます。
送り出し架設工法で建設された全長158mの大熊川トラス橋があります。鶴見川・大熊川・江川の3つの河川が合流する箇所となるため、景観性や経済性など様々な観点から、トラス橋となりました。
新横浜出口まで400mの地点です。
「北線 K7」が表示されています。
横浜北線の下り線、新横浜出口です。
新横浜トンネルです。延長は5900mあります。
先は岸谷生麦出口・生麦JCTとなります。
(以下、新横浜トンネルを進んだ状態を、2017年3月11日に追記しました。)
電光掲示板に「3月18日(土)16時 横浜北線 開通」と表示されています。
岸谷生麦出口を示す案内板があります。
地上部に、東海道新幹線の路線があることを示す案内板です。
地上部に、東急東横線の路線があることを示す案内板です。
横浜北線の上り線、馬場出口です。左側にある英語の案内板は将来、馬場出口を示すものに変わります。
馬場換気所が設置されている箇所になります。
ここにて「首都高速道路 横浜北線 公開」は終了となります。
横浜北線が開通することで、以下のような効果が期待されます。
・横浜港へのアクセス向上→物流の効率化
・羽田空港へのアクセス向上→空港連絡バスの利便性向上
・ネットワークの強化・信頼性の向上→防災力強化・医療支援の充実
・地域活性化・観光振興→生活環境改善
2017年3月18日の横浜北線の開通の前に、「横浜北線ウォーク&ラン」が開催されます。
・トンネルウォーク
日時:2017年3月11日(土)10時~16時(最終入場15時)
場所:新横浜会場・岸谷生麦会場
応募:先着順(各会場1万人ずつ)
・ファンラン
日時:2017年3月12日(日)10時スタート
場所:新横浜公園〜横浜港北JCT・新横浜換気所
応募:抽選(500名・横浜市内優先)
参加:1,000円
ラジエイトでまとめた横浜北線についての他の記事は、以下をご覧ください。
公式:ほくせいせん・きたせん